◎67 中国の窯(茶道具に関して)
◎ 定 窯 (ていよう)
中国宋代の名窯。 河北省曲陽県に窯跡がある。
晩唐九世紀に開窯して白磁の秀作を焼造、五代・北宋・金代まで続いた。 その廃窯時は判然としないが、元代まで続いたかもしれない。
白磁のほか、黒磁・柿釉磁・掻落し文様の磁器や緑釉陶・褐釉陶も初期の段階で焼いた。
白磁の色は象牙色(アイボリー)で温かみがあります。
◎ 鈞 窯 (きんよう)
中国宋代の名窯の一つであり、均窯とも書く。
青磁の一種であるが釉薬に硅酸分が多いため失透性を帯び、ラベンダー色を呈する。 窯跡は江南省禹(ウ)県にあるが、明代初期には禹県を鈞州と呼んでいたためこの名が付いた。 しかし禹県に限らず、華北各地の窯で焼かれたようである。 いつから鈞窯が焼かれたかは今なお不明であり、漠然と北宋代と考えられている。
◎ 建 窯 (けんよう)
中国福建省建陽県にある窯。
宋代に建盞と呼ばれる黒釉の施された天目茶碗を産したことで有名であるが 、明代以降は白磁も産したらしい。
窯は建陽県に限らず福建省一帯から広東省にかけて存在する。
その最盛期は南宋代であり、鉄分の多い褐色の素地を特色とする。
参照文献
『原色茶道大辞典』 淡交社
「角川茶道大事典」 角川書店