お便りコーナー 
 
 

 このコーナーでは、第一部の内容について皆様から頂いたメールなどをご紹介します。それでは早速読ませていただきますね。

 
    僕達は線路脇の土手で列車を眺めながらアクエリ打ってます。

(匿名希望さん) 
  
 
 こういう方は少なくなさそうなんですよね。多分私のエッセイでマジック以外のTCGについて触れるチャンスはあまりないと思うので、この機会にちょっと書いておきます。

 福井でのTCGの様子を見ていると、マジックでTCGの世界に入ったプレイヤーが別のTCGを始め、その中心的存在としてがんばっている例がかなり見られます。今思い付くだけでもアクエリはそうですしモンコレもそうです。そういうお話は全国的にあるみたいです。何だかんだ言ってマジックは日本国内にTCGという遊びと、その文化みたいな物を持ち込みました。ですからそれに続くTCGがマジック経験者によって牽引されるというのは、ある意味自然な気がします。ただし一部の有名TCGに関しては、あながちそうでもなさそうです。遊戯王とかポケモンは自らの高い知名度で独自にプレイヤーを集められたでしょうから。

 私達はこういう現実をどう受け止めればいいのでしょうか。確かに「マジックで育ったTCGプレイヤーが他のTCGでもがんばっている。これはマジックという遊びが優秀であるという1つの証だ。」という見方はできると思います。でも同時に「そういう他のTCGでも牽引役になれる優秀な人材がマジックから次々と流出してしまっている。」という見方もできるのです。実際に福井でもその頭脳流出によってマジックが受けた被害みたいな物は結構少なくはないそうです。

 ではなぜマジックでそういう頭脳流出は起こったのでしょうか。それはマジックの歴史と少なからず関係があると私は思います。元々デュエリストの皆さんは、マジックが面白そうだから手を出して、そして実際に遊んでみて面白かったから続けたはずです。そういう人達がマジックから離れちゃうということは、簡単に言うといつかの時点でマジックが面白くなくなったはずなのです。そしてそれと同じかそれ以上の面白さを求めて別のTCGに手を出した。そう考えるのが自然かと思います。つまりマジックが変わってしまった。昔あれほど感じられた魅力が感じられなくなった。だからやめちゃったり別のTCGにそれを求めてマジックを離れた。そういう事なのではないでしょうか。

 では、そういういわばマジック離反組の方々がTCGに求める物って一体何なのでしょうか。これを一言で言い表すことは間違いなく不可能だと思います。ただあいせん君のお友達何人かからお話をうかがったのですが、その方々が共通しておっしゃったのは意外にも競技としての取り組みでした。日本の競技マジックが自分が考えるような、より良い方向性に進んでいない。だからマジックに愛想を尽かした。そうおっしゃるのです。ある方は公認トーナメントの集計事務が厳正に行われていなかった事を嘆き、ある方は公認ジャッジに対して何らのサポートもないという現実を悲観し、ある方は競技を煽るだけで満足なイベントへのサポートをしない事に絶望感を感じた。だから公認ジャッジの資格を持っているのにその活動をやめてしまったり、イベントに手厚いサポートをしてくれる別のTCGに自らの活動の場を見出した。そういう事なのだそうです。ちなみに言うと、そういう方って決して何もせずに自分だけ逃げ出したわけではありません。ある時はDCIジャパンの担当者と電話で喧嘩したり、ある時はDCIにメールを送って直談判したり、そういう過程を経てそれでも駄目だと判断した。そういう方が案外いらっしゃるのです。

 あと当然ですがマジックのゲームとしての面白さを問題視される方も大勢いらっしゃいます。特に最近のマジックがこれだけ明確に競技志向である以上、昔のようにファンデッキやコレクションといった楽しみ方ができなくなっている分面白さが感じられにくくなっている。これはある意味当然の結果だという気もします。ただ福井での様子を見ていると、特に最近のマジックが面白くないという人って、結構ヴィンテージに活路を求めることでマジックに留まっているみたいです。これは福井で本当にあった話なのですが、ある人が当時のスタンダードでマジックを勧められて「このゲーム俺には合わん。」と投げ出しかけたのが、あるカードに出会って「タイプワンっておもしれえ!」と言ってのめり込んだことがあったそうです。で、そのカードというのが実は Juzam Djinn(AN) だったんですよね。おかげでこの方は見事にデュエリストとして人生を踏み外しました踏み出しました。でも Juzam Djinn で萌え道に載るなんて正気の沙汰じゃないですけど。

 最近思うのですが、少なくともこれだけ競技志向が強い日本のマジックで、ヴィンテージを軽視したことは間違いだったのではないかと思います。別にヴィンテージをガチガチの競技フォーマットにしてもっと広めてくれと言ってるわけじゃありません。でも少なくとも第4版当時のタイプ2と最近のスタンダードが全くの別物である以上、昔のマジックが好きでこの世界に入ってきた人達をマジックにつなぎ止める工夫は必要だったのです。それは結果的にスタンダードを軸とした競技マジックをも盛り上げてくれるからです。でも最近のマジックはもの凄い勢いでカードはおろか人すら使い捨てています。これで更なる盛り上がりが期待できるとは、私にはどうしても思えないんですよね。


