歓迎“黒船”御一行様 
 
 日本のTCGにも“群雄割拠/下克上”な時代は来るのでしょうか?

 ○ 太平(!?)の眠りを覚ます蒸気船

 日本のTCG市場に新たなビッグ・タイトルが相次いで登場しそうな気配があります。

 まずコロコロコミックに Magic マンガとして連載されていた“デュエル・マスターズ”が、なぜか途中から完全オリジナルのTCG漫画になってしまったのですが (^^; そのオリジナルTCGが Magic のメーカーであるWoC自身の手でゲーム化され、タカラから発売される事になりました。WoCはそれこそ世界中にTCGという遊びを広めた諸悪の根元パイオニア的存在です。そしてタカラもベイブレイド等の数々のブームを日本に起こしており、その販促手腕やユーザーサポートには実績も定評もあります。この2社が組んでTCGを売り出せば日本で流行らない訳がない。そういう印象すら私にはあります。そして更に先日、米国で人気のTCG“ Magi-Nation ”がエポック社から発売される事が決まりました。こちらの方はコミックボンボンに連載漫画の掲載が予定されているそうです。(ただ“米国で人気の・・・”というのはあくまでメーカーコメントであり、実状がどうなっているのか私個人は情報を持っていませんが。 (^^; まあCardHaus辺りが扱っているようですから、それなりにユーザーはいるんでしょうね。)

 今まで日本のTCGは“遊戯王OCGとその他多数 (^^; ”という図式で市場が形成されてきました。確かに Magic 辺りはそれなりの市場規模を持っていそうなのですが、実際には代理店の販促のまずさもあって日本での知名度はそれ程高くありません。そしてそんな中で、日本のTCG市場をリードしてきた遊戯王OCGの勢いに明確に陰りが出ています。メーカー自身が「今年度の売り上げは昨年度の4割程度になる。(ただしこれは去年の8月時点での発表ですが。)」と明言していたのですから、その落ち込み振りが伺えるという物です。あとこれはある業界関係筋からの情報ですが、どうも「 Magic も一時期ほど売れなくなっている。」という話が問屋筋では流れているそうです。(ただこれはあくまで代理店経由による国内流通の話のようですが。)またモンスターコレクションやアクエリアンエイジが、相次いで“第2弾”と称して過去のカード資産をリセットさせよう(!?)という動きに出ています。ただし私が伺っている限り、少なくとも先行して II に移行したモンコレはあまりうまく行っていないようですが。 (^^;;; 

 そういう状況を冷静に分析すると、実は今「日本に“より日本人受けする”TCGを持ち込めば大ヒットさせられるかも知れない。」という読みが成立します。TCGという遊び自体は遊戯王OCGによって多くの日本人に認知されていますから、後発メーカーは既に敷かれたレールの上に乗って走ればいい。つまり自社製品の販促にパワーを集中できるからです。(ただしそのレールは間違っても平坦ではなさそうなので要注意ですが。 (^^; )そしていわば“ポスト遊戯王”を巡って巨匠が動き出した。要はそういう事になるのでしょう。この事は他のTCGメーカーに取ってはかなり憂慮される事態ではないかと思われます。特にデュエル・マスターズが遊戯王OCGや Magic プレイヤーの取り込みを画策した販促を展開する事は、その生い立ちから見ても容易に想像が付きますので。

 ○ @※☆支配で夜も眠れず(爆)

 では、今後発売されるTCG(の販売サイド)が考えている“売れるTCG”とは、一体どういう定義になるのでしょうか。現在までに分かっている範囲の情報を比較/検討すると、両社が考えている販売戦略にはある共通点が見られます。それは“子供向けである”という事と“ゲーム自体の面白さを重視している”という事です。

