138   和銑(わずく)

鉄に和銑(わずく)と洋銑(ようずく)の二種類があります。
和銑は日本古来の砂鉄を炭で精錬した釜や工芸品に使われてきた地金です。砂鉄地金
材料の入手が難しく熟練の経験と技術を要し生産性が低いのが問題。
それに対し幕末に輸入された洋銑は、鉄鉱石を石炭等で大量生産出来る鉄でした。鉄鉱石地金
高い生産性に加え切削・塑性のしやすさで大きく変わることになりました。
しかし洋銑で製作した釜は錆びが出易いのである。
表面加工と内側の錆び止めでなんとか使用には耐えますが和銑の鉄味には勝てません。
釜の値段は原料の差と言っても過言ではありません。


参照

                                      茶道具の基礎知識家   野村瑞典 著 光村推古書院
                                       釜・炭道具        長野 裕 編集    淡交社
                                      釜・香合   大西清右衛門・小田栄一 著 主婦の友社
                                                                                                                                                                                                                                   

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