 さて、では次のお便りです。

 
    構築済みデッキですが、買うほうの利点としては、「アンコモン、コモンの強力なカードが手に入る」ことがあります。

 ジャッジメントについてはわかりませんが(苦笑) トーメント、オデッセイに関してはそれなりのカードが収録されています。

 個人的には、連打/激打/墓所の脅威/狂気/白日の悪夢 はお勧めできます。

 ブースターを三つ買うよりは、いいものが期待できますので。
 #日本の、定価だか希望小売価格とやらでですが(笑)

(メールにはお名前が書かれていましたが匿名にしておきます。あと内容を一部編集させていただきました。)

  
 
 これについては大きく分けて2つの見方ができると思います。1つは強力なコモンやアンコモンが手に入るからそれなりに優秀な商品だという見方、もう1つは買う側はレアしか見ていないのにコモンやアンコモンを誉めるのはおかしいという見方です。ちなみに私はこの見方は両方が正解だろうと思います。ただし実際には間違いなく後者の考え方を持つ人が多数派だろうとも思いますが。

 優秀なコモンやアンコモンが入っているから構築済みデッキを買う。そういう発想は特にマジックにあまり予算をかけたくないという方に見られる気がします。だってある程度の量のフレッシュパックを買うデュエリストであれば、少なくともコモンはいずれ余らせることになりますからね。でもマジックにあまり予算をかける気がないデュエリストが、自分が必要だと感じたコモンやアンコモンを構築済みデッキで揃えることができた。それはそれで良いだろうと思うし、それで済むならそうすればいいのです。

 でも最近のマジックってデュエリストにそういう遊び方を勧めていませんよね。売り手がいわばガツガツしたどん欲なマジックの遊び方を強く勧めている中で、構築済みデッキがこんなのんびりとした物として売られている。これは明らかにおかしいです。だから売れずに残っちゃう、それが普通だと思います。そして何よりもそうやって構築済みデッキが余ったときに誰が困るのかという話です。ウィザーズ社やホビージャパンが在庫を抱えてアップアップ言うのは、ある意味自分の失敗なんですから笑って済ませられると思うのです。でも現実にはそういう不良在庫を抱えてアップアップ言っているのはお店なのです。これは笑い事では済ませられないでしょう。

 今、私がマジック販売店の方とマジックの仕入れについて話す機会があったら、間違いなく「構築済みデッキですか。1BOXたりとも仕入れなくていいですよ。店頭に飾って後々賞品で出しちゃう位の気があるなら1BOX位は品揃えで入れてもいいでしょうけどね。」と言うと思います。でも実は日本の多くのマジック販売店って、そういう判断ができるだけの知識も持たないままマジックを売っている事例が少なくないのです。だとすれば、もっとウィザーズ社はマジックの関連商品を販売店が安心しして仕入れられる物にするべきなのです。売れない商品は出さない。出すなら売れるようなプロモーションをする。そんなの物を売るときの基本中の基本ですよね。しかしマジックではそういう事ができていない。だから売れないのです。

 …あ、なんか口調があいせん君っぽくなってきちゃった。さすがに6年も一緒にいると色々と影響を受けちゃいますね。最後にちょっと提案っぽいことを書いてみますが、もし構築済みデッキをコモンやアンコモン目当てに買ってもらう物にするのであれば、私としては値段を1箱¥1000かそれ未満にするべきだと思います。これならまだ買ってもらえそうですもの。


 (2002年7月2日)

 あ、メールが届いてますよ。

 
    上の返信の言葉遣いがなんか あいせん氏 っぽくて違和感がありました。

 構築済みの話は、コモンとアンコモンは個別に求めるまでもなく集まる(くらいまで買う)、と言う事が前提なのに疑問を感じました。

(匿名希望さん) 
  
 
 え!?、あ、そうでしたか(あせあせ)。あれ、どうしたんだろう。ちょうど韓国 vs トルコ戦を見ながら書いてたので興奮しすぎたんでしょうか。あ、ちなみに私はトルコ風アイスが大好きなので、ちょっぴりトルコ寄りの応援をしてました。あいせん君は「この際だから日本の分も頑張れ。でもやっぱりトルコ風アイスは捨てがたい。」というわけの分からない応援の仕方をしてましたが。でもある方によるとトルコ風アイスって“拷問の道具”なんですって。そんな拷問なら私もあいせん君も喜んで受けますよ。

 あ、構築済みデッキの話でしたね。でもコモンやアンコモンが十分な数集まる買い方って、それが現在ウィザーズ社がデュエリストに推奨している買い方だと私は思っています。そして多くのデュエリストはその方針に従ってマジックを買っている。それが現状なんだろうと私は思っています。それが良いか悪いかは分からないとか言うと、いよいよあいせん君っぽくなっちゃいますが、でも今はその位フレッシュパックを買わないとマジックという遊びのスタートラインにすら立てない。そんな雰囲気を私は感じています。


 という事で、『くもりのちはれっ!』では皆様からの投書をお待ちしています。今はそんなにないので取り上げられるチャンスです(笑)。もちろん頂いた投書にはすべて目を通していますし、できる限りこういう形でお返事を書くようにします。ただし私宛のメールは基本的にはブラウザで開いているので、変な添付ファイルを送られても見ませんよ。最近あいせん君のメールBOXにも毎日のように変なメールが届いていて、結構メール受信の際は気を使うみたいです。あいせん君によると「最近はメールチェッカーでまず確認して、サイズが10kBを越えるメールは受信もせずに消しちゃう。」だそうです。

   

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