メガ・イベント振り返り編 
 
 

あいせん:さて、噂のメガ・イベントが終わったわけですが・・・。」
あ い こ :結局のところ、盛り上がったのかそうじゃなかったのか、地方のデュエリストにはさっぱり分かりませんね。やっぱりマスコミに取り上げられた形跡はないですし。」
あいせん:これは多分、実際に参加した人の中でも諸説出てくるんだろうな。多分こういう話題は『現場を見てコメントしろ!』とか言う人もいるんだろうけど、でも実際問題として地方のデュエリストにはこういうイベントは参加が難しいし、結局はインターネット上に流れてる情報を見て印象が決まると思うんだ。」
あ い こ :で、うちもそうしてみよう、そういうことですね。」
あいせん:まあ、そういうことです。今後この手のイベントがあった時に、地方のデュエリストが興味を持つか否か、そういう問題もあるでしょう。」
 
 
あ い こ :やはりメイン・イベントのグランプリ横浜が、参加者800人ちょっとというのは淋しいですね。」
あいせん:この結果だけを見て『今回のメガ・イベントは失敗だった。』と断言しても、あながち間違ってるとは思えないかな。こういう数字というのは良きにしろ悪しきにしろインパクトが大きいし、何よりも実際にグランプリに参加した方々がその寂しさみたいな物を感じ取るだろうから。」
あ い こ :しかも、またなんか不正行為で失格者が云々とかいう噂が聞こえてますけど。」
あいせん:そうみたいですなあ。やはりマジックのプレミアイベントに『目的は勝つことであり、そのための手段は選ばなくてもいい。』『イカサマやマッチ売買もばれなきゃ正当な手段だ。』という意識を持って臨んでる競技プレイヤーが少なくないんだろうなあ。」
あ い こ :でも、なんかスカージ入りのオンスロートのブロック構築戦は見ても面白くなかったようですけど。」
あいせん:なんかあっちもこっちもドラゴンだらけで“赤白乱立状態”だったらしいね。まあお祭りなんだから丁度いいんじゃないの?(笑)。ただ今回の結果を見て『オンスロートのブロック構築戦にはもう出ません。だって面白くないし。』とか日記で書いてる競技プレイヤーも見かけたから、ちょっとマジックというゲームの盛り上がりには水を差しちゃったかな。」
あ い こ :あと、ジュニア日本選手権とかアマチュア選手権はそれなりに盛況だったみたいですね。」
あいせん:こっちの方はそれなりに盛り上がったみたいだねえ。しかも情報が早い某ショップさんの常連さんが優勝してくれたおかげで、賞品がそれなりには豪勢だったことも分かったし。」
あ い こ :でもジュニア日本選手権の参加者分布はどうだったんでしょうか。日本国内から広く参加してもらえたんでしょうか。」
あいせん:ある方のレポートによると、それこそ参加者のリストには北海道から九州まであったみたいだよ。沖縄まであったかどうかは分からないけど。まあその方も『人口分布的に“東日本選手権”になるのは仕方がない』的な見方は書いてたけど。」
 
 
あ い こ :あと展示の方ですけど、情報を見た限りではあんまりパッとしなかった気がするんですが。」
あいせん:実際に見に行った人にはそれなりに好評なんだけど、少なくとも情報だけを見て『うわあ、こんなのあるなら行けばよかった!』と思える展示はないな。前にちょっと言ったけど、それこそ日本国内にあるアルファ・セラとレベッカ・セラの原画を展示するだけでも、かなり展示のインパクトとかクオリティは上がった気がするけど。」
あ い こ :結構日本国内には有名な原画って多いんですよね。例えばグルランド5種とか。」
あいせん:これが全部日本にあるのもびっくりだな(笑)。しかも上に挙げた7枚の原画は、それこそ『誰が持ってるか?』まで分かってるし。まあウィザーズ本社にある Black Lotus の原画が持ち出し展示されてないというだけで、このイベントにかけるウィザーズの意気込みが伺い知れるというものだけど。」
あ い こ :つまり『やる気ナッシング』ということじゃないですか!(笑)」
あいせん:だって所詮展示物の大部分は米国で展示した物の使い回しでしょう。 (^^; 日本人は日本人としての嗜好や思想でマジックと接してる。しかし相変わらずウィザーズがやってることは欧米的思想の押しつけでしかない。だからマジックは日本で元気がない、そして売れない。これじゃあ今までやってきた失敗が全然活かされてないよ。」
 
