KOFのお話 
 

 今回のこのお話に100%着いて来られる人ってどの位いるんでしょうか? (^^;;; 

 おじじ部ではほとんど取り上げられる機会がないのですが、実を言うと私の格ゲー歴はKOF( The KING of Fighters )抜きには語れなかったりします。ある意味「KOF専門です」と言っても過言ではない位です。ただし私がここで取り上げるKOFというのは、あくまで96年までのKOF全盛期のゲームを指しています。はっきり言って97年以降のKOFって、ある意味惰性で作られている感すらありましたので。(とは言っても、一応98までのROMは持っていますし、それ以降の作品も機会があれば揃えたいとは思っていますが。)

 KOFとの出会いは実に劇的でした。何かの情報で「SNKがチームバトルのできる格闘ゲームを出すらしい。」と聞き、友人と情報を求めて書店に行きました。(当時はもちろんインターネットなんて無かったですし、まだパソコン通信にも手を出していなかったですので。)それで紹介記事が載っている雑誌を見つけて流し読みを始めました。まあ当然興味は「どんなチームがあって、自分はどのチームを使うのか?」だった訳ですか、その紹介記事の最後のページを見て私の時間は止まりました。はい、もう分かりましたね。その瞬間に私のチーム選びは終わりました(爆)。友人からも「発売前にもう決定かよ。ただし君の場合どう考えてもこれ以外の選択肢は無さそうだけど。」とか言われましたが。 (^^; 

 ただ私の格ゲー歴をご存じの方は分かると思うのですが、私はKOF '94においては基本的にほぼすべてのチームを使えます。今でもすべてのキャラクタの必殺技コマンドや大まかな戦術は頭に入っているというか体が覚えています。私にとってこういうやり込んだゲームというのは他にあまりありません。あとは餓狼伝説2/餓狼伝説SPECIAL位かな。サムライスピリッツは基本的にはナコルルオンリー・・・と言いたいところなのですが、実は私が対戦で使うメインキャラは王虎です(誤爆)。(私が使うナコルルはすぐに真っ二つにされるので、正直言うとあまり使いたくないのです。 (;o;) )あとは基本的にまともに使えないキャラクタの方が多いです。それとストIIシリーズは言うまでもなく春麗しか使えません。 (^^; ヴァンパイアシリーズはモリガン以外見てません。 (^^;;; それは要するに対戦に費やした時間というかやり込み度に比例しています。やはり家庭用でアーケード版と同じゲームが動くNEO・GEOの強みでしょうか。あ、ただしこれは意外に思われるかも知れませんが、私は '94のサイコソルジャーチームだけはあまり使えません。というか、当時私は麻宮アテナというキャラクタが大嫌いでした(爆)。理由は“イギリスチームに勝った時の勝ちセリフ”だったのですが。 (^^; ただし '95以降私のチームには「空中投げができて可愛い。」という理由でアテナが入る事になります(ぉ。いや、空中投げだけを理由にすると「じゃあ別に紅丸でいいじゃねえか。」とか言われちゃいますので(笑)。ちなみにユリ・サカザキはどういう訳か皆勤賞なんですが。

 これは私が知り合ったKOFファンの多くが言う意見なのですが、やはりKOFってチームエディットは認めるべきではなかった気がします。KOFというゲームがそれこそキャラクタ毎のバランスが取られた優秀なゲームだったらまだしも、しょせんKOFなんてキャラゲーなのです(笑)。それでチームエディットを認めてしまったら、当然最強キャラばかりを選んで最強チームを作って対戦で暴れてやろうという方が出てくるのは当たり前なのです。実際にそうなりましたし。その点やはり '94は良かったと思います。あれだけキャラクタ毎の能力に格差があっても、それで対戦のゲームバランスは何とかなっていましたから。まあ間違いなくハイデルンの性能が一歩も二歩も抜きん出ていたのですが、お供の2人が“あれ”ですからねえ。 (^^; あと個人的にはイギリスチームが全体として弱かった、正確には某雑誌の攻略のおかげで世間がそう認識していたのが救いでした。キング以外は皆さんノーマークなのですが、うちのイギリスチームは不知火舞が相手をバッタバッタとなぎ倒していましたので。ユリはユリで決まればかなりの高確率で気絶が狙える連続技がありましたし。