 TCGを子供向けに売り出す。これは私に言わせると、少なくとも日本においてはかなり最善手に近いです。まず日本でのブームは子供向けか女性向けの商品で起こる(それ以外で起こりにくい)という事。そして子供が始めると間違いなく大人も手を出すという事です。これは日本で遊戯王OCGが成功して Magic がそうならなかった事例を見ても明らかです。ゲームの内容、サービスやサポートの中身、そして販売価格。これらすべてについて遊戯王OCGは明確に小学生や中学生狙いでした。(これに対して日本に導入された初期の Magic は、主に大学生や社会人を客層に想定していたと思われます。)そして遊戯王OCGはブームになり、結果的に“大きなお友達”も遊ぶTCGになったのです(笑)。で、なぜか Magic は途中から「俺達もブームになりたいよ!」と言って遊戯王OCGの真似事を始めたけれど、でもそれは口先というか小手先だけの物でした。売り込むターゲットを子供に向けたのに、売り方そのものを子供向けにしなかった(販売価格や公認トーナメントへの偏重が是正されなかった)事が最大の敗因(!?)となり、結局はこうなっちゃった。私に言わせればそれだけの事なのです。・・・あ、いかんいかん。この辺の話を始めると、ついつい論調が昔のコラム風に戻りそうになります(笑)。

 そして次に“ゲーム自体の面白さを重視”という事です。これ以降の行は遊戯王OCGを批判する目的で書く訳ではない事をお断りしておきますが、私の周囲で遊戯王OCGを遊んだ経験を持つ社会人は、ほぼ全員が「ゲームシステムの奧が浅い印象がある。」と言います。要は“強いカードを持っている奴が強い(強いカードに勝つには強いカードを持つしかない)”という感じでしょうか。でも普通に考えると、そういうシステムではユーザーが長くは遊んでくれないのです。いや、この意見に対して「それは間違ってるぞ!」とか批判するのはかなり筋違いですよ。 (^^; だって既に日本の市場は「もう遊戯王OCGの時代は終わった」という明確なメッセージをメーカーに叩き付けているのですから。つまり遊戯王OCGの事例をちゃんと分析すると、後発のTCGメーカーはある結論に辿り着くのです。「発売するゲーム自体が面白くなければユーザーには受け入れられないだろう。」ってね。そこで各社は米国で実績を持つTCGメーカーにゲームデザインを任せたり、そもそも米国で実績のあるTCGをそのまま輸入する事にした。まあこれも正解手なんでしょう。

 以前から私は「アクエリというTCGは、特に Magic 辺りの失敗事例をかなり研究して製品を出している。」という話を書いています。でも今回発売される新商品の情報を見ると「その研究を更に進めた結果『これなら行ける!』という勝算があったのかな?」という気がします。あとこれは言い方が悪いかも知れませんが「結局遊戯王OCGや Magic には“容易に付け入る隙”があった。」という事になるでしょう。そうでなければ流石に後発メーカーは新しいTCGの発売に二の足を踏んでいるはずですので。

 ○ TCGというゲームの売り方

 では根本的な話として「TCGがどういう商品なら日本でブームになれるのか?」を考えてみます。

 TCGは子供の世界で広まってブームになる事を期待した商品である。これは誰もが認めるところだと思います。特に日本では大人向けの遊びが“静かなブーム”になる事はあっても、本当の意味でのブームになる事はほとんど無いからです。私や周囲のデュエリスト(= Magic プレイヤー)は日本で Magic がブームになる事には期待してはいませんし、それ故「 Magic は別に子供に遊んでもらわなくてもいい。」という意見を持っています。でも少なくともメーカーは自社のTCGをブームにしたい。だとすれば子供向けに売るしかないのです。

 じゃあどうすれば子供はTCGを買ってくれるのか。これは以前にも書いていますが「子供の間で話題になる」事が最短コースだったりします。この場合ゲームの中身は二の次で (^^; とにかく自分の友達が皆遊んでいて、学校でもプライベートでもその話題で持ち切り。そういう状況を生み出す必要があるのです。そしてそのためには“漫画の連載(ただし子供が読んでいる雑誌に載せなきゃ意味がないですが (^^; )”とか“アニメ化”は最善手に近い一手となります。実際問題の話、あの遊戯王OCGはある意味“連載漫画の力”だけであそこまで売れた訳ですし。(ただし遊戯王のアニメは必ずしも遊戯王OCGの売り上げには貢献しなかったようですが。 (^^; なんでもあの遊戯王アニメは遊戯王OCGの購買層となる年代がほとんど見ていなかったそうですので。)