 
あ い こ :それと大事なことがありますよ。例の“販売店向け説明会”のお話ですが。」
あいせん:これがねえ・・・本当どこにも情報が出てきてないんだ。」
あ い こ :なんででしょう。箝口令でも布かれたんでしょうか。」
あいせん:そうじゃない気がします。要は『そういうレポートを書いてまでマジックを盛り上げようというやる気のある人が、今回の説明会には参加しなかった。』ということだと思います。」
あ い こ :そうなると、あまり喜べるお話じゃありませんね。」
あいせん:これはあくまで想像だけど、説明会は欧米でのマジックの盛り返しについて触れ、ミラディンのちょっとした噂といった極めて当たり障りのない話に終始した。で、聞いてる側も今更マジックにやる気があるお店は少なくて、ドッチラケ状態で質疑応答も盛り上がらなかった。真相はこんなところなんじゃないのかな。」
あ い こ :なんか一箇所だけ思い切り突っ込んだ意見をぶつけられたお店があったようですけど。」
あいせん:以前にもこのお店はこういう頑張りを見せてるんだけど、結局ウィザーズやホビージャパンは何にも分かっちゃいないし、マジックは何にも変わっちゃいないんだよな。だから過去の決して成功例とは言えない歴史を今後も繰り返して終わり。そうなる可能性が高いと思います。まあ、そんなことは何よりも、その頑張って意見をぶつけてきたお店の関係者が一番分かってるんだろうけど。」
 
 
あ い こ :さて、こんなところであいせん君の総括を頂きたいと思いますが(笑)。」
あいせん:そうねえ、何よりも“グランプリ横浜の参加者を1000名に乗せられなかった時点でこのイベントは敗北した”と思います。」
あ い こ :結構競技プレイヤーの間では、過去に開催されたグランプリの記録更新を期待する声も多かったようなんですけど。」
あいせん:確かグランプリ神戸だったかな。まあ記録更新はともかく、少なくとも4桁集めるのはメーカーやディストリビューターとしての最低限の責務だろう。かつて1000人以上集めたイベント集客が、10周年記念という大きなイベントで800人台前半に減った。これをもって『メガ・イベントは大成功だ!』とか言えるのって、よっぽど頭の構造がおめでたいか、マジックに対してひいき目を持ってて目が曇ってる人くらいだろう。 (^^; 」
あ い こ :日程的に社会人の参加が難しかった。そういう意見もあるようですけど。」
あいせん:だったらそもそもそういう日程を組まなきゃいいんだって。元々このイベントは『3日間のメガ・イベントの間、そのメイン・イベントとしてグランプリ横浜が通しで開催される。』という固定観念からすべてがスタートしちゃってるんだ。そうしないとイベントに箔が付かないし、特に初日の動員を稼げなさそうだ。そういう判断があった気がするけどね。でもそれで結果としてグランプリそのものの動員を減らしちゃうのでは、それこそ本末転倒だって。それだったらグランプリの開催期間を2日にして動員記録更新を狙う。その方がイベントとしては大成功だったと思ってもらえたんじゃないかな。」
あ い こ :確かにそういう見方はありますね。」
あいせん:あとそれって『マジック発売から10年も経ってるのに、一般世間へのマジックそのものや競技マジックの定着や知名度確保がほとんどできてない。』ことの証じゃない。マジックが囲碁や将棋並の知名度や認知度を持たれていれば、社会人がマジックの競技イベント参加を理由に数日間の休みを取るのなんか簡単なはずだよ。でも現実はそれができない。それは何よりもウィザーズやホビージャパンが過去に繰り返した数々の失策による結果だって。」
あ い こ :じゃあ、あいせん君はどうすればよかったと思うの。特に初日の企画が問題になると思うんですけど。」
あいせん:それこそ初日はフライデー・ナイトマジックの全日バージョンをやればいい。あとグランプリ会場をフリースペースとして開放したりして、要するに“前夜祭”的なイベントにしちゃうんだ。確かに初日の動員は少ないかもしれないけど、逆に2日目以降の競技イベントの模擬戦やトレードをしに会場に来る人は増えたと思うし、何よりもグランプリの参加者がこれだけ低迷する事態は避けられただろう。」
あ い こ :いわゆる“損して得取れ”ってやつですね。」
あいせん:まあ、そういうことです。」
あ い こ :あと展示などの情報を見た総評は?」
あいせん:色々と情報を見た限りでは『行かなくてもよかった。』というのが正直なところかな。これだけ関東圏のユーザー向けに偏ったイベントを開くのであれば、せめて地方の人間が見て『うわあ、うらやましい。俺も行きてえ〜!』と思うようなことをしてくれないかなあ。」
あ い こ :それは私も感じます。なんか面白さとか盛り上がりが外野にはさっぱり伝わってこないんですもの。」
あいせん:そうだな、まさに我々地方のデュエリストは、今回の10周年イベントに関しては“外野”にしか入れてもらえなかったもんなあ。この辺が今後改善されないと、少なくとも関東圏以外の地方都市でのマジック離れはいよいよ深刻になる気がします。自分の地域のマジックを盛り上げたら、こんな素晴らしいグランプリが地元に誘致されるかも知れない。そうなれば地方のデュエリスト組織も頑張ると思うんだけど。」
あ い こ :でも現実は難しそうですね。しかもむしろ今は『こんなプレミアイベントいらねえ!』とか言われそうですし。」
あいせん:地元のお店が閉め出されて、ポストホビーやマナソースが会場内の販売を独占してるプレミアイベント。まあ少なくとも地元のお店から見ると本気でいらないかもねえ。」
 
