あ い こ ：	「	３作目です。」
あいせん：	「	ほい…（中身を読む）…了解です。内容的には宜しいんじゃないでしょうか。」
あ い こ ：	「	それにしても掲示板でも話題になってたけど、基本セットの問題って難しいですね。」
あいせん：	「	そうだなあ。僕もマジックについて３年以上色々と提案を書いてきたけど、この基本セットの問題に関しては全く打開策というか先が見えない。」
あ い こ ：	「	しかも年を重ねる毎に状況は良くなるどころか…」
あいせん：	「	うん、確実に悪くなってるな。 (^^;」
あ い こ ：	「	この機会だから率直に聞きたいんだけど、なんでこうなっちゃったの？」
あいせん：	「	原因は色々あると思うよ。ただ最大の要因は『基本セットをエキスパンションとの差別化を図って収録内容をパワーダウンさせたけど、それをやりすぎて初心者や中級者に取っても魅力に乏しい内容になってしまった。』という事だと思う。あと一部イラストレーターの離反問題などからウィザーズは『うちはカードイラストなんか眼中にない。競技志向で勝負だ！』と開き直ったと思われるんだけど、しかし基本セットの内容はそうなっていなかったからね。」
あ い こ ：	「	これじゃあ『この基本セットって誰に売りたいの？』という感じになっちゃうか。」
あいせん：	「	そう、特に第６版以降の基本セットは買わせたい対象者が全然見えない。競技志向なデュエリストが買える内容じゃないし、カードイラストを総差し替えしてコレクターにそっぽを向かれるんじゃどうしようもない。」
あ い こ ：	「	じゃあどうすればいいと思う？」
あいせん：	「	そういうあいこ先生はどう思うの？」
あ い こ ：	「	私ですか!?。そうですねえ、最近のマジックが競技化に活路を求めているなら、そういう方針に沿った物を出すのが正解なんじゃないかと思うんだけど。」
あいせん：	「	初心者とかコレクターをバッサリ切り捨てても？」
あ い こ ：	「	うん、その位思い切った物を出してもいいと思うよ。ただあいせん君も書いてるけど、競技マジックの推進には間違いなくニューカマーやコレクターの存在は必要不可欠なはずなのよ。そういう人達をどうやってマジックに取り込むかを別に考えないといけないけどね。」
あいせん：	「	カードの流通量を増やさないと、結局は競技マジックも窒息しちゃう。そういう認識を持ってマジックの販売なり競技マジックに取り組んでいる個人や組織が日本にはあまりにも少ないかな。」
あ い こ ：	「	でもウィザーズ社は最近『マジックプレイヤーは１人残らず競技プレイヤーになりなさい。そうしないと我々のユーザーサポートは受けられませんよ。』って言ってるじゃない。」
あいせん：	「	表向き表明してるわけじゃないけど、実質そう言ってるに等しいわなあ。」
あ い こ ：	「	だとしたら、逆に最初からマジックに手を出そうとする人達に、そういう覚悟をさせる位の事を考えてもいいんじゃないかとも思うよ。『マジックは月千円程度の予算で安易に遊べるような生易しいＴＣＧじゃありません。そういうＴＣＧを遊びたいならよそへ行って下さい。』ってね。」
あいせん：	「	う〜ん、それに関しては到底肯定はできないけど、１つの考え方として受け入れましょう。」
あ い こ ：	「	そうすれば基本セットの問題にしたって、それこそエキスパートレベルの強いカードを収録できるのよ。だってマジックのカードセットって『強ければ売れるし強くなければ売れない』みたいだから。」
あいせん：	「	多分あいこ先生の意見には反発する人が多いと思うけど、でも結果的に最近のマジックってそういう方針で突っ走っちゃてるもんなあ。それだったら最初から明確に意思表明してあげた方が初心者のためかも。」
あ い こ ：	「	元々初心者は今のマジックなんか怖くて遊べないよ。遊び始めてわずか数日で『公認トーナメントに来い！』とか『シャークから身を守るために情報武装しろ！』とか平気で言われるんだもん。」
あいせん：	「	う…う〜ん。 (^^;;;」
あ い こ ：	「	あ、ところであいせん君の“理想の基本セット像”を聞かせて下さいな。」
あいせん：	「	うん、僕としては特定のカードに依存しないバラエティのあるデッキが作れるような物がいいかと思う。最近はなんかブロック構築でもスタンダードでも、例の“丸顔で感じ悪いクリーチャー”が猛威を振るってるでしょう。そういうデッキが主流になっているのが分かっていてアンチデッキが作れない。流石にそういう状況で、それでも『マジックって面白い！』とは感じられないと思うんだ。あとそう感じている人達は『次のエキスパンションが出ればきっと…』という期待感からそうなっていると思うし。でも最近巷では『ジャッジメントはアンダーパワー過ぎてカエルの暴走を止められないのでは？』という意見が多数派になっているようで、随分とデュエリストの志気みたいな物が落ちている印象がある。」
あ い こ ：	「	え!?、ジャッジメントって白／緑が多いから何とかなるんじゃないの？」
あいせん：	「	うん、なんか駄目そうという意見が今は多いかな。」
あ い こ ：	「	でも、それって…」
あいせん：	「	『拡張エキスパンションの存在価値がない』そう言いたいんでしょう？」
あ い こ ：	「	うん。」
あいせん：	「	でもそれが現実。まあ実際どうかは蓋を開けてみたいと分からないけど。しかも実際にそういう画期的なデッキが日本国内から提案されたという話は過去にほとんど聞かないし。」
あ い こ ：	「	まあ…ねえ。」
あいせん：	「	昔はそういう強力なクリーチャーが登場しても、結構基本セットのカードを駆使すれば何とかできてたんですよ。でも今はそうじゃないから、一旦あるエキスパンションが暴走を始めると止めようがない。ウルザサイクルがそうだったし。つまりバランスが悪いという事。」
あ い こ ：	「	という事は、あいせん君も“基本セットのオーバーパワー化”の推進派なんだ。」
あいせん：	「	結果的にはそうなるかも。エキスパンションがこれだけ強くなると、基本セットもそれに見合うパワーを身に付けざるを得ない。でもそういうバランス感覚がなぜかウィザーズにない。これが問題かも知れない。」
あ い こ ：	「	基本セットとエキスパンションを混ぜて遊ぶという、今のスタンダードの仕組みはどう思う？」
あいせん：	「	基本セットをあくまでアドバンスドという位置付けにするのであれば、いっその事エキスパートと混ぜて遊ぶフォーマットを廃止しても構わないと思うよ。ただそうすると今の基本セットはかつてのポータルと同じ位置付けになるから、まあ間違いなく売れなくなるけどね。」
あ い こ ：	「	いっそ無くしちゃうってのはどう？」
あいせん：	「	基本セットを!?。でも現状を見る限りそんなに突拍子もない提案だとは思えないかな。実際買われていないんだし。」
あ い こ ：	「	あと第８版以降はカードリストのみ公開して、実物のカードは発売しないとか。」
あいせん：	「	マジックのオンライン化が進んでくると、そういう選択肢も出てくるかもね。」