 ただはっきり言いますが、子供相手の商売は非常に手間がかかります。子供は自由に使える資金がそれ程多くないため、基本的には“薄利多売”で売っていくしかないからです。実際に遊戯王OCGが販売店に卸される際の掛け率(定価に対する仕入れ値の割合)は、確か日本のTCGの中でも最も高かったと記憶しています。でも遊戯王OCGはそのバツグンの知名度と話題性でこれをカバーし、多くの販売店を潤わせた訳です。(あ、この部分はやや誇張が入ってますが。 (^^;;; )ところが最近そういう前提が崩れかかってきていて、以前ほど遊戯王OCGは売れなくなっています。そうするとその掛け率の高さがそのまま販売店を圧迫する(商品がデッド・ストックになった時の被害が大きい)ので、勢いに陰りが見え始めた途端に撤退する店が出るのも早いのです。・・・あ、この辺は余談ですね。 (^^; まあ要するに「子供向けに売るにはそれに相応しい価格設定がある。」という事です。私に言わせると遊戯王OCGの“1パック¥150[税込]”というのは、誰が考えついたのか知りませんがかなり絶妙な設定です。500円玉を握りしめて買いに行くと3パック買ってお釣りが来る。3パックも買うと1パック位は比較的良いカードを引き当てるだろうから、そうなると嬉しくなってついつい余計に買っちゃう。(そういう不慮の出費も¥150程度ならそれ程苦にならない。)そういう循環が生まれるはずなのです。ですからデュエル・マスターズもその遊戯王OCGの価格設定をそっくり真似するようです。パックの構成は遊戯王OCGとハリーポッターTCGの中間みたいな形になるようですが。

 それともう1つ。やはり子供の間である遊びを流行らせようと思うと、特に最近は“プレミア性”と“コレクション性”が必要不可欠になります。最近の子供は飽きっぽいですから、1つの遊びを継続的に遊ばせ続ける事が難しくなっています。そこで例えば特定のカードに対する思い入れを深めてコレクションをさせたり、毎回新商品にプレミア性の高いカードを封入する事で話題性を維持し、1人の子供に継続的に買ってもらう。そういう工夫が必要なのです。そういう点でも遊戯王OCGは“ブルーアイズ ホワイト ドラゴン”とか“ブラックマジシャン(ガール)”といったキャラクタを連載漫画に登場させ、そのカードを実現する事で購買意欲をそそった訳です。ただ“ブラックマジシャンガール”はちょっとやり過ぎたみたいで、おかげで私みたいな“大きなお友達”まで遊戯王OCGを買う羽目になりましたが(汗)。

 ・・・とまあ、多分ここまでの分析は遊戯王OCGの事例を見れば誰でも簡単にできます。でも「そういう遊戯王OCGがここに来てなぜ売り上げが落ち込んでいるのか?」を分析しなければ、後発のメーカーは怖くてTCG業界に参入できません。そして多分タカラもエポック社も自社なりの分析を多分済ませているはずです。今度はその内容を私なりに推測してみます。

 遊戯王OCGが失敗したその最大の要因は「カードの作り込みの甘さ」にある。これが私個人の分析です。これは実際にあった話なのですが、ある商品か何かに付録として付いたカードが、しばらくして一般に市販されるパックに再録される事になったそうです。ところがこのカードが強すぎて、なんと一般向けの発売を前に“制限カード”の指定を受けてしまったというのです。 (^^;;; これには販売店もプレイヤーも怒り心頭だったようです。そりゃそうでしょう。販売店は「あのカードが再録されるなら売れるに違いない。」と多めに発注をかけるし、プレイヤーも「あのイベントには行けなかったから、今度こそ手に入れてやる。」と多めに予約をする。それが発売の直前に何の予告も前触れもなく「あ、ごめん。あれやり過ぎたから1枚制限にするわ。」とかやられたのです。普通ならコナミ本社前で暴動が起こっても不思議じゃなかったでしょう(笑)。

