Postscript 
 
 

あいせん:なんかあっという間に終わりましたね、第七部は。 (^^;」
あ い こ :本当ですね。おかげでこの導入部分のネタがなくなっちゃいました。 (^^;」
 
 
あ い こ :ちょっと改めて考えてみたいんですけど、なんでウィザーズ社ってここまで競技マジックにこだわるんでしょうか。」
あいせん:僕個人は“もう既にマジックにはそれ以外の販促手段が残っていないから”だと思ってるけど。」
あ い こ :確かにそんな雰囲気はありますけど、でももうちょっとどうにかならないんでしょうか。」
あいせん:今ウィザーズ社は、多分自社売り上げの2%近い費用を競技イベントの賞金として支出してると思われる。しかも競技イベントの開催経費やマジックそのものの広告費はこの中に一切入ってないんだ。そうなると多分ウィザーズ社は他の販促をやりたくてもできないんじゃないかな。しかもだからと言って競技イベントの賞金を減らせば、たちまち競技プレイヤーから大ブーイングが起きて、多くがマジックへの熱が冷めちゃうかもしれない。」
あ い こ :それじゃあにっちもさっちもいかないじゃないですか。それでマジックの売り上げが増えてるとか維持されてるならいいですけど、今は多分減り続けてるわけですし。」
あいせん:ちょっと掲示板へのレスでも書いたけど、多分ここ数年のマジックって“バブル期”にあって、今はそれが弾けつつあるんだと思うな。ウィザーズという企業の実力では、年間4億円近い賞金をかけた競技イベントなんてそもそも維持できない。それが今年あるいは来年辺りにいよいよ露呈しようとしている。そんな感じだろう。」
あ い こ :あんまり認めたくない見方なんですけど、でもこうなってみるとそう考えるのが自然かも。」
あいせん:ただマジックみたいな優秀なゲームは、それ自体がこの世から完全に絶滅することはないと思うんだ。じゃあ今度数年間にどの位の市場規模になって維持されるのか。それを見極めてそれに見合う流通やイベントを構築する。それがマジックが生き残る術になるだろうな。」
あ い こ :でも今のマジックって競技以外に売りがありませんよね。そうなると今後更にどれだけ市場規模が落ち込むのか、はっきり言って想像ができないんですけど。」
あいせん:この辺はあいこ先生のエッセイにもあったけど、今後マジックの流通をどうするか次第だろうな。」
あ い こ :というと?」
あいせん:例えばホビージャパン経由のマジックを一気に値下げして、定価でも1パック400円程度で売れるようにしたとしようか。そうなると並行輸入のパックを仕入れる旨味が薄れるから、今ほど並行輸入のマジックが珍重されなくなる。すると代理店経由のマジックが正常に流通し始めて、案外日本のマジック市場は維持できちゃったりするんだって。」
あ い こ :でも、それって逆にホビージャパンがなくなって並行輸入業者が残ってもいいんじゃないですか。」
あいせん:いや、それじゃダメなんだ。だって日本におけるプレミアイベントの主催は現在ホビージャパンだもん。並行輸入業者がその代わりにプレミアイベントを運営できるとは思えないし、ウィザーズがさせるとも思えない。」
あ い こ :あ、そうか。日本からプレミアイベントがなくなったら、間違いなくマジックの売り上げには大きく影響しますよね。」
あいせん:つまり現在日本のマジックが取り得る選択肢は2択。代理店からマジックを買って細々とでもプレミアイベントなどのサポートを受け続けるのか、それともすべて並行輸入業者から買ってウィザーズからのサポートを一切受けずにマジックを続けるのか。」
あ い こ :で、ちなみにあいせん君は後者の状況になるのを待ってるんですよね(笑)。」
あいせん:まあね。 (^^; 競技マジックがなくなればマジックはもうちょっと遊びやすいゲームになると思うから。」
あ い こ :このままマジックが廃れちゃったとすると、まさに競技マジックは“敵役”になっちゃいそうですね。」
あいせん:ただ勝利至上主義が対戦型ゲームを崩壊させる、そんなことは過去のゲームの歴史を見れば誰にだって分かるはずなんだ。それでもマジックがあえて勝敗を競わせるのであれば、しっかりした志とモティベイションを持つ競技人を育てることに心血を注ぐべきだったんだ。それこそ碁会所みたいな施設を全国津々浦々に作るくらいのことをしても良かったんだよ。」
あ い こ :本当、マジックにそういう施設があれば私達も苦労せずに済んだんですけどね。」
あいせん:あ、これ以上話すと総括のネタがなくなっちゃうんで、今回はここまで(笑)。」


     

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