 ただもしKOFが '94以降新キャラを登場させなかったとしたら、私がここまでKOFというシリーズにのめり込む事はなかったと思います。 '96で登場したレオナというキャラクタが、その後の私の格ゲー人生をかなり左右したと思います。どういう訳か私とレオナは不思議な程波長が合ってしまったのです。それまでは自分が好きなキャラクタを使って、何とか自分が対戦を楽しめるよう程度にうまくなろう。そういう感覚で格ゲーと付き合っていました。ところがレオナと出会ってから、私のKOFにおける戦績が飛躍的に向上しました。それまでも別にそんなに負けが込んでいる訳ではなかったのですが、これがレオナを使うといわゆる“そのゲーセンにいる凄腕の常連プレイヤー”にも勝てるようになったのです。ちょっとこの感覚は一時期病みつきになりそうになりましたね(笑)。ただ幸いな事に私はその頃、そんな私をそれでも徹底的に撃破してくれる知り合いに巡り会う事ができました。その彼の様子を見ていて、私は「ああ、やっぱりどんなに強いプレイヤーでも“ゲームを楽しむ”という姿勢を忘れちゃいけないんだな。」と思い知らされました。一番強いプレイヤーが一番ゲームを楽しんでいる。周囲のプレイヤーから見れば、ある意味こんな悔しい事はないのですが。

 そんな中で私がKOFというゲームに一種の“違和感”を覚えたのが '97でした。どう表現していいのか未だに分からないのですが、でも何かが違うんですよ。キャラゲーのくせにキャラが立ってなくて、それこそバーチャファイターのような格闘ゲームとしての成功を目論んで内容が頓挫してる。コマンド入力が煩雑かつ不正確で、遊んでいて爽快感がない。何かそんな感じです。登場キャラクタの必殺技コマンドが大量に変更されたのもこの頃じゃなかったかな。そのまま '97を遊び続けたら間違いなく '96以前の対戦が弱くなる。それだったら '97を遊ぶのをやめよう。これが私の判断だった訳です。今にして思えばその判断は正解だったと思いますし。そしてこういう傾向が '98で決定的になります。アテナのフェニックスアローがパンチからキックにボタンが変更されて、それに私が付いていけずについに投げ出した。これが私がKOFを離れるかなりの決定打になりました。 '95で“必殺技の属性変更(出ている最中に小←→大を切り替える)”なんてテクニックを使っていた自分としては、今さらフェニックスアローをキックボタンで出せと言われても無理だったのです。

 このお話を読んで頂けると分かると思うのですが、私が他のゲームで口にする一連の意見って、この頃に見聞きした経験から出た物が結構あるのです。やっぱり格ゲーもメーカー自身が「古参プレイヤーがそのゲームのどこに惚れ込んだか」が分かっていなくて、そういうプレイヤーがそっぽを向くような変更や新機能をゲームに盛り込んでしまう。しかも後発になればなる程ゲームバランスが崩壊していて、それが“勝利至上主義”と称して正当化されてしまう。そして一部の“そういう格ゲーでも耐えられるプレイヤー”によって支持されて維持された。これが誇張でも何でもなく格ゲーの歴史なのです。しかし普通はそういうお寒いゲームは遊ばない(手を出さない)プレイヤーの方が多数派な訳で、だからSNKは最後には倒産という憂き目にあいました。はっきり言いますが、それこそ90年代半ばのSNK全盛期に、その数年後にSNKが倒産するなんて想像していた格闘ゲーマーはただの1人もいなかったと思います。でもこれが現実なのです。前に何かの番組で「人はなぜ歴史を学ぶのか?」という問いかけをしていました。過去の歴史の失敗を繰り返さず、それを財産として後世に活かす。それが歴史を学ぶ意義だと私は今でも信じて疑わないのですが。

 そういう訳で、私自身はKOFというゲームに今でもそれなりに深い思い入れがあります。今でも対戦すればそれなりに“腕に覚えあり”と言えますし。ただ残念な事に私の周囲にはKOFが好きだという方っていないんですよね(涙)。他の秀逸なゲームに比べるとやっぱりゲームバランスが悪い。理不尽なダメージが出てゲームが成立しない。そういう印象が強いようです。ただKOFってそういう部分がある意味魅力なんですけどね。 (^^; それこそ某雑誌の攻略が投げ出したようなキャラクタで京や庵あるいはハイデルンを倒す。ちゃんと突き詰めて研究すればそれが可能なゲームだったのですが。少なくとも '96までは(笑)。


   

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