 あとこれは音ゲーのエッセイに書こうと思って封印した話なのですが、あのコナミという会社は自社の商品について「どうすれば自社に最大の利益をもたらすか?」という視点でしか販促を(もっと言うとそういう売り方しか)しないのです。だからメーカー以外の販売サイドやユーザーには常にメーカーに対する不満が鬱積していて、やがてそれが臨界に達して爆発し、その世界から離れていくユーザーを数多く生み出したのです。本来TCGなんて遊びは、最終的には日本に文化として定着させて、それこそこの先何年にも渡って遊べる物にすべきなのです。そうでないTCGになんか我々は怖くて投資はできません。最近日本で Magic の勢いが衰えていると言われるのも、要するに「2年でカードを使い捨てるTCGなんか怖くて遊べません。」というデュエリストの叫びなんじゃないですか。

 そう考えると、後発のTCGメーカーはある結論に帰着するはずです。それは「ゲームシステムがしっかりしていないTCGは結局成功しない。」言い換えると「長く安心して遊べるTCGをユーザーは求めている。」という事です。メーカーが利益最優先にカードを乱発し、しかも収録したカードのゲームバランスが滅茶苦茶で後から禁止カードを連発せざるを得なくなる。そういうTCGは本当の意味での成功を遂げられない。私に言わせるとこれは極めて当たり前の話なのですが、でも実際には人間ってそういう事でも幾つか失敗事例を積み重ねないと気が付けない生き物なのです。そして気が付いて「じゃあ、どうすればいいのか?」を考えた時に、彼らはある結論に辿り着いた。それが「TCGのゲームデザインに長けた米国のメーカーの力を借りよう。」だった。要はそういう事なのではないでしょうか。

 あ、もちろんこの話には“逆”もあります。米国には多くの優秀なTCGデザイナーがいる。でも日本における販売に関してはノウハウが無くて自分では手が出せない。しかも適当な会社を代理店に祭り上げて売り始めた Magic は6年経ってもこの体たらく(爆)。それで米国のメーカーが「もっと自分達のTCGをちゃんと売ってくれる企業はないだろうか?」と探していたところに、日本でゲーム販売に関して高い実績を持った企業が手を挙げた。これはまさに“渡りに船”だ・・・要はそんな感じです。別に私はこの話を単なる想像で書いている訳ではありません。少なくともホビージャパンという Magic の日本総代理店がWoCの期待通りの仕事をしているならば、WoCがその後発売した自社ブランドTCGを他の企業に任せる訳がないのです。つまり・・・まあ、そういう事です。 (^^; ちなみに昔だと、ここから先にHJへの悪口が延々数十行程続くんですが(嫌爆)。

 ○ 黒船にかける期待

 私個人はこのTCG後発組、言ってしまうと“遅れてきた黒船”に大きな期待を持っています。それは彼らが日本にTCGを文化として定着させるだけの潜在能力を持っていると思われるからです。ただしこれには幾つかの“前提条件”が付くのですが。

 TCGを本当の意味で成功させるには、幾つかの要素がすべて揃う事が求められます。それは“ゲームそのものの出来”“継続的な話題性維持と普及への取り組み”“売り手のやる気”そして“買い手の志”です。そして残念な事に、日本のTCGでそれをすべて揃えられた物は今までありませんでした。確かにこの要素のうち1つ位が欠けても、ゲームはそれなりに売れるしちょっとしたブームにはできるのです。でもそういうゲームはいずれ飽きられ捨てられる。それは図らずも歴史が証明しています。

