bO2 塗


漆器に関してよく使われる言葉の解説利休形雪吹

○塗物の工程(概略)

 木地→下塗→中塗→上塗→加飾(蒔絵)

漆塗りは下塗、中塗、上塗に分けられます。
完成された下地に基礎的な塗として下塗と中塗があり、それぞれに漆を塗っては炭とか砥石で研ぐ工程があります。
上塗は仕上塗の花塗・蝋色塗に分けられ、別に変り塗もあります。


上塗の種類

花 塗(はなぬり)

塗立ともいい、中塗で研ぎ出した表面に油性の漆を塗るだけのもの。
漆独特の光沢を残し、気品のある塗です。

蝋色塗(ろいろぬり)

呂色ともいい、油分の無い漆を上塗してから研磨して艶を出すもの。


この他には変り塗があり、変り塗は地方工芸に多く、その種類は非常にたくさんありますが茶器に見られるものとしては、以下のものがあります。

根来塗(ねごろぬり)

本来は紀州根来寺の寺院什器に使われたの塗物です。
分厚く堅牢に塗られた朱色が、長年の使用によって上塗の朱が剥げ、ところどころに下地の黒漆が出てきたものが面白く珍重された。
必ず上塗の朱漆は塗立で磨いていない。

紅葉塗

中塗表面に、楓の葉に漆をつけて貼りつけ、楓の葉の文様を写し、透漆を塗って研ぎ出したもの。

夜桜塗

夜桜棗でよく知られる塗で、蝋色の胴擦りの後に焼漆で桜模様を描き、その上を蝋色に仕上げるものです。

白檀塗(びゃくだんぬり)

中塗研立の後に擦り漆をして金・銀箔を置き、乾燥してから透漆をかけて上塗をしたもの。


 参考文献

野村瑞典 著 「茶道具の基礎知識」光村推古書院
松田権六 著  うるしの話     岩波新書
淡交別冊    「漆の美」       淡交社


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