Postscript 
 
 

あいせん:…」
あ い こ :…いかがでしょうか。」
あいせん:…う〜ん、今回は今まで以上に内容が重いなあ。」
あ い こ :あ、やっぱりそう思いました?」
あいせん:多分この勢いで振り返りをやったら、まあ間違いなくテーマが『あいこ&あいせん、ホビージャパンを大いにこき下ろす!』になっちゃうから今回はやめよう(笑)。」
あ い こ :それでなくても最近そういう傾向が強まりつつありますからね。というか、エッセイを書き始めて分かったんですが、ホビージャパンって突っ込まれるポイント多すぎです。」
あいせん:そりゃあ2年半近くもコラム書いてて、ついに1度も僕にネタ切れをさせてくれなかった偉い会社だからね(嫌)。」
あ い こ :それ、笑っていいネタなんですか?」
あいせん:いや、あんまり。 (^^;」
あ い こ :ということで今回は、前回の Postscript の続きということでお願いします。」
あいせん:何話してたっけ?」
あ い こ :もう忘れちゃったんですか?」
あいせん:えっ、ちょっと待ってよ…(ブラウザでエッセイを開く)…あ、そうか。マジックコレクターのお話だったね。」
あ い こ :そうです。」
あいせん:まあ今さらマジックコレクターの話をしても、それこそ“昔々のおとぎ話”のレベルになっちゃうから、今回は最近のカードコレクターの動向についてお話ししましょうか。特に欧米のね。」
あ い こ :え、そんな情報どこで仕入れたんですか?」
あいせん:こういう情報はニュースソースを明かさないから入って来るんだ。だから内緒(笑)。」
あ い こ :まあいいです、どうせ私は後でこっそり聞けばいいんですから。」
あいせん:そういうことです。」
あ い こ :あ、じゃあ早速聞きたいんですけど、米国辺りでのマジックカードイラストの評判ってどうなんですか?」
あいせん:うん、僕がお話を伺ったあるバイヤーさんによると『やはり不評だ。』ということらしいです。」
あ い こ :そうなんですか。私はてっきりああいうイラストが米国で受けてるからそうなってる物だと思ってました。」
あいせん:いや、そうじゃないようですよ。その方によると『特に最近のCG化されたイラストは評判がよろしくない。昔のような手書きのイラストがやはり好まれている。』ということでした。この辺はおおむね福井の古参デュエリストの見方と一致してるよ。」
あ い こ :そうですか。まあある意味うなづけるお話ですけど。」
あいせん:僕は前から『マジックのカードイラストは質が落ちている。』と言ってきたんだけど、別にこれって僕が自分の主観だけでそう言ってきたわけじゃないんだ。昔のマジックには例えば Vesuvan Doppelganger(AL-RV) みたいに、明らかにカードイラストで市場価値が高くなったシングルカードがあったんだ。ちなみにこれは米国でのお話で、日本でのこれの代表格が実は Aysen Crusader(HL) だったりするんだけど。そういう意味ではセラ天は今でも相変わらず値段が異常なカードだよ。だって第4版の白枠アンコモンと第7版のレアがほとんど等価で取り引きされてるから。」
あ い こ :あと最近は萌え道への新規登録者がいなくなってますね。」
あいせん:それもあるね。というか、最近はごく一部の人達以外のリスト更新すらなくなっちゃったから。」
あ い こ :確かにそういう状況を見てると『日本のマジックコレクターは死んだ』という気になりますよね。」
あいせん:それとFoilカードの価格下落も1つの論拠になってるよ。日本に相当数のマジックコレクター、特に最近のカードを収集しているデュエリストが現存してるとしたら、あんなにFoilカードが安く評価されるはずがないんだ。」
あ い こ :でもFoilって特に競技プレイヤーにとっては邪魔だったりしますもんね。油断するとすぐ曲がっちゃうから、一部では“するめ”なんて呼ばれちゃってますし。」
あいせん:確かにね。大きな大会ではマークド扱いになるから使わない方がいい、という解釈が最近は一般的みたいだよ。」
あ い こ :それとマジックには今でも『マジックに“萌え”は不要だ。』的な思想が根強そうじゃないですか。それについてはどう思いますか?」
あいせん:うん、確かにそういう意見はあるし、その意見そのものを否定する気はないよ。でも、今やそう思ってるデュエリストが多数派かどうかはちょっと怪しい。そういう事実が今回分かりました。」
あ い こ :え、どういうことですか?」
あいせん:今回情報を頂いたバイヤーさんは欧米のデュエリストともトレードをするそうなんだ。ではそこで問題です。最近欧米のデュエリストがトレードで欲しがる、日本で売られているTCGの人気ナンバーワンは一体なんでしょうか?」
あ い こ :え!?、ええっと…遊戯王かなあ、などと無難な答えで逃げてみます。」
あいせん:遊戯王は今なら上位に入るだろうね。あと相変わらずポケモンTCGなんかも人気みたいだし。でも違います。それでは正解です…なんと“リーフファイトTCG”だそうです。」
あ い こ :えええっ!!!」
あいせん:そもそもあんな絵柄のTCGは欧米にはないだろうからね。あの手のイラストに萌える方々にはたまらない逸品なんだろう。あとアクエリアンエイジもかなり人気らしいよ。」
あ い こ :そうなんですか。なんか米国産のTCGイラストを見てると、ああいう嗜好のイラストって欧米人には絶対に受けないものだとばかり思ってました。」
あいせん:そうじゃないみたい。で、それに気をよくしたのかどうか分からないけど、実はアクエリは“全世界向けへの展開”を宣言してます。」
あ い こ :そうなんですか!?」
あいせん:アクエリでは少し前からSagaIIの話題が出てるけど、実はアクエリでは既に“SagaV”までの基本方針が決まってるんだ。その中のSagaIIIかIVで日本以外の外国への展開を計画してるそうです。」
あ い こ :あ、でもそうなると裸のイラストが減ったりするんでしょうか。そういうのにうるさい国も多いでしょうから。」
あいせん:僕個人は別に構わないけど。というか、日本のゲームってすぐ女性を脱がせようとする癖がある。これは悪しき慣習だからやめた方がいいと思うよ。」
あ い こ :でも、あいせん君だって裸のお姉さんが嫌いなわけじゃないでしょう。だってほら…」
 