 
あ い こ :あ、それと例のトークショーの情報もありました。これを忘れちゃいけませんね。」
あいせん:仮にもリチャード・ガーフィールド氏が出演しているトークショーで“日本のマジックの衰退”をウィザーズ関係者が認めた。これは画期的なことなんじゃないだろうか。」
あ い こ :ただ、そこでの情報によると『欧米ではマジックは持ち直してる』ということなんですけど。」
あいせん:実はその原因をある程度推察できる情報を某店長さんが日記に書いてるんだ。」
あ い こ :というと?」
あいせん:うん、今日本のTCG販売店はデュエル・マスターズとガンダム・ウォーで食ってる感じでしょう。ところがこういったTCGの新作が出て客足が増えると、どういう訳かその他のTCGも売り上げが伸びるみたいなんだ。例えば遊戯王OCGとかマジックとか。」
あ い こ :なんで?」
あいせん:つまりそれだけ掛け持ちプレイヤーが多い、ということなんだと思います。だから話題のTCGの新作を買いに来たついでに他のTCGも買っていく。ちょうどTVゲームの話題作が出ておもちゃ屋に客が増えると、それに比例して旧作の売り上げが増えるのと同じですよ。」
あ い こ :あ、確かに欧米のTCGプレイヤーでマジックに手を出していない人って少なそうですから、他のTCGの話題でお店に人が戻ってくるとマジックも売れちゃうんだ。」
あいせん:そういうこと。まあ現場を見てないからあくまで推測だけど、真実は当たらずしも遠からずだと思うよ。」
あ い こ :でもその理論で言うと“マジックが持ち直したのは遊戯王OCGのおかげだ”ということになるんですが。 (^^; 」
あいせん:『なるんですが』も何も、そうはっきり言ってます(笑)。」
あ い こ :もしそうだとすると、ちょっとマジック関係者にとっては淋しいお話ですね。あと・・・」
あいせん:遊戯王OCGがダメになると、それこそ日本国内で起こってるTCG市場全体の衰退が世界規模でやってくる。」
あ い こ :そうなんですよ。日本のTCG業界って、結局は遊戯王OCGの栄枯盛衰とほとんどリンクする形で今まで来てるじゃないですか。それが欧米でも同じ現象が起こるとなると、ちょっと心配ですね。」
あいせん:マジックが今のような競技イベント主体というか、それを唯一の柱にして販促を続ける以上、マジックが世界の覇者になれる可能性はほぼ皆無だと思います。現状では販売店が主たる商材としてマジックを扱うのは不可能に近いし。トークショーでも言われた通り、この先細々とは遊ばれ続けると思うけどね。」
あ い こ :やっぱり何らかの形でお子様を引き込まないとダメなんですよね。」
あいせん:それはそれこそウィザーズの舵取り次第だけどね。今みたいな市場規模でマイナータイトルとしての地位で満足できるならそれでもいいんだろうし。」
あ い こ :せっかく立ち上げたオンラインもトラブルの嵐みたいなんですが。 (^^; 」
あいせん:元々の計画に無理があった。そういうことなんだろうなあ。でもそれってマジックの競技化とかエキスパンションの発売頻度とか、それこそマジック全体に言える話なんだけど。そろそろ誰かウィザーズの然るべき立場の人間が気が付かないのかねえ。」
あ い こ :あとホビージャパンはどうなんでしょう。」
あいせん:メガ・イベントはウィザーズにもらった大量の販促品で何とか凌いだみたいだけど、この先どこまで乗り切れるか・・・。デフレ不景気のこのご時世にGAMEぎゃざを値上げした、というか値上げせざるを得なかった。いよいよ台所事情は苦しいんだろうと思われます。ただしこれに関しては、申し訳ないけど『自業自得ですね、ざまあみろ。』以外のコメントが思い浮かびませんが。 (^^; 」
あ い こ :・・・いえ、いいです。何となくそういう答えは想像してましたから(笑)。」


     

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