 そんな中であえてこの時期に日本でTCGを売り出そうとする。そういうメーカーには明確な目的意識があるだろうし、あって欲しいのです。そしてそういうやる気と志のあるメーカーが売り出したTCGには、同じように「このTCGを日本に広めて盛り上げてやろう!」と集うプレイヤーが大勢現れるだろうと思うのです。そうすれば現在日本のTCGで起こっている様々な問題の多くが解決され、そしてやがてTCGのプロリーグ的な組織すら立ち上がるかも知れない。そんな期待を私は持っています。言ってしまうと「自分が好きで始めた Magic がついに成し得なかった事を成し遂げるTCGが現れて欲しい。」という事です。

 ただ残念な事に、日本の多くの遊びは結局メーカーや一部の販売サイド(具体的に言うと代理店 (^^; )の利益を最優先にした販促によってその命脈を断たれています。別に私はメーカーに「ゲームで儲けるな!」なんて言う気はありません。むしろ逆で「自社のゲームで《最大限の利益》を上げられるように頑張れ!」と言いたい訳です。しかしその利益は決してメーカーや一部の販売サイドに独占される物であってはならないのです。というか、そもそもそんな売り方で最大限の利益なんて上げられるはずがないのです。メーカー/販売店/ユーザーがすべてそのゲームによって潤い、それこそゲーム・クリエイターとユーザーがそのゲームの話題を笑って話せる。TCGがそういう雰囲気を持ったゲームにならない限り、日本でTCGが本当の意味で成功する事はあり得ないのです。

 現在発売されている日本のTCGって、その内容や売り方に対して「なんでこんなバカな事をするんだ?」と言いたくなるような事が数多くあります。そしてそういう事象は、大抵その理由が「メーカーや一部販売サイドの利益を考えたらこうなった。」という物で、でも表向きにはそれを「ひとえにユーザーのため。」と銘打って誤魔化しています。(でも流石に自分で「どんどん開け」と推進している大会に賞品を出さないとか、業者に圧力をかけて吊り上げた販売価格を公取委に怒られても元に戻さないというのは・・・あ、今回この話は止めましょう。 (^^; )確かに少し前まではそういうやり方でもそれなりに何とかなっていたようです。でも実際今になって、そういうTCGからユーザーはどんどん逃げ出しているのです。そこへまさに「助けに来たぞ、さあこっちに乗るんだ!」と黒船が派手に大砲をぶっ放しながらやってきた(爆)。今はそういう状況なのです。私なんかは素直に「おっ、この黒船何かやってくれそうだぞ。」と期待しちゃうのですがねえ。

あいせんの“本音の部分”

 最近確かにHJは“以前よりは” Magic の拡販に頑張っている印象があります。ただ、実はそれにはちゃんと理由があります。以下の話は私が知っている事実に基づいて、一部推測を混ぜた内容である事をお断りしておいて進めます。(ここに書く情報自体は前に記事でも取り上げているのですが、今回は時期的にもちょうど良い機会なので改めて書いてみます。)

 WoCとHJが結んでいる“ Magic 日本語版の独占販売契約”というのは、私が知る限り3年毎に更新されるようです。じゃあ前回はいつ更新されたかというと、これが3年前の8月です。多分皆さんには「月刊GAMEぎゃざが創刊された頃」と言うと分かりやすいでしょうか。私が聞き得た情報を総合すると、その契約を更新する際にWoCからHJに「もっと日本でちゃんと Magic を売ってもらわなきゃ困る!」というお達しがあり、その改善策の一環として RPG Magazine がGAMEぎゃざになった・・・という事らしいです。ちなみに余談ですが、その契約更新の際にWoCの副社長がHJの直営店を視察したそうなのですが、それまでデュエルルームなんか持っていなかった直営店は大慌てでデュエルルームを設け、しかも当日サクラまで準備してさも盛り上がっているかのように見せかけた。そういう話も伺っています。 (^^;;; (ただしこれはあくまで私個人が聞いた話ですから、間違っても100%鵜呑みにして欲しくはないのですが。)・・・はい、国語力に長けた方ならもう既にお気づきでしょう。実はその契約の2度目の更新が今年の夏にあるはずなのです。

