“マジック映画化”は誤報だった編 
 
 

あいせん:あいこ先生、ちょっとよろしいでしょうか。」
あ い こ :なんですか。」
あいせん:いや、この前話題にした“マジック映画化”の件なんだけど、どうもウィザーズから『誤報です。』という回答が出てるらしいんだ。それでちょっと訂正を兼ねて再度意見交換を。」
あ い こ :あ、そうなんですか…なんかちょっと複雑ですね。」
あいせん:というと?」
あ い こ :あいせん君も言ってましたけど、マジックの映画化が考えられる状況って、要するにそれだけマジックの世界的な知名度が高いという証拠じゃないですか。それがなくなったというのは基本的には現状維持なんですけど、なんか最近の情勢と照らし合わせると『ああ、やっぱりマジックって…』という気になっちゃうんですよね。」
あいせん:でもそもそも“マジック映画化”なんて情報が、まったく火のないところから立った煙だとは思えないんだけど。」
あ い こ :つまり誰かが意図的にそういう情報を流したとか!?」
あいせん:そういうことになるね。で、ここからはあくまでも僕個人の想像なんだけど、それってやはりウィザーズ関係者だと考えるのが妥当なんじゃないかと思うんだ。」
あ い こ :実際にウィザーズ社ってそういう情報操作をしてるみたいですからね。例えばスポイラーリストの部分流出とか。」
あいせん:それにウィザーズの上層部がどこまで関与してるのかは不明だけどね。」
あ い こ :でも今までのスポイラーリストやカードそのものの流出って、新製品の話題性を高めてセールスにつなげるという明確な目的がありそうじゃないですか。」
あいせん:でもジャッジメントに関しては明らかに失敗だったけどね(笑)。」
あ い こ :え!?、そうだったんですか。 (^^;」
あいせん:早い段階でスポイラーリストが漏れて話題になったのはいいんだけど、それを見て『こんなヘボヘボなカードセット買わなくていいじゃん。』という見切りを付けたデュエリストが大勢現れて、結果的に売れ行きが落ちた。実際に業界筋ではそういう話が出てるよ。」
あ い こ :そうなんだ。なんかあまり頭がいい感じじゃないですね(笑)。じゃあお話を戻して今回の“映画化”情報の目的は?」
あいせん:いろいろと考えられると思うよ。まず最近ちょっと低迷してるマジックの話題性の向上。下降気味になっている販売へのてこ入れ。そして何よりも実際に映画化を決定した場合に予想される市場反応の予備調査。勘ぐろうと思えば“ Hasbro 社の株価操作”なんてことも考えられる。」
あ い こ :つまりあいせん君はこれで映画化が100%なくなったとは考えてないんですね。」
あいせん:まあそういうことになるかな。」
あ い こ :でもはっきり言っちゃいますけど、ウィザーズ社には『映画化以外にやってもらわないと困ること』が山ほどありますよね。」
あいせん:それは言えてるかな。」
あ い こ :でも残念だなあ。せっかくこれで日本でもマジックのお話が堂々とできるようになると思ったのに。」
あいせん:日本ではTCGそのものの知名度ですらまだまだ低いからね。遊戯王OCGですら『知らない。』という人が多数派みたいだし。『名前だけなら知ってる。』という人ですら見つけるのは大変だよ。ましてやマジックなんて販売店やイベント会場以外で知ってる人を見つけるのはかなり困難だよ。実際やってみたから(笑)。」
あ い こ :あいせん君の職場とかにはいなかったんですか?」
あいせん:実は職場で一通り話題を振ってみたら2人ほどいた。1人は『友達がやってました。』という大学生で、もう1人は『兄がやってました。』という同僚の女性。ちなみにその“兄”は僕と知り合いだったりしたけど(爆)。」
あ い こ :え〜っ、そうなんだ。やっぱり世間は狭いですね。 (^^; しかもそのお2人が揃って“過去形”で答えてるのもなにか寂しさを感じちゃいますし。」
あいせん:その“兄”は今は多分アクエリがメインになってると思うな。最近会って話をしてないのでどうなってるのかよく分からないんだけど。でもそういう実験をやってみると、改めて『やっぱり市場規模の割にマジックって知名度がないなあ。』と実感するよ。」
あ い こ :なんか寂しいですね。」
