頑張れジュニア・デュエリスト!! 
 
 日本でも今年になって、ようやく“ジュニア日本選手権”が開催される事になりました。しかし掲示板の方にもちょっと触れた通り、そのイベントの成否というか前途はかなり多難だろうという気がします。

 そもそも現在日本の Magic は、お世辞にも小中学生に遊んでもらえるような面白さとか環境を提供できているとは言えないでしょう。値下げされたとは言え、相変わらず日本語版1パックの値段は400円を超えていますし、ユーザーサポートにしても競技イベント以外の満足な物が存在しません。あまつさえマンガやアニメによる話題性もない。それでも色々と工夫しながら Magic を遊んでくれる小中学生デュエリストがいるとしたら、それこそWoCやHJは朝な夕なに手を合わせて拝んでもいい位だろうと思います。 (^^; 

 そういう中で北米並のユーザーサポートを目指して実施されると思われるジュニア日本選手権ですが、その開催というか成功には更に大きなハードルがいくつもあるだろうと思います。その最大の障害の1つに“選手権参加選手の確保”という問題があります。

 恐らく現在の日本の Magic は、多くの小中学生デュエリストが親に内緒で Magic を遊んでいるという気がします。元々 Magic というゲームそのものの知名度がこれだけ低い以上、子供が親にいちいちその内容を説明して理解を得るのはかなり困難な作業になるからです。例え親が知っていたとしても、その内容は「うちの息子は近所の子供と遊戯王を遊んでいる。」レベルかも知れません。 (^^; しかし地元のお店で開かれるジュニアトーナメントやジュニア日本選手権の予選はともかく、2日間に渡る本戦に出場しようと思ったらそれこそ泊まりがけの遠征が必要になります。そこで選手達は大きな壁にぶつかるのです。今まで親に言っていなかった自分と Magic との関わりをどうやって説明するか。更に泊まりがけの遠征にいかにして理解を得て支援を受けるのか。そういう問題に直面するのです。そして過去の歴史が証明しているように、そういう説得工作は多くの場合失敗します。 (^^; しかもそれは場合によっては、そのデュエリストと Magic との決別すら意味するのです。(面食らった親が禁止令を出してカードを処分・・・というお決まりのパターンです。)

 本来こういう形で小中学生向けのイベントを企画する場合、何と言ってもそのゲームは事前に、そして真っ先に親に対する知名度や好感度のアップに取り組むべきなのです。結局のところ子供が遊ぶ資金を出しているのは親ですし、ましてや遠征といった大きなイベントの場合は尚更、親の理解や協力が必要不可欠になるからです。ところが実際問題として、日本の Magic はそういう形での知名度アップの施策をほとんどやってきていません。それでいきなり子供が「僕 Magic を遊んでるんだ。今度東京で大会があって、出場権を取ったから行かせてよ。(あ、正確には横浜だったと思いますが。 (^^; )」と言い出して、果たしてどれだけの親が首を縦に振るでしょうか。そこで「ダメだ。そんな遊びにお金は出せない。今すぐやめなさい。」と言う親を我々は責められないですし、むしろそう判断する親の方がノーマルだとすら思えます。ですから今回のジュニア日本選手権が、それこそ第1回の高校生選手権みたいに“全日本選手権と称した東日本選手権”になる可能性は十二分にあるのです。下手すると仙台以北とか名古屋以西のデュエリストって、実質的に参加は不可能なんじゃないかという気すらしますし。

  Magic が日本での知名度アップをサボってきた代償が、ここに来てジュニア日本選手権という一大イベントの成否にも重くのしかかりつつある。私はそう感じています。前から何度も言っていますが、こういうイベントを立ち上げるには事前に必要な準備という物がちゃんとあるんですよ。ただどうでしょう、我々デュエリストは多くがそれでもこう考えているんじゃないでしょうか。このイベントが盛り上がって Magic の勢いを日本中に示して欲しい。日本でも Magic はまだまだいけるという感触を得たい。できれば47都道府県の選手が全部揃って、文字通り全国規模のイベント開催を内外に自慢したい。そうじゃないですか。でもそういう夢のイベントの実現に主体組織であるWoCやHJ自身がコミットしていない以上、もはや小中学生デュエリストのやる気と頑張り、そして話術と交渉術を頼みの綱にするしかないんですよね(笑)。

あいせんの“本音の部分”

 今回の“本音”は「なぜゲームのプレイヤーは頼まれてもいないのにゲームの蘊蓄を語るのか?」というお話です(笑)。

 これは良くありますよね。昔から格ゲーにも、いわゆる“解説君”とか言われて嫌われた人種がいます。見知らぬプレイヤー同士が対戦している脇で、知り合いあるいはその場で偶然会った人達に蘊蓄を語るのです。「あ、そこはその技じゃない。」とか「なんでこの程度の技が出せないかなあ?」とか。まあはっきり言いますが、こういう人間が1人後ろにいるだけで、その日の対戦は盛り上がりが50%以上は失われると思います。