 つまりここ最近になってHJの販促が活発になっている。これは要するに“WoCに改めて三行半を突き付けられないようにするための予防線”である可能性が高いのです。実際に日本国内で Magic を販売している多くの大手販売サイドが、日本語版を含めたWoCとの直接取り引きを希望しているはずです。(言うまでもないですが、その方が安く Magic を売れる上に利益も出るからです。)そしてここでは社名を伏せますが、実際3年前にWoCにそういうアプローチをした販売サイドが日本にもあったのです。(結局は実現しなかった訳ですが。)でもHJとしては、今となっては会社の生命線ともなっている日本語版の独占販売権は手放したくない。だから慌ててラジオとタイアップしたりCSで番組を流したりしてジタバタ足掻いている。 (^^; 悪く言っちゃうと「別にそれで Magic の売り上げが上がる事なんか期待していなくて、単にWoCに良い印象を与えて昔通りの商売をさせてもらおうとしているだけ。」とも受け取れます。要するに選挙の間際になると減税だの公共投資だの言い出す政治家と同じです。そんな公約や言動を頭から信用する方が普通はどうかしています。

 確かにHJという企業は、間違いなく以前よりもユーザーの声を聞くようになっていますし、間違いなく以前よりは「どうすれば日本でもっと Magic が流行るのか?」に知恵を絞り、それを実行に移していると思います。ただもしもそういう変化が単に“HJという会社を維持するため”という目的しか持っていないとしたら、間違いなくそういう取り組みは契約が更新された瞬間に終わってしまうでしょう。しかも最近HJが行っている販促に関しても、実は“言うべき事”は山のようにあったりします。プレリリースパーティがいつの間にか発売記念トーナメントにされて参加者が激減しているとか、アリーナリーグが一部の販売店で“常連がプレミアムカードを購入する手段”になっている(=アリーナリーグが正常に機能しているか否かのチェックが全くなされていない)とか。私は前からそういう話に競技プレイヤーや公認ジャッジが口火を切って切り込んでくれる事を期待しているのですが、どうもそういう機運は未だに日本の Magic には無さそうです。まあかつて私がこの辺の問題を見つけてきては騒いでいた頃の様子を見ていれば、それがどれだけ大変で尚かつ見返りが無い辛く苦しい活動かは分かりそうですが(笑・・・えない)。

 今年の夏に日本の Magic に起こる出来事が、その後の Magic の命運を決定付ける事になるかも知れません。しかしこういう話を書くと、それこそ多くのデュエリストが「HJが独占販売権を失って Magic の値段が下がるといいなあ。」とか言い出す、そういう状況そのものが既に終わっているのです。ユーザーに支持されず、それどころか存在そのものを疎まれる。こんな代理店を“日本の Magic 界最大のお荷物”以外の言葉で私は表現できないのですが。 (^^; まあ言うまでもなく私の本音は「これを機にHJは Magic の流通から手を引いてくれ!」なのですが (^^;;; せめて後々「あの時はああ言ったけど、でも代理店に Magic の流通を引き続き任せたのは、それはそれで正解だったかも。」と振り返れるような成果を是非とも上げて欲しいものです。それも3年に1度思い出したように頑張るんじゃなくてね(爆)。

※  1つここでお断りしておきます。今回ここに書いた話はかなり信憑性のある情報に基づいています。(私個人はその出所の確かさから、この情報は事実だと認定しています。)しかし諸般の事情でニュースソースを開示する事ができません。ですからこの話を元にどこかで論争が起きて「じゃあその話を証明しろ!」とか言われても、残念な事に私としては「ああ、そりゃ無理ですね(笑)。」という返事しかできません。 (^^; ただ「今年の夏に日本の Magic に『転機』を起こす事ができるかも知れない。」としたら、これから皆さんが Magic に向き合う姿勢もちょっと違った物になるのではないでしょうか。今回私はそういう期待を込めてこの話を書いた、この事をご理解頂きますようにお願いしておきます。 m(__)m ちなみにこういう話ってすぐに単語が一人歩きしちゃうから、結構書くのに気を使うんですよね。 (^^;

   

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