あいせん:あ、そういえばさっきの“映画化の情報を流した理由”だけど、もう1つ思い当たる節がある。」
あ い こ :なんですか?」
あいせん:ほら、米国でジャンプが発行されたという話があるじゃない。どうやらあの米国版ジャンプの目玉はドラゴンボールと遊戯王らしいんだ。」
あ い こ :そうらしいですね。なにしろ全国版のTVニュースで大きく取り上げられてましたから。」
あいせん:そうなると今後米国の遊戯王OCGがますますマジックの市場を脅かす可能性がある。それに比べてもしマジックが母国の米国ですら下降線だとしたら…」
あ い こ :マジック関係者が破れかぶれに『マジックだってこんな凄い話題があるんだぞ!』と情報を流した可能性はある。」
あいせん:そういうこと。しかも世の中はハリーポッターや指輪物語の映画の話題で持ちきり。それを見た誰かが『こんなのマジックにだってできるんだ!』と考えて情報をねつ造してもまあ不思議じゃないわな。」
あ い こ :でももしその想像が事実に近いとしたら、あまりにも寂しくないですか?」
あいせん:そうだねえ。つまりそれだけマジックには話題性がなくなってるということになるから。」
あ い こ :でもそう考えると、案外マジックって母国である米国で真っ先に衰退の危機を迎えちゃう可能性もあるんじゃないですか?」
あいせん:それこそ今の日本のような状況になるかもしれないね。競技プレイヤー以外のデュエリストがごっそりマジックからいなくなっちゃう。そういう可能性はあるかもよ。実際にその兆候は見られるみたいだし。」
あ い こ :でもそうすると米国でのマジックの売り上げが落ちて、米国の販売店は大変なことに…」
あいせん:だからウィザーズは日本の市場に注目してる。そういう見方はできるな。」
あ い こ :あ!?、言われてみればそうか。」
あいせん:結局のところウィザーズは米国の流通が大事に決まってるんだ。そうでなければそもそも日本のマジックを1パック500円で売ったりはしないだろう。そう考えるとウィザーズが『米国で売れなくなったマジックを今以上に日本に引き取らせよう。』と画策したって全然不思議じゃない。それで日本のディストリビューターや一部の問屋が潰れることになってもね。」
あ い こ :そういうウィザーズ社の方針にホビージャパンは何も言わないんですか?」
あいせん:『何も言えない』んだろうな。多分今やホビージャパンやポストホビーの売り上げの主力はマジックだから、そこをウィザーズに押さえられてる以上言いたいことの1割も言えないのかも。商品がなければ問屋は商売あがったりだから。」
あ い こ :そういえば以前にウィザーズ社が Pok?mon の量産をしたあおりでマジックの生産が滞って、ウルザサイクルのパックがもの凄く高騰したことがあったじゃないですか。ああいう状況になってもホビージャパンってウィザーズ社に何も言えなかったんですものね。」
あいせん:でもそれでもホビージャパンはマジックを売り続けるんだろうな。ポストホビーとの粗利二重取りがシステム上認められてる限り、少なくとも社長の懐には相当なお金が転がり込むはずだから。売り上げが減ったらその分更に販促の予算をけちればいいんだし。例えばデッキ・エクスプレスの廃刊とか。」
あ い こ :それって洒落になってませんよ。 (^^; 本当、こんな状況で日本のマジックって良くなるんでしょうか?」
あいせん:これだけメーカー側にやる気というか改善の意志がないのではさすがに無理なんじゃないかな。この前の説明会でマジックの販売価格について突っ込んだ関係者もいたみたいだけど、それに次のレギオン辺りで答えが出ないようならさすがに見限ってもいいと思うよ。それこそホビージャパン経由でのマジックの仕入れを完全にやめちゃうくらいのことをやるべきかも。」
あ い こ :ねえ、最近ここってなんでこういう暗い話題しかないんでしょうか?(涙)」
あいせん:そうだねえ。なんか第六部は明るくなれるような話題でも発掘してくださいよ。」
あ い こ :そうですね。ちょっとふて寝しながら考えます(笑)。」


     

メールは こちら までお願いします。
またご意見などは Message Board でも受け付けています。