 しかもTCGの場合、この被害は更に深刻になります。後ろのギャラリーがそういう蘊蓄を垂れ流すだけでも十分うざったいのに、ましてやデュエル中に「君、ここで使うのはこのカードだろう。」とか「ここは攻撃をする場面じゃないぞ。」とか口を出してくるのです。あとこちらが求めてもいないのに、対戦相手がデュエル終了後に「君のデッキは弱いねえ。」とか「この程度のカードも持ってないの?」とか指摘を始める。それで下手に「今対戦中なんだから黙っていて下さい。」とか「別にあなたのアドバイスは欲してません。」なんて言い返そうものなら、途端に数十倍の口撃が飛んでくる。まあはっきり言って対戦の場には絶対にいて欲しくない人種です。こういう事例というか被害報告はそれこそ全国から聞こえてきますから、どうもある特定の地域の特定の人だけがそういう言動を取っている訳では無さそうです。

 じゃあ、なぜそういう人があちこちに現れるのか。私に言わせるとそれにはちゃんと理由があります。私はある分野の商品を売る販売の仕事をしているのですが、当然福井の知り合いはその事を知っています。でもそれで知り合いに掲示板やメールで「あの商品の仕様を知りたいから教えて。」とか言われても、正直言ってあまり返信を返したくありません。だって私は職場でその商品の説明をそれこそ毎日のように繰り返しやっている訳で、それを一応実生活とは切り離しているネットでまではやりたくないです(笑)。(まあお店にお客さんとして来てくれれば当然応対はしますが。)ですから万が一うちの掲示板でそういう商品の話題が出たとしても、私は最低限の情報提供と情報の間違いの訂正以外の事はしないだろうと思います。

 ところが格ゲーとかTCGの話題ってそうはならないのです。そういうゲームはかなり膨大な量の知識や情報をユーザーに要求するのですが、その反面日常生活で格ゲーやTCGの話題を話す機会はほとんど無いだろうと思います。そうなるとせっかく覚えた知識や情報を活かす場面が少ない。だからユーザーはそういう自分が持っている知識や情報を活用する、もっと言うとひけらかす場に飢えているのです・・・はい、もう理屈は分かりましたね。 (^^; そんなフラストレーションが溜まった中でいつもの遊び場に行ったら、自分が持っている知識や情報を知らない初心者が目の前に現れた。はっきり言いますがこれはまさに千載一遇のチャンスです(爆)。もうそれこそ堰を切ったように、自分が持っているあんな知識やこんな情報を並べ立てて&捲し立てて熱く語り始めるのです。本人がそうしている事を意識していなくてもね。そして多くの人がその知識や情報を並べ立てた結果として、最後に彼はギャラリーや対戦相手にこう言われたいのです。「そうなんだ、本当よく知ってますね。」ってね。だからそういう言動があちこちで起こる。理屈が分かってしまえばそんなに難しい話ではありません。本人は別にそれで周囲に迷惑をかけている気はないのです。でも自分が知りたくもない情報を偉そうに語られたり、ましてや自分がやってきたゲームへの取り組みを根底から否定されて、それで喜ぶ人は普通いないのです。

 ところで今回なぜ唐突にこういう話を書いたのか。この話はちゃんと本編にリンクしています。要するに“特に小中学生相手には解説君や蘊蓄君はやめた方がいい”という事です。彼らはあなた方が思っている程自由にゲームに予算が使える訳じゃありません。そして彼らは何よりも“楽しいから”ゲームを遊んでいるのです。そんな中で「この程度のレアも持っていないなんて可愛そうだなあ。」とか「なんかお粗末なプレイングだなあ。持ってる高額なレアカードが泣くぞ。(俺がもっと有効に使ってやるからよこせ。)」なんて言われて、それでもTCGを続けようと思える人は少ないでしょう。ただ今のうちに予告しておきますが、まあジュニア日本選手権・本戦の当日は、絶対に会場でこの手のトラブルが少なからず起こるでしょうね。あと某板で「小坊・中坊うぜえ!」とか陰口を叩いたり。(ただそういう雰囲気って相手や周囲にはちゃんと伝わる物なのです。あなた自身だけが気が付いていないだけで。)でもそんなつまらない&恐ろしいゲームには小中学生はもちろん、大学生や社会人だって定着しませんよ。あと彼らはあなたが持っている高額なカードには興味があるかも知れませんが、あなたが語る情報や蘊蓄には興味が薄いはずです。 (^^; うざったかったら近づかなければいいし、問題があれば運営スタッフに対応を任せればいい。そして何よりもあなた自身が彼らをゲームから遠ざける原因にはなって欲しくない。そういう小さな配慮も意外とジュニア日本選手権の成否を大きく左右するかも知れないのです。

   

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