99 虎渓三笑 (こけいさんしょう)
今年の勅題「笑み」にちなみ虎渓三笑を取り上げました。
意味は「話に夢中になって他のことをいっさい忘れてしまうこと」
儒教・仏教・道教における三人の賢者が話しに夢中のあまり、気がつくと思いも掛けないところまで来ていたという故事に基づいています。
中国浄土教の開祖で廬山(江西省にある山)の東林精舎の主、慧遠(えおん)法師は来客を見送る際は精舎の下の虎渓という谷川の手前で足を止めまだ虎渓を渡ったことがなかった。
ところがある日、詩人・陶淵明(とうえんめい)と道士の陸修静(りくしゅうせい)の二文人高士を見送った時には、話に夢中で虎渓を越えてしまい虎の吠える声を聞いて初めてそれと気づいた三人はここで大笑をしたというのです。
題画として名高いが三者の生没年が合わないので作り話とされている。
参照
原色茶道大辞典 淡交社
原色陶器大辞典 加藤陶九郎 著 淡交社