☆調査地


<平家平(福井県大野市)> 

 大野市の南西に位置し、大トチノキやブナの純林、ミズバショウの群生が見られることで有名。1996年に大野市が平家平一帯196haを買い取り、保全にあたっている。
 1997から1999年までの3年間、大野市は買収した敷地内の動植物の生息調査を行い、3年間の調査で両生類8種、爬虫類5種、鳥類82種、哺乳類22種が確認された。
 春〜初夏にかけてのさえずりのコーラスや、秋の渡り期の小鳥の群飛(アトリ、マヒワ、ツグミなど)は見事である。
 標識調査は、積雪のない5月中旬〜11月初旬にかけて行われ、シーズン中に500羽前後放鳥されている。
 捕獲される主な鳥類は、ルリビタキ、シロハラ、ウグイス、クロジ、クロツグミ、コガラ、シジュウカラ、ヒガラ、コルリ、オオルリ、マミジロ、サメビタキなど。


      
写真をもう少し

 ※最近ハイカーが増えたためか、林道周辺に大変ゴミが目立ちます(網場にも捨てられています)。
状態の良い平家平の自然(および風景)を保全するためにも必ずゴミは持ち帰ってください。


<神明山(福井県大野市)>
 経ヶ岳山麓、六呂師スキー場に近接する標高596mの小高い山である。当地は1991年から継続して鳥類標識調査が行われており、現在までに46種の鳥類が標識、放鳥されている。1998年〜2000年の調査記録を見みると、シジュウカラ、ヤマガラ、コガラなど、カラ類の捕獲が多い。
 上記の平家平と違い、「とても鳥が多い」という印象はないが、福井県が「自然観察の森」として整備しており、施設が整っているので観察や調査が行いやすい利点がある。
 また、調査地近くにある「福井県自然保護センター」では、積雪期に小鳥用の餌台を設置しており、そこに集まる小鳥たちをセンター内の「森の学習室」から観察することができる。

      
 頂上の網場。赤い旗をつるしてあるポールからカスミが網奥へ続いている。

<九頭竜川河口(福井県坂井郡三国町)>
 1999年より継続して標識調査が行われており、2001年までに2目8科16種432羽が放鳥されている。
 河川敷のほとんどは水田で占められているが、わずかにヨシ原が残っており、秋〜冬季にはオオジュリンを初め多くの小鳥類がこのヨシ原を訪れる。
 また、網場周辺では100種以上の鳥類が確認されており、後背地の水田地帯を含め、冬季のガン類(マガン・ヒシクイ)や猛禽類、渡り時季のシギ・チドリ類など見られる鳥は多い。
 
      
 2002年の秋にはヤマヒバリやシベリアジュリンなど、比較的稀な種も標識された。

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