Postscript 
 
 

あいせん:(もぐもぐもぐ…)」
あ い こ :(もぐもぐもぐ…)」
あいせん:いやあ、このチョコパイ系のお菓子って、食べ始めると止まらなくなっちゃうね。」
あ い こ :本当ですね。意外と安くないんでそんなに毎日はできませんけど。」
あいせん:僕が子供の頃の初期のチョコパイって、今の倍近いサイズで1個30円とかだったんだけど。」
あ い こ :今は昔よりは小さくなって2個100円が相場でしょうか。今私達が食べてるのは6個入りですけど。」
あいせん:前に日記で書いてるんだけど、そのチョコパイが2個入りになって実質的な値上げしたときに僕は1人でしばらく“森永製品不買運動”をやってた(笑)。」
あ い こ :本当“食べ物の恨みは恐ろしい”ってよく言ったもんですね。 (^^;」
あいせん:でも当時あの値上げの仕方は明らかに下手くそだったよ。もうちょっとうまくごまかせばよかったのに。」
あ い こ :あ、そうそう。第六部の最終作が出来上がったんでお願いします。」
あいせん:了解です。」
 
 
あいせん:ここで言われてる『競技プレイヤーはマジックそのものを楽しんでるのではなく、マジックの競技イベントを楽しんでるだけだ。』というのは、意外とその競技プレイヤー本人には感覚的に理解できないんじゃないかな。」
あ い こ :そうなんですか?」
あいせん:最近僕自身は気が付いたんだけど、僕も実を言うとマジックそのものを楽しんできたわけじゃないんだ。僕は牛姉のコレクションが楽しくてカードを買ってただけで、それだけじゃもったいないからついでにデッキを作ってデュエルもしてたんだ。僕にとってマジックとは“牛姉の数を増やす手段”でしかなかった。今になってみるとそう断言できるけど。」
あ い こ :多くの競技プレイヤーにとって、マジックを遊ぶのって多分競技イベントに出るための手段になってますよね。そういう方々が競技イベントの無くなったマジックを遊び続けるとも思えませんし。」
あいせん:それでも自分達はマジックそのものを楽しんでると思い込んでる人は少なくないと思うよ。実際にはマジックというゲームのある狭い領域を深く掘り下げる作業をしてるわけだけど。」
あ い こ :ただゲームへの取り組み方ってそんなもんですよね。1人でゲームの隅から隅まで知り尽くすなんて不可能ですよ。」
あいせん:でも囲碁や将棋の世界ってそれをやってるよ。特にプロはね。」
あ い こ :あ、言われてみれば。」
あいせん:確かに囲碁や将棋のプロ選手にも得意戦法ってあるよね。でもそれってそれぞれの定跡(定石)をある程度隅々まで研究し尽くして、その結果としての選択になってるはずなんだ。」
あ い こ :そういう意味ではマジックって大変ですね。なにしろ4ヶ月ごとに定跡が大きく変わっちゃいますから。」
あいせん:まあ発売されたエキスパンションがしょぼくて、結果的にほとんど変わらない場合もあるけどね(笑)。」
あ い こ :それを言っちゃダメじゃないですか。 (^^;」
あいせん:しかも囲碁や将棋のプロって人間としての素養も求められる。何しろ彼らは字がうまくないだけでプロとしての資質を疑われちゃうから(笑)。そうなると当然囲碁や将棋の歴史は必死になって勉強するだろうし、その他の知識や常識あるいは礼儀作法なんかにも長けていないと。」
あ い こ :そういう点ではマジックってまだまだですね。今はデュエルが強くてプロポイントを持ってるというだけでプロ気取りできますから。」
あいせん:まあ中にはそんなに強くもないのにプロ気取りな輩もいるけど(笑)。」
あ い こ :そういうお話はここではやめましょうよ。 (^^;」
あいせん:まあそうだな。でもそこまでなぜプロは囲碁や将棋に真剣に取り組めるのか。多分彼らはそれこそ心底囲碁や将棋が好きなんじゃないだろうか。その辺の様子って“ヒカルの碁”なんかを読むと結構リアルに描写されてるよ。」
あ い こ :でもそういう雰囲気がなぜかマジックからは感じられない。だから競技選手と一般デュエリストとの間に溝ができちゃったり、マジックに対してもの凄い温度差ができちゃう。そんな気がします。」
あいせん:これは以前にも書いてるけど、囲碁や将棋のプロは自分達が営業マンでファンが顧客であるという認識をちゃんと持ってるんだ。ところが日本のマジックに限って言うと、なぜか競技プレイヤーは王様で一般デュエリストは下僕になっちゃうんだよ。サインしてやるから有り難く思え。俺様とデュエルができるなんてお前は運がいい。そんな雰囲気すら伝わってくるよ。」
あ い こ :そういう違いってどこから来るんでしょうか?」
あいせん:1つはプロ選手が生まれるまでの課程の違い。1つは与えられている待遇の差。そして何よりも自分が取り組んでいるゲームに対する目線の高さとかモティベイションの差だろうな。」
あ い こ :確かにそれは感じますね…って、このお話って今回のエッセイとあまり関係がないじゃないですか。 (^^;」
あいせん:あ、そうでもないよ。要するに『そういう様子を見て誰がマジックを楽しいと思えるのか?』ということさ。だって今の様子を見てると、競技プレイヤーですらマジックを楽しんでるようには到底見えないだろう。そして営業マンが自分で楽しめてないゲームを人に買えと勧めたって誰も買わないし、買って遊んでも誰も面白いとは思えないよ。ましてや今はプロという営業マンがメーカーや代理店と同じように殿様商売しかしないんだもん。」
あ い こ :ああ、確かにそうかも。」
あいせん:ただこの話って何も競技プレイヤーに限ってのことじゃないけどね。世に出る情報は競技関連の話ばかり。カードは高い上に競技で使われるカードしか注目されない。遊び方も極めて競技的で、2年でカードを使い捨てることに何の疑問も感じてない。それで初心者に堂々とマジックを勧める人がいたら、それは僕に言わせると“うつけ者”でしかないよ。」
あ い こ :そこまで言い切っちゃうのはどうかと思うんですけど、でもそこまで言わないと今のデュエリストには現状認識ができないかもしれませんね。」
あいせん:言い方を変えると『俺の真似をすれば間違いなくマジックは楽しめるぜ。』と言い切れるデュエリストが今はほとんどいないということになるかな。」
あ い こ :そうかもしれません。今は声の大きいデュエリストってほとんどが競技プレイヤーですから。さすがにDCIのランキングや賞金に興味がないデュエリストがそれを真似する気にはならないでしょう。」
あいせん:自分流のマジックとの付き合い方を見つけよう。そういう意見はよく聞かれるよね。でも本来遊びなんてそんな考慮や配慮なしで手放しで楽しめて、遊んでるうちにそういう方向性が見つけられるべき物のはずなんだ。しかし今のマジックはそうなってない。だって売り手も買い手も競技しかさせたがらないんだから。」
あ い こ :なんか寂しいですけどね。」
あいせん:この辺のお話は、この後の総括で更に突っ込んでみましょうか。」


     

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