ウモウダニ

 2003年度からウモウダニの調査研究をされている、宮城県の黒木知美様の協力をしています。
 ウモウダニはその名のとおり鳥の羽毛に付くダニで、標識調査のおりに抜け落ちたりした羽毛を黒木様に提供しています。
 以下に、「ウモウダニ採取の手引き 第2版 (藤原知美,2003)」の「はじめに」より抜粋した、ウモウダニの簡単な説明です。

 
 私たちにとって身近な野鳥にも、多くのダニ類がすんでいることをご存知でしょうか。
 鳥類寄生性のダニ類は、鳥の皮内・皮下・鼻腔・気管・肺・気嚢・羽毛・羽軸腔など実にさまざまな場所にすんでいます。この中にはケダニ目、 トゲダニ目、マダニ目、コナダニ目などの多種多様なダニ類が見出されていますが、ウモウダニ類Feather mitesは33科に分類される鳥類寄生性ダニ類中最大のグループです。
 ウモウダニは1ミリに満たない、ごく小さな生物ですが、ある種は風切羽の羽弁に、別の種は頭頂の羽毛に、また別の種は綿毛の中といったふうに、羽根の様々な部分から見出されます。そして宿主に固有の寄生種と複宿主性の寄生種を含め、1種類の鳥には複数種のウモウダニが寄生することが明らかになっています。
 例えば、スズメに寄生するウモウダニ、オオルリに寄生するウモウダニ、アトリに寄生するウモウダニ、というように、鳥ごとに奇異多彩なダニ類が見出されています。これらウモウダニの総数は少なく見積もっても、世界に生息する約9000種類の鳥類の数ほど存在することが推測されますが、さらに調査研究が進めば、ウモウダニ類の全体像はきわめて膨大な数に達することでしょう。世界中でウモウダニのどの科も、まだ約20%が明らかになっているにすぎないのです。(以下略)


 提供した羽毛から採取されたウモウダニたちです。
 最初に写真を見せて頂いたときはその綺麗さにビックリ!送った羽毛から採取された個体の写真をもらって、その形態の多様さにこれまたビックリでした。

以下に頂いたウモウダニの写真です。クリックすると画像が大きくなります。
(画像の下の表が採取された個体の宿主の鳥種。それぞれ画像の位置に対応しています。)
ツグミのウモウダニ(♀) ツグミのウモウダニ(♀) ツグミのウモウダニ(♂) シジュウカラのウモウダニ(♂) ハギマシコのウモウダニ (♂)
ホトトギスのウモウダニ(UJ)


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