Postscript 
 
 

あいせん:…あれ、もう第五部の2作目が書き上がってる!」
あ い こ :へへへ、さすがに寒いのにも体が慣れてきましたから。あれだけ急に寒くなるとさすがに参りましたけど。」
あいせん:そういうことならば、こっちも始めるぞ。いよいよお待ちかねの“マジック販売店への酷評”の1回目だ(笑)。」
あ い こ :やっぱりやるんですか? (^^;」
あいせん:こういう機会でもないと、この手の話題って取り上げるタイミングがないからね。」
あ い こ :それで、1回目はどこのお話なんですか?」
あいせん:1回目は“マナソース福井店”のお話です。まあこのお店そのものは既にこの世にないんだけど。」
あ い こ :へ!?…マナソース福井店って、昔あいせん君が勤めてたお店じゃないですか。」
あいせん:そうだよ。」
あ い こ :そのお店の酷評って…そんなにひどいことしたんですか?(笑)」
あいせん:いや、そういうわけじゃないけど。 (^^;」
あ い こ :それじゃあ、またなぜ?」
あいせん:そもそもマナソース福井店が開店した当時って、福井のデュエリストにはほとんど何らのパイプも持ってなかったんだ。当時TVゲームを販売してたレンタルビデオ店が突然マジックの専門店を開いた。そういう状況だった。僕自身も全くの寝耳に水だったしね。」
あ い こ :確かそうでしたよね。」
あいせん:そういう様子を見て、僕ら福井のデュエリストはある種の“嫌悪感”を抱いたんだ。福井のデュエリストやマジック販売店が頑張って築いた今の環境に割り込んできて、おいしいところだけさらって儲けようとしてる。そんな印象だね。」
あ い こ :それは確かにありましたよね。」
あいせん:しかし実際は違ってたんだ。当時福井市のTVゲーム販売は激戦だったんだけど、ある大手ショップが抜き出て独壇場になりつつあったんだ。それで経営が難しくなったわんぱくこぞう兼レンタルビデオ店のT店長が知り合いのTVゲームショップのY店長と善後策を話したところ、マジックの販売を提案されたんだ。しかもたまたま当時わんぱくこぞうチェーンがマジック専門店の全国展開を始めていて、それで『よし、やってみるか!』になったんだ。」
あ い こ :それでマナソース福井店はオープンしたんですよね。」
あいせん:でも当然店員の中にマジックを知ってる人はいなかったし、福井のデュエリストへのコネクションもなかった。それでその知り合いのTVゲームショップ、具体的に言うとファミコンランド福井店さんなんだけど、そのY店長から僕に『何とかサポートしてあげてよ。』という依頼が来たんだ。」
あ い こ :で、あいせん君はいそいそと販促の提案資料を書いて乗り込んで、そのまま店員として居着いちゃった(笑)。」
あいせん:そういうことです。何しろ資料に『俺を雇え!』とかはっきり書いてたし(爆)。」
あ い こ :でも、さっき触れた“嫌悪感”みたいな物って、あいせん君がお店に入っても完全には払拭されなかったんでしょうね。」
あいせん:そうだね。さすがに当時はそういう両店の関係をおおっぴらに触れ回ることもできなかったし。だからファミコンランドさんの常連デュエリストなんかはうちに対してある種のライバル意識を持ってたんじゃないかな。僕が当時から ぎゃざる を運営してて、この頃なぜか既に結構中堅のWebサイトになっちゃってたのもあったし。」
あ い こ :実際色々とあったんですよね。」
あいせん:例えばイベントを見事にバッティングされたりとか。しかも僕は当時から公認トーナメントが嫌いだったから、ファミコンランドさんの常連さんが公認トーナメントをうちのイベントと同じ日に開いたりしてた。うちはイベントの期日はかなり早い段階で告知してたから、ずらそうと思えばいくらでもできたはずなんだけど。」
あ い こ :まあどこまでが意図的だったのかは、今となっては知る由もないですけどね。」
あいせん:あとうちが安売りセールをやると、途端にファミコンランドさんに出向いて『あっちはこんなに安くカードを売ってる。こっちもその値段で売れよ!』みたいなことを言う客とか。それだったらそのままマナソース福井店で買ってくれっての(笑)。」
あ い こ :でもそういうのって、ファミコンランドさんに頑張って欲しいからこそ言う一面もあるんですよね。」
