お便りコーナー 
 
 

 このコーナーでは、第二部の内容について皆様から頂いたメールなどをご紹介します。それでは早速読ませていただきますね。

 
    ニューカマーさんのお相手をするデッキ、と言うと、アクエリ辺りだと、特定ネームキャラへの萌えデッキとか、イラストレーターを統一したデッキとか、そう言うファンデッキを使えば済むだけの話ですね。大抵のプレーヤーはそう言うデッキを持ち歩いていますし。

(匿名希望さん) 
  
 
 あ、そうなんですか。これについては横であいせん君もうなづいてます。というか、あいせん君が持ってるアクエリのデッキは全部そんな感じじゃないですか。こういう遊び方って最近のマジックでは難しくなっているかも知れません。でも、デッキ構築が面白くないTCGにはファンは定着しない気がします。ゲームシステム上そうなってしまったのか、それとも売り手がそうなるように仕向けたのか、それによって対応は随分と変わる気がしますが、どちらにしろあまり好ましいことだとは思えないです。

 では次のお便りです。

 
    読んでいて「ブーム化」って言葉の定義がよく解らなかったです。と言うか、「自身のブーム化」って表現にかなり違和感を感じました。特に、「そもそもスポーツなどで行われる競技化は、自身のブーム化を目的にした物が大部分なのです」って一文の意味が通じてません。野球やサッカーなどの競技化されているスポーツを幾つか思い浮かべてみたのですが、ちょっと意味が分かりませんでした。

 時間はなくても金はある20代〜30代の独身男性をターゲットにすれば趣味のモノは良いという件は、マーケティングの話題で良く聞く話ですね。でも、マジックの場合、競技化された部分は仕事を持った身では追いきれないです。

(匿名希望さん) 
  
 
 あ、分かりにくかったですか。私って文才ないんですかね。 (ToT)

 あるスポーツや趣味をテーマに競技イベントを開く場合、そのほとんどすべてがそのイベントが話題にされることを目的にしていると思うんです。特にスポーツではイベントの開催や賞金などにかなり多くの費用を投じます。ですから当然その目的はその世界や競技関係者以外の人達にも話題にしてもらうことを狙っていると思うんです。そしてその世界に興味を持ってもらい、より多くの人達に参画してもらう(そして商品を買ってもらう)ことを狙っている。これがブーム化だと考えていただければ間違いないと思います。

 マジックは競技イベントにかなりの費用を投じていますよね。私も賞金総額5万ドルなんてイベントは日本ではなかなか目にする機会がないです。ただ最近ニュースでもよく費用対効果とかいう言葉が聞かれます。(ちょっとうろ覚えなので用語として正確かどうか分かりません。ごめんなさい。)これはその費用がどれだけの効果を生みだしているかを客観的にとらえて、少ない費用をより効率よく使おうという発想だそうです。そういう発想で日本のマジックイベントを見ると、私は「なんか効率悪くないですか?」と思ってしまいます。だってこれだけ多くの費用を使っているのに、日本選手権がマスコミに取り上げられる機会ってほとんどないですもん。

 ウィザーズ社だって当然「それだけの賞金を出すからにはそれなりの見返りが欲しい。」と思っているはずです。でも日本のマジックがそのウィザーズ社が求めている効果というか成果を上げられなかったとしたら、来年以降間違いなく賞金総額の減額とかイベント自体の縮小もあり得るだろうと思います。日本のマジックは少なくとも競技化に限って言えば、過去に例のないほどの追い風が吹いています。その追い風を生かすも殺すも日本人デュエリストのやる気と努力次第だと思います。

 それと「20代〜30代の独身男性をターゲットに…」の部分ですが、私の一番身近にいる該当者はあまりお金持ちではないので、このお話が当てはまるのかどうかよく分かりません。まあおねだりすれば好きなだけトルコ風アイスを買ってくれるので、私は特に不満はありませんけどね。


 今回はさらに続きます。

 
    総括の内容に関してですが、あいせんさんが言っている「日本人デュエリストはウィザーズ社にまんまと乗せられた」と言う主張は、ちょっと納得できる内容ではありません。何か『陰謀史観的な』考えだと思います。結果論としてそうなってしまった事象を、過大に評価している気がします。示されている「論拠」も、決定的な内容だとは思えません。

 結果論として、日本人ユーザが不当に搾取され、その状況をWotCが是認している、程度なら納得できるのですが、WotCがそれを望み、こうなるように状況を作り上げた、とまで言われると疑問です。