(カチカチ)
 
あいせん:わ〜っ、そのフォルダ開いちゃダメぇ!! (^^;;;;;」
あ い こ :もう、これ見ちゃうと数秒前のセリフに全然説得力がないです。」
あいせん:というか、いつから知ってたの。このフォルダの存在?」
あ い こ :ついこの前ですけどね。思わずフォルダごとゴミ箱に放り込もうかと思いましたけど。」
あいせん:そ、それは勘弁して下さい。 (;o;)」
あ い こ :そんな意地悪なことはしませんよ。私にくれたパソコンからはきれいに消してくれてるみたいですし、まあこの件は不問にします。」
あいせん:あ、はい。ありがとうごぜえますだ、お代官様。 m(__)m」
あ い こ :だれがお代官様ですか? (^^;」
あいせん:ええっと、ど、どこまで話したっけ(あせあせ)。あ、新紙幣の肖像のお話だったね。」
あ い こ :それは明らかに違う気がするんですが。」
あいせん:いや、ひょっとしてコアな“5000円札コレクター”とか現れると面白いかなあって。でも一度集めてみたいよね。全世界に流通する5000円札の0.1%とか。」
あ い こ :それって単なる“お金持ち”じゃないですか。」
あいせん:とにかく少なくとも『マジックに萌えを入れても受けないからムダだ。』という発想は、現状ではほぼ成立しないと思って間違いないです。だって欧米の多くのデュエリストが、マジックのカードを手放してまで萌えを手に入れたがっている、そういう事実があるんだから。ただ要するに『昔からのデュエリストやコレクターの多くが【マジックに萌えを導入するなんてとんでもない!】と思ってる。』ということになると思う。それは多分ウィザーズにしても考えは同じだろう。」
あ い こ :それは要するに“お堅い”ということなんですか?」
あいせん:そうじゃないと思うよ。ウィザーズは今までマジックにそういう要素を入れずにやってきた。確かに最近のカードイラストの評判は以前ほど高くない。そんなことはウィザーズだって分かってるんだ。しかし自分たちには自分たちのやり方があって、それでマジックは今までうまくやってきた。そういう自負があるんだ。でもここで日本の萌えイラストを導入したら、たとえそれで成功しても自分たちのポリシーが間違っていたことを認めることになる。だから彼らは死んでもやらないだろう。それこそカードイラストの魅力にひかれて、すべてのマジックコレクターが別のTCGに流れたとしてもね。」
あ い こ :あ、だからマジックは“競技化”に走ったんですか?」
あいせん:そう断言するのは危険だけど、でもそういう見方はできると思うよ。しかも例の“イラストレーター離反”で、カードイラストの面でマジックの人気を引っ張っていたイラストレーターが何人かいなくなっちゃってるし。」
あ い こ :ということは、今後マジックにカードイラストの魅力を求めるのはムリなんですか?」
あいせん:そう断言したくはないんだけど…でも、現状を見る限りそう考えざるを得ないんだろうなあ。特に最近のカードイラストって、なんか“紙芝居の一場面”から更にレベルダウンして“カードを認識するためのマーク”と化してる印象すらあるし。しかも今や『それにしてはイラストに個性が無くて、認識用のマークとしての機能すらすでに果たしてないぞ。』という意見すら少なからずあるよ。」
あ い こ :さすがにそうなっちゃうと問題ですね。」
あいせん:でもこのイラストに関する問題は、もはやウィザーズにすら解決策がないんじゃないかな。それは例えば最近実施されてる第8版の人気投票にも現れてるよ。」
あ い こ :再録するカードイラストを人気投票で決める。こんなの過去には考えられなかったことですもんね。」
あいせん:要するに最近のカードイラストに関してはウィザーズも自信が無くなってる。そういうことなんだと思うよ。そしていよいよ Rebecca Guay さんへの期待というか依存が高まっていく。」
あ い こ :本当、今あの人がマジックからいなくなったら、いよいよマジックってイラストに関する話題性がなくなっちゃいますよね。」
あいせん:その他の一部のイラストレーターさんにもファンはいるけど、でも Rebecca Guay さんが抱えてるファンの数とは多分比べ物にならないだろうなあ。それは例えば先日のサプライ品発売とかレベッカ杯なんかでも実証されてるし。」