あいせん:それは間違いないな。『このままだとファミコンランドさんが潰れちゃうよ!』みたいな危機感もあったんでしょう。多分そういうお客さんは、まあ間違いなくマナソース福井店にはよい印象を持ってなかっただろうけど。」
あ い こ :でもそこまでお店に思い入れを持ってもらえるのって、お店のスタッフとしては本望なんでしょうね。」
あいせん:あと僕もT店長もシャークには厳しかったから、結構それで一部のデュエリスト達と確執があったかもしれないね。うちはそういう情報は基本的に隠さないし。まあうちは誰がやったかまでは明言しないけど、噂として広まる課程で間違いなく『これってあいつの仕業だよ。』みたいな話は付加されただろうから。」
あ い こ :で、そのマナソース福井店が閉店した理由なんですけど。」
あいせん:それはマナソース福井店の跡地の様子を見れば一目瞭然だよ。マナソース福井店の母体だったレンタルビデオ店の閉店がその理由ね。近くに大きなレンタルビデオ店ができちゃって、将来的な収益の確保がいよいよ難しくなっちゃったんだ。それで『じゃあこの場所をパソコン専門店にしよう。』ということになったんだ。」
あ い こ :そうでしたよね。」
あいせん:閉店日には随分多くのデュエリストに集まってもらったなあ。T店長もあれを見て『ここにマジック販売店を作ったという選択は間違ってなかった。』と思ってくれたんじゃないかな。」
あ い こ :あいせん君がそのまま場所を変えてマナソース福井店を続けるというお話も出たんですよね。」
あいせん:でも僕には店を立ち上げるだけの資本がなかったからね。というか、当時それだけの資本を持っていたらやらない理由はなかったよ。」
あ い こ :お客さんもどんどん定着してきて、まさにこれからというところでしたもんね。」
あいせん:でも多分、そういうお店ですら『あの店はダメだ。』『マナソース福井店は福井のマジックにとってマイナスだった。』と思ってるデュエリストはいると思うんだ。T店長も僕も『福井にマジックがもっと広まってくれるといいなあ。』と思って、それこそ身銭を切って色々なサービスやサポートをしてたんだけど。」
あ い こ :確かにそうかもしれません…あ、今回あいせん君がここでマナソース福井店を取り上げた理由が何となく分かりました。」
あいせん:うん、そういうお店ですら周囲のデュエリストから酷評を受けた可能性がある。そういうことですよ。実際にそう思われる反応も過去に幾つかあったしね。」
あ い こ :やっぱり難しいですよね。」
あいせん:例えばつい先日のことなんだけど、僕が今勤めてるお店で『暖房が熱すぎる!』というクレームを頂いたんだ。でも僕に言わせるとうちのお店って他のお店に比べても暖房は弱めで、中にいる店員は『ここ寒いよ!』を連発してる位なんだ。」
あ い こ :…」
あいせん:つまりその位お客さんのお店への印象なんて千差万別なんだ。多分すべてのお客さんに好感を持たれるお店なんて実現は不可能だろうな。暖房の温度設定なんて単純な話ですら実現は不可能なんだから。」
あ い こ :確かにそれは感じます。」
あいせん:でもお店である以上、やはり“最大公約数”を狙う必要はあると思うよ。できるだけ多くの嗜好やニーズを満たす。それを目指さないお店は生き残れないよ。これはマジックそのものにも言える話だけど。」
あ い こ :最近思うんですけど、マジックってかなり殿様商売じゃないですか?」
あいせん:それは言えてるかな。もうちょっとデュエリストのニーズに耳を傾けて、その需要を満たす工夫をすべきだろう。でもその言葉って僕は日本のマジック販売店よりも、今はむしろウィザーズやホビージャパンにこそ言うべきだと思うね。」
あ い こ :あ、ところでエッセイ本編の振り返りが全然ないじゃないですか!(ぷんぷん)」
あいせん:おっと、言われてみればそうだった(笑)。」
あ い こ :で、どうでしょうか?」
あいせん:…今回ちょっと長くないか?」
あ い こ :それだけですか!(泣笑)」
あいせん:いや、実を言うと言いたいことはあるんだけど、次回の内容と一緒に話した方がいい気がするから今度にします。」


     

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