グランプリからのバイヤー排除について編 
 
 

あいせん:さてと、第零部の5回目のテーマはこれになりました。」
あ い こ :この話題ってここでは扱わないかと思ってたんですけど。」
あいせん:なんで?」
あ い こ :だって掲示板で取り上げて半ばここでの見解みたいなものは出ちゃいましたから。」
あいせん:それはそうなんだけどね。ただこの話題についてはもうちょっと掘り下げる必要性が出てきたと感じたもので。」
あ い こ :分かりました。私もこの件は自分の意見を言う機会が欲しかったんで、ちょうど良かったです。」
あいせん:さて、じゃあ最初にこの件について僕の周辺で集めた意見をまとめてみようかと思います。」


【今回の措置について】


あいせん:・・・とまあ、代表的な意見としてはこんな感じです。」
あ い こ :それで、あいせん君はどう思ってるんですか?」
あいせん:掲示板にも書いたけど、さすがにバイヤーブースがグランプリの大きな売りになってる現状で、なんの代替案も示さないままバイヤーを閉め出すというのは問題じゃないかな。ホビージャパンが自分でブースを開くと言ってるけど、そんなブースに期待するデュエリストは今はほとんどいないと思うなあ。何しろあの会場内で平気で500円のパックを売る会社なんだから。」
あ い こ :バイヤーさんが持ってこられる絶版カードって結構ニーズがあるじゃないですか。特にパワーナインとか。」
あいせん:そうだね。多分そういう品揃えはホビージャパンはしないだろうから、ヴィンテージ・プレイヤーにとっては今回の措置は特に厳しいだろうなあ。」
あ い こ :私ちょっと分からないんですけど、なんで今回ホビージャパンはこういう措置を取ったんでしょうか?」
あいせん:去年の7月に書いた記事でその辺を取り上げてるんだけど、要するに『今までのようなグランプリには来て欲しくない地元販売店が少なくない。』ということですよ。そこにホビージャパンやポストホビー自身の売り上げ減が追い打ちをかけて、グランプリでのカード販売をホビージャパンとポストホビーが独占することに決めた。そして両社の台所事情を知っているウィザーズはそれにOKを出さざるを得なかった。そういうことだと思います。」
あ い こ :でもそれって、両社がかなり切羽詰まってるというか追いつめられてるということになりませんか?」
あいせん:そういうことなんだろうな。こういう措置を取れば多くの関係者、特にグランプリに取ってはお客さんであるイベントの参加者から反発が来るのは確実でしょう。それでも強行したということはそれだけ事情が逼迫してた。そう考えるのが自然でしょう。」
あ い こ :そういえば以前に“ウィザーズ社からバイヤー出店に関して特権を得てるバイヤーさんがいる”という話があったじゃないですか。そういうバイヤーさんも今回の措置でイベントには来られないんですよね。」
あいせん:どうもそのようですよ。一度『そんな特権や契約はない』という情報もあったんだけど、実はバイヤーさん自身がそういう契約がある旨をWebサイトで表明してるんだ。まあ具体的に言うとCardHausさんなんだけど。そこが今回締め出しを食らってるから、まあ他のバイヤーもそうなんだろうと思われる。」
あ い こ :そういうことなんですね。」
あいせん:あ、ところであいこ先生は今回の件をどう思ってるの?」
あ い こ :はい、私は『この後のやり方次第では認めてもいいのかな。』と思ってます。」
あいせん:ほうほう。」
あ い こ :私はどちらかというと、さっきの一覧にもある『バイヤーブースがグランプリの大きな売りという現状はどうかと』という意見に近いんですよ。安いカードがあればデュエリストはそれを買いに来る。そんなの考えてみれば当たり前ですよね。でもそれって本当の意味で日本のマジックのためになってないし、ましてや日本のマジックが偉いわけじゃないじゃないですか。外国のバイヤーさんが安いカードを提供してくれてるから日本のイベントが成り立ってる。そんなのやっぱり変ですよ。」
あいせん:まあ、そう言われればそうだな。」
あ い こ :やっぱり日本のマジックって、今こそ欧米に近い価格と欧米並の競技レベルや盛り上がりを勝ち取るべきなんですよ。そう考えると今回の措置って、日本のマジックが独自に欧米のマジックに近づき越えるための第一歩にならないでしょうか。日本人が自分達の知恵と工夫でグランプリの動員を稼ぐ。そういう工夫を始める第一歩にね。」
