Postscript 
 
 

あ い こ :…ここしばらく、ずっと雨ですね。」
あいせん:そうだねえ。確かに福井の冬の天候ってこんな感じだけど、今年はちょっと異常かも。」
あ い こ :そういえば、いつもなら休みになるとさっさと“部室”に出かけちゃうのに、ここしばらく行ってないですよね。」
あいせん:雨の中パソコン持っていくのはリスキーだしね。あと最近部室に行ってもあまりマジックの話をする機会がなくて。」
あ い こ :そういえば、某サークルさんの中のマジック熱ってすっかり冷めちゃった感じですね。」
あいせん:かろうじて僕がやってるフリースペースとかタイプワンのイベントで脈をつないでる感じかな。でもそれにしてもオンスロートのバカさ加減に愛想を尽かして、いよいよ人がマジックから離れてる感じだし。」
あ い こ :なんかヴィンテージな人達には評判がよくないですね。オンスロートって。」
あいせん:理由は色々あるんだけどね。まあこのままだと来年のマジック10周年記念イベントはかなり低調になりそうな予感がするよ。競技イベントにだけは相変わらず人が集まるだろうけど。」
あ い こ :実際『日本での開催そのものに意味があるのか?』という意見も聞かれますもんね。」
あいせん:そんな予算があるのなら、その金でマジックを値下げして初心者獲得に動いた方が世のため人のためという気がするよ。」
 
 
あいせん:さて・・・まあ今回は導入なので、振り返りとしての内容はあまりないかな。」
あ い こ :多分そうだろうと思います…じゃあ終わりますか?」
あいせん:まあいいじゃん。ついでだからちょっと前振り代わりに何かお話ししましょうよ。」
あ い こ :例えば?」
あいせん:『日本国内で酷評がささやかれるマジック販売店一覧』とか。」
あ い こ :いきなりそういう危険な話題はやめてください! (^^;;;」
あいせん:何しろ僕が個人的に持ってる、ある意味狭いデュエリスト・ネットワークの中からですら、まあ随分と聞こえて来るんですよ。マジック販売店に関する酷評ってやつがね(笑)。」
あ い こ :そうですよね。私はあいせん君とこのお話をよくするから大体知ってるんですけど、そりゃあもう『なんで?』と思うくらい次から次へと出てきますよね。」
あいせん:さすがに実名をあげて吊し上げるのは問題があるからやらないけど、でも『この店のスタッフ全員目の前に正座させて説教したろか!』と思える店が結構あるよ。」
あ い こ :昔1件だけ記事で取り上げましたよね。アンソロジー・ギフトボックスのアーナム・ジンの枠を黒く塗って売ってたお店のお話。」
あいせん:あの店もかなりひどいようだけど、まあ他にも色々ありますよ。」
あ い こ :あいせん君はそういうお店ってどうすればいいと思いますか?」
あいせん:うん、基本的には『潰してしまえ!』なんだけど。」
あ い こ :相変わらず実も蓋もないですね。」
あいせん:そもそも根本的な話として、日本のマジックにはそういうお店を生き長らえさせるだけの体力がないんだよ。昔たまごっちがブームになったときに、随分とひどい商売をする問屋や小売店が多数現れたんだ。でもそれはブームという勢いがあるからそうできたわけで、マジックはそういう状況じゃないからね。」
あ い こ :確かに。それこそ流通と消費者が一体にならないとこの危機は乗り切れないですよね。」
あいせん:まあ一体になっても乗り切れるとは思えないけど(笑)。」
あ い こ :こら〜!(怒)」
あいせん:だってそうじゃない。今のマジック流通と消費者が一体になるって、要するに『税別500円のパック販売と、競技イベント以外に満足な販促がない現状のマジックを、我々日本のデュエリストが無条件に受け入れる。』ということだよ。そんなの不可能だって。」
あ い こ :確かにそう言われると…あっ、またお話がそれちゃったじゃないですか。」
あいせん:そうでもないよ。まあ要するにそれと基本は同じで、消費者にだって“手を組めるお店”と“そうじゃないお店”があるんだよ。消費者に利益がないお店を生存させるだけの体力は今のマジックにはない。だったら切り捨てるしかないよ。」
あ い こ :確かにそれはそうなんですが。」
あいせん:これだけ物が売れない状況で、なおかつちゃんとマジックを売ろうとしない店が日本には少なくない。これじゃあマジックが“負け組”になるのは時間の問題だったんじゃないかな。むしろ今まで維持されてきたことの方が僕に言わせりゃミラクルだよ。」
あ い こ :それは私も感じます。かなり残念なんですけど。」
あいせん:あとこれは僕の仕事じゃないと思うんだけど、そろそろマジックって“精算”を考えるべき時期が来た気がするんだ。マジックに関わってきたデュエリストや販売店をどこへ着地させるのか。現在マジックを糧にして生活をしている人達をどうするのか。そしてなぜマジックが失敗したのかの振り返りと今後への教訓をどう残すのか。そういう時期が来たと思ってる。そうなると当然お店の話は考えざるを得ない。今後同じような失敗を別の遊びで繰り返さないためにね。」
あ い こ :この段階でそこまで言い切っちゃうのはちょっと…とは思うんですよ。でも現状を見るとそれを考え始めても決して早くはない気もします。」
あいせん:もちろん僕自身だって日本のマジックの“再生”を願ってるさ。そのためにも一度、厳格な意味での過去の清算は必要だよ。少なくとも今までのやり方でズルズルやっててもダメだろうからね。」
あ い こ :でも、実際にはマジックって対戦格闘ゲームの失敗をそのまんま繰り返しちゃったんですけどね。」
あいせん:それはあるな。まあ人間って過去の痛みを忘れる生き物だからねえ。でもそれだからこそ先を見て生きていけるとも言えるんだけど。」


     

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