(匿名希望さん) 
  
 
 このご意見は総括の日本のマジック史(!?)の部分に関しての物だと思うんですが、横で聞いていた私はそれほど大げさなお話だったとは思っていません。簡単に言っちゃうと「ウィザーズ社は日本人向けの商売なんかこれっぽっちもしていないのに、その会社の商品に多くの日本人が飛びついてしまった。全くウィザーズ社とはあこぎな会社よのう。」位の意味だと思っていたのですが。…あ、横であいせん君が「そういう流れでいくと、この続きは『いやいや、そういう○○様こそ…』になるから書き加えてくれ。」と言っているのですが、八方美人をモットーとする私にはそんなことは恐ろしくてとても書けません。

 それと今回の総括では、あいせん君がこの考えに至るまでに得た論拠について全部は触れなかったようです。このメールを頂いて更にちょっとお話をしたのですが、あいせん君は「かつて北米限定で実施された“フォイルのセラの天使”のキャンペーン」とか「米国で定価で売られているフレッシュパックが日本で『安いカード』と言われてしまう価格設定」なんかを挙げていました。あと今話題になっているプロモーショナルカードによる日本語版拡販キャンペーンなんかも、あいせん君に言わせると「いかにウィザーズが日本人の趣向を知らずに(正確には知ろうともせずに)商売をしてきたかの現れだ。」だそうです。ちなみに私はあのカードの内容についてはよく分からないのですが、でも個人的に Ihsan's Shade は大嫌いなのであんなキャンペーンはぜひともやめて欲しいです。


 7月18日公開分の最後のお便りです。

 
    M:tG日本語版については、わたしは基本的に「是」であることは今も変わりません。結局いろんな不満があっても、それを上回る魅力を感じて「だまされて」いるうちはまあ平和なわけですし(苦笑)。価格に不満があっても、現在のわたしの遊び方において日本語版により魅力を感じているということです。

 しかし、カジュアルプレーヤーもコレクターも振り切ってこれだけ競技化への傾倒がすすむと「日本語版は無くてもかまわない」という意見はもっともだと思います。メーカーや代理店も競技プレイヤーの動きを中心として開発・販売戦略を立てざるを得ない。ただしその戦略により、プレイヤー数は全体を把握しきれませんが、一時に比べてM:tGが小売店店頭では確実に売り上げを落としていることは間違いなさそうです。東京や大阪などの立地に恵まれた場所を除けば、それがデュエルスペースを備えた地方のカード屋にどれほどの影響を与えているかは皆さんも感じているでしょう。

(匿名希望さん) 
  
 
 (一部投稿者が特定されないように内容を修正させていただきましたのでご了承願います。)

 今回の第二部を書いていて思ったのですが、日本語版ユーザーの方々の声って、間違いなく競技プレイヤーや一部のマジック界にいらっしゃる有名人の方々よりも小さいだろうと思うんです。でも実際にはそういう方々が日本のマジックを支え、何よりも日本語版を支えているはずです。ですから売り手はそういう声にそれこそ聞き耳を立てる位の姿勢が必要なんじゃないかと思うんです。でも今はそうなっていませんよね。日本のマジックの方向性を決めている企業が声の大きな人達の意見だけを聞き、しかもその中から自分に都合がよくて耳障りのいい意見しか受け入れない。だから日本のマジックってこんなにもいびつな世界になっちゃった。そんな気がします。でもよく現実を見てみると、そういう声の大きな人って日本語版は買ってないと思うんですけど。

 競技マジックを更に発展させて、なおかつ日本語版ユーザーを育てる。この完全に相反する2つの流れを両方とも成功させる方法はおそらく今は無いんじゃないかと思います。それこそ両者を完全に隔離する位しか私には方法が思いつきません。でもそろそろ本気でその方法を考えないと、たぶん低年齢層が中心であろう日本語版ユーザーはデュエル・マスターズに流れ、そして競技プレイヤーは並行輸入の英語版しか買わなくなっちゃうのではないでしょうか。そうなって困るのは誰あろうホビージャパンであり日本国内のマジック販売店なのです。だったらそういう人達が本気で動き出してもいいんじゃないか。私はそう思わずにはいられません。


 という事で、『くもりのちはれっ!』では皆様からの投書をお待ちしています。今のところ投稿メールの掲載率は10割です。これって喜んでいいのか悲しんでいいのか私には分かりません。でも今後もできるだけ頂いたメールはすべてご紹介し続けたいな、と思っています。

   

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