あいせん:確かにそれはそうなんだけど、でもねえ…」
あ い こ :あ、今回は私がその先を当てますね。『でもホビージャパンがそこまで高い目標を持って今回の措置を決めたとは思えない。』そうでしょう?」
あいせん:はい、まったくもってその通りでございます。 (^^;」
あ い こ :そんなの別にいいじゃないですか。ホビージャパンが自社の利益を最優先に今回のことを決めたとしても、私達はその結果に注目して嫌と言うほど注文を付ければいいんですよ。実際に最近はプレミアイベントの動員って減ってるんですよね。その減少傾向がこの後も止まらないのであれば、今後その責任はすべてホビージャパンに取らせればいいんですよ。」
あいせん:まあ確かにね。今まではウィザーズの意向でやってたと思われる部分もあったけど、今回の件は明らかにホビージャパンが主催企業としての権限で決めてるからね。」
あ い こ :ホビージャパンはそこまでの権限を持ってた。でも今までは何もしてこなかったんですよ。というか、それでグランプリの動員が更に減ったら、さすがに競技プレイヤーの皆さんが黙っちゃいないと思いますけど。だってウィザーズ社は『競技マジックの実績が悪ければその国向けの賞金を減らずぜ。』って明言してるでしょう。それでグランプリの動員が減ってるのにホビージャパンに何も文句を言わないのって、さすがに無関心なのにも限度があると思うんですが。」
あいせん:確かにね。ただこの期に及んでなお日本の競技マジック界に楽観ムードが漂っていそうなのも事実なんだけど。 (^^; 『まさか日本選手権やFinalsの賞金が減らされるはずがないよ。』って感じかな。」
あ い こ :それもどうかとは思っちゃいますけどね。ただホビージャパン経由のマジックが売れない。プレミアイベントの動員がどんどん減ってる。アリーナリーグやフライデーナイト・マジックといった新しい工夫も必ずしも功を奏してない。少なくとも日本のデュエリストはちゃんと“シグナル”は送ってますよね。あとはそれをウィザーズ社やホビージャパンがどうするかなんですけど。」
あいせん:あ、それで思い出した。」
あ い こ :なんですか?」
あいせん:この前ホビージャパンのサイトを見に行ったら、どういう風の吹き回しか『オンスロートに関するアンケートにご協力下さい。』とかいうウィンドウが出たんだ。それで渋々メアドを開示して回答しようと思ったら、直後に『あ、目論んでいた数の回答を頂いたのでもうあなたはいいです。』とか言われた(笑)。」
あ い こ :なんかふざけてますね。 (^^; あそこってたまにそういういいことをやってもそうなんですね。」
あいせん:でも確かあのアンケートを取ってた組織って、以前ホビージャパンが公取委に怒られて渋々やったユーザーアンケートを集計した会社と同じじゃなかったかなあ。そうなるとあのアンケートの結果でホビージャパンやウィザーズが変わってどうにかなるということはなさそうな気がする。」
あ い こ :その前回のアンケートって内容はどうだったんですか?」
あいせん:そもそも公取委の勧告って『てめえら不当にマジックの値段つり上げやがって!』という内容だったんだ。でもその反省のために募集したアンケートに、なぜか日本のマジックの価格についての設問がなかったんだ。もうその時点で書く側のモティベイションは限りなく零だよ。まあ僕の知り合い達は欄外にびっしりクレームを書きまくってたけど(笑)。」
あ い こ :でもそういうクレームがホビージャパンに届いてるとは…」
あいせん:ああ、思えないね。思えませんとも。」
あ い こ :本当、これから日本のマジックってどうなるんでしょう?」
あいせん:うん、昔から言われている言葉に『バカは死ななきゃ治らない』というものがあるんだ。 (^^; あんまりこういう場で使うには適さない言葉だとは思うんだけど、でも今のマジックを見てるとこの言葉が当てはまっちゃうような気がしちゃうんだよな。」
あ い こ :一度思い切り不振になっても、ちょっと勢いを盛り返すと人はすぐに昔の失敗を忘れちゃいますからね。」
あいせん:でも何だかんだ言って、結局日本では最後の最後まで“競技マジック”だけが生き残るんだろうね。」
あ い こ :あ〜、それについては私も同感です(溜息)。」


     

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