詩ー記念碑に寄せて

海は人をつなぐ母の如し

 

漢河の流れは悠々と 貴国の歴史の時間が流れる

山河の滴は海へと注ぎだし 潮流にのって私の村に着く

 漢河の風は微笑み 昇る太陽は輝く

若狭湾の夕陽は燃えて 明日の再会を約束する

 貴兄の手で掴んだ漢河の土は 泊の海辺の丘にて

 記念の樹木を太くし 貴兄と私の魂は永遠に

この美しい風景の中に遊ぶ

 

祖先の偶然の出会いは 必然の再会を約束し

価値ある歴史は 現在と未来をつなぐ

 漢河の岸辺で鳴く鳥たちは 北の峰を自由に旅して歌い

東海の魚たちは 明川の磯から 若狭の海を自由に回遊する

 

潮流は幾多の文化を運び 民衆は同じ海を抱き合い

戦争の渦中にあっても 海は人を隔てない

海は人をつなぐ

 今 風は貴兄の国から吹いてきて

私はこの時代に 生まれてきた意味を知る

「韓国船遭難救護百周年記念事業」

未来のために我々は新しい 歴史を創造する

    記念事業を終えて鄭在吉に捧げる   2000.1.10    Kazuyoshi Omori