DarkMagic のセット復刻 
 

 今回はこんなお話を。

 デッキ構築のために DarkMagic のカードを色々と見ているのですが、やはり最近の Magic は変質というかカード能力のインフレが進んでいて、 DarkMagic の範囲のカードが入り込む余地が無くなりつつある気がします。基本セットに再録されても使われる物はごく少数のようですし、本当に使えそうなカードはいわゆる“ Discontinued ”という扱いを受けてもう長く世に出ていません。しかしその Discontinued のカードにしても、実は DarkMagic という範囲で使う分にはそれ程猛威を振るう訳ではありません。前にも何度か書いていますが、パワーナインというカードは所詮はデッキの強力なエンジンでしかありません。しかもエンジンという点では、それこそ Tolarian Academy とか Windfall 辺りの方がはるかに凶悪です(笑)。

 ただこの辺(特に第4版+クロニクル辺り)のカードが面白くて Magic を始めたデュエリストは少なからずいて、そういう人達によって Magic は1つの時代を築き上げました。現在WoCは日本でデュエル・マスターズを拡販し、そこに集まったプレイヤーをいずれ Magic に・・・と画策しているようです。しかしそんな苦労をわざわざしなくても、ちゃんと Magic というブランドでニューカマーを呼び寄せる事はできていたんです。少なくとも昔は。だったらその方法を改めて取ってもいいんじゃないか。私個人はそう考えています。ひょっとすると DarkMagic というフォーマットが普通に遊べる環境ができると、それこそ古参デュエリストの Magic への帰参とか、新規デュエリストの獲得に貢献してくれる可能性はかなり高いと思います。それは何も頭が固くなった古参デュエリストに対するサービスに留まらず、そこで活気付いた Magic が再びニューカマー獲得に向けても活性化するんじゃないか。そういう期待は十分にあるのです。

 そのための方法は何もそんなに難しくはありません。要するに“ DarkMagic の基本セット”を発売するのです。当然パワーナインといった Discontinued なカードもこのセットには含まれます。このカードは Magic という現在のゲームに混ぜて使う必要はないので、特に裏面のカードデザインを大幅に変更してもさほど問題はないでしょう。(ただしできるだけカードイラストは昔の物を使った方がいいだろうとも思います。)1つのセットとしてはかなり規模が大きくなりますが、別に既に元を取っちゃったであろうカードですから、それこそ最初から固定のコンプリートセットを売るか、あるいは「15枚入り1パックで200円。レアは2枚入ってます。」なんて価格設定で売っても問題はないはずです。

 この提案には色々と問題があるように思われます。例えば市場の絶版カード(特にパワーナイン)の価値が暴落するとか。しかし私はその辺はさほど心配する必要はないと思っています。はっきり言いますが「その程度の事で価値が暴落する程 Magic の絶版カード市場はやわじゃない。」という事です。どうせこのまま Magic が何らの施策も取らずに放置されれば、いずれそういうカード市場そのものが崩壊して、遠からずパワーナインだって紙屑と化すのです(笑・・・えない)。ひょっとすると現役デュエリストの大部分がオンラインに移行して・・・そういう可能性だってあるでしょう。このまま何もせずに手持ちのカードが紙屑になるのを待つ位なら、思い切った措置を取って市場の安定化、あるいは更なる活性化を図った方がいいだろうと私は思います。とにかくこの手のカードセットで Magic という市場そのものを広げる。これが今となっては Magic を延命させる、あるいはもう一花咲かせる数少ない手段なのです。

 最近の競技 Magic で問題になっている事項、例えばカードの使い捨ての問題とか人気/不人気カードの格差の問題。そういった多くの問題がこの DarkMagic 基本セットの発売によって改善されるはずです。こういうカードセットが売れる事が分かったら、今度は更に第4版〜ラースサイクルのフルセットを出す、そういう商売としての発展も可能でしょう。(その辺のカードが売れるかどうかは別問題でしょうが。 (^^; )少なくともデュエリストが Magic に長く定着できる環境は整う訳で、彼らに新しい Magic のカードを買ってもらい競技 Magic を盛り上げてもらう事ですら、そんなに難しくはないだろうと思います。まあアニメの話題性でデュエル・マスターズに集まったプレイヤーに、そういった裏付けも話題性もないマイナーTCGに手を出してもらうよりは遙かに簡単だろうと思うのですが(爆)。


   

このページの内容に関する文責はすべて私 あいせん にあります。