あ い こ :でも不思議なことに、ホビージャパンが絡んだマジックイベントには呼ばれないんですよね、 Rebecca Guay さんって。」
あいせん:『呼べない』が正解なんじゃないの。確か過去に2度ほどドタキャン食らってるし。まあ最近では例えば rk post さんを呼んだりしてがんばってる風には見えるけど。」
あ い こ :でもこれだけマジックコレクターがいなくなっちゃうと、さすがにシングルカード市場とかトレードなんかにもかなりの影響が出てるんじゃないですか。」
あいせん:客観的な評価は難しいと思うけど、まあ間違いないだろうね。トーナメントで使われないカスレアはどこにも行く宛が無くて販売店の収益を圧迫する。トレードもトーナメントでの人気カードばかりが欲しがられて誰もカードの供給源にならない。これじゃあそのうち誰もマジックなんか売らなくなるし、トレードなんかしなくなるだろう。」
あ い こ :というか、すでにそういう傾向がかなり見られるじゃないですか。」
あいせん:そうだねえ。本当これからどうなっちゃうんだろうと思うよ。」
あ い こ :あ、この際なんで率直に聞きたいんですけど、あいせん君自身はマジックから逃げ出す気はないの?」
あいせん:え!?、ああ、そういう意味で言うと、僕はすでにもう体半分以上マジックから抜け出しちゃってるよ。ただ僕が完全に抜けちゃうとその時点で更に大きく崩れちゃう部分があるから、取りあえず右手と右足くらいを突っ込んで支えてる。今はそんな感じかな。」
あ い こ :そうやって踏みとどまってるのは、やっぱり“牛姉”のおかげなの?」
あいせん:そうだと思うよ。あのカードがなかったら、とうの昔にマジックからは足を洗ってるだろうな。多分それこそウルザサイクル全盛期のあの暗黒時代の辺りで見切りを付けてると思うね。」
あ い こ :そう考えると、最近のデュエリストがマジックに踏みとどまっている原動力って何なんでしょう。」
あいせん:難しい問題だね。お姉ちゃんカードにしか興味がないヲタクなコレクターには分かりません(笑)。」
あ い こ :そう言わないで下さいよ。お話が続かないじゃないですか。 (^^;」
あいせん:でも、そうやって何らかの要素というか魅力でマジックに引き留められるデュエリストが明らかに減ってる。だから日本のマジックから元気がなくなってるんじゃないの。」
あ い こ :そう考えると改めて思うんですが、昔のマジックって本当に凄かったんですね。」
あいせん:そうだね。今タイプワンを遊んでみてもその片鱗は体験できるけど、でもそれでもまだまだ甘いな。何しろ昔は現行のタイプワンで1枚制限になっているカードが、いわゆるタイプ2で平気で4枚デッキに入ってて、そして僕らはそういうマジックを平然と遊んでたんだから。」
あ い こ :そう考えると、マジックが今後生き残る道って“温故知新”しかないのかもしれませんね。」
あいせん:そうだね。なんかオンスロートはそういう発想になるらしいけど、でも昔への戻り方が中途半端でとん挫しそうな予感がかなりあり。」
あ い こ :でもさすがにで土地が壊せたり、手札が2枚吹っ飛ぶような時代にはしないんですよね(笑)。」
あいせん:それはないだろうな。 (^^; 今のところ“あれ”の復活が決まってるみたい。まあクリーチャー戦を推奨している昨今のマジックの時流には沿ってるね。」
あ い こ :え〜っ、“あれ”じゃ誰も分からないじゃないですか。はっきり名前書いちゃいましょうよ。」
あいせん:そうもいかないんだって。まだ一般世間では不確定情報扱いなんだから。僕はあるルートで裏付けを取ってるんだけど、それも『まだオフレコでお願いします。』と釘をさされてるし。」
あ い こ :私としては書いちゃった方が面白いのにな。」
あいせん:じゃあさっきの“××画像”のやりとりをカットして下さいよ。 (^^; それだったら名前書いちゃってもいいよ。責任は僕が取るから。」
あ い こ :それはできませんね(笑)。仕方がないから今回はあきらめます。」
あいせん:う〜ん、これって良かったのか悪かったのか(汗)。」


     

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