Postscript 
 
 

 どうも、あいせんです。 m(__)m

 今回のフライング販売規制について更にその動きを調べてみたのですが、どうも今回は特にWoCが躍起になって本気で規制をかけているようです。なんでも問屋にスタッフが張り付いて入荷や出荷の状況を確認するという念の入れようなんだそうで、そのため問屋が販売店に「カードはまだ入荷していない。」と嘘を付いてまで出荷時期を延ばそうとしているようです。そうなると本編で触れた血の粛清の前触れという説はちょっと薄れるという気もします。(単なる口実にしたいだけならそこまでやる必要はないでしょうから。)ただフライング販売を何が何でも禁止したいというWoCの決意は本気のようです。(しかもその後更に「HJが自社出版物の広告から一部の並行輸入業者を閉め出そうとしている。」という動きが起きているという情報も入っています。)

 さて、ではなぜ今この段階になってWoCはフライング販売をこれだけ躍起になって規制しようとしているのでしょうか。それは Magic という商品の日本での売れ方(の変化)にその原因があるのではないか。これが私の意見です。

 以前にも触れた話なのですが、以前の遊戯王OCGは昔のカードセットがコンスタントに売れる、売り手に取っては比較的売りやすい商品だったそうです。それはなぜかと言うと、遊戯王のマンガを読んだ小中学生が常にニューカマーとして遊戯王OCGにやってきて、先人に追いつき追い越すべく昔のカードも買っていたからのようです。そして実はこういう商売は創生期〜全盛期(日本語版第4版発売からラースサイクル辺りまで)の日本の Magic でもできていました。日本語版第4版から始めたデュエリストがアリスサイクルやそれ以前のパックを買う。そうやって Magic をより広く遊ぼうという気運が自然にできていたと記憶しています。

 ところがこれがWoCやHJの競技推進、もっと言うと Standard 偏重により事情が変わってきます。これにより発売から2年が経った基本セットやエキスパンションの売り上げが一気に悪くなり始めたのです。そのため急きょWoCは Extended というフォーマットを制定した訳ですが、これも絶版カードセットの売り上げへの貢献という点では今ひとつだったと思います。そこへ来て競技偏重による古株デュエリストの Magic 離反、そして Magic の敷居が高くなった事によるニューカマーの供給停止が重なり、今や Magic は一部の競技プレイヤーや投機目的のバイヤーによってかろうじて買い支えられていると言っても過言ではない状況になっています。

 するとどうなるか。例えば新しいエキスパンションが出ても、最初の数週間ドッと売れて後はおしまいなのです。デュエリストは最初の購入分で一通りリミテッドの練習をしてそのカードを構築戦にも使って終わり。構築戦で必要になった残りのカードはシングルカードで間に合わせる。そういう図式が今や Magic では当たり前になっています。それは販売店にしても同じで、最初の品揃えとしてまとまった量のパックを開封するだけで、あとはシングルカードの買い取りで間に合わせてしまう。そうなると発売から1ヶ月もすると市場でのパックの開封数は極端に落ち込みます。実際にそういう購買状況は過去の玩具売り上げに関する統計にも現れています。つまり今回の措置はその最初の数週間に売れるパックに占める代理店経由のパックの比率を少しでも上げようという措置である。これが私個人の結論です。要するに相変わらず目先の利益しか見ちゃいない。そういう事ですな。

 ただどうでしょう。それって今までWoCやHJが間違った販促をやってきた事で溜まったツケを、無理やり問屋や販売店に押し付けているだけですよね。そもそもWoCやHJがやるべきだったのは Magic での競技推進ではなく、いかに Magic を広く長く遊んでもらうか(日本での Magic 市場を大きく盤石な物に育てるか)という工夫だったのです。そういう努力を個人や商店に押し付けておいて自分達は目先の利益のみを追い求めて競技を推進し、それがうまく行かなかったからと言ってフライング販売規制を口実に代理店経由の高いパックを無理やり買わせようとする。そういうやり方にこそ日本の Magic がここまで廃れた最大の原因がある。その事にそろそろ気が付いて下さいよ。もうこんなやり方には日本中の Magic 関係者がうんざりしているはずです。ずっと前の記事で私は「これじゃあそのうち日本のデュエリストが Magic から大量離反するぞ!」と言ってきました。それがこうやって実際に始まってなお、あなた達はその根本的な理由(=日本の Magic の高値設定や競技偏重による市場の縮小)に抜本的な対策を講じようとしないんですね。それで本当に日本の Magic を復興させられると本気でお思いなんですか?。全く寝言は寝ている間だけにして欲しいものです。

 あとちょっと本編に関して補足をしておきます。本編の中で欧州での Magic 衰退の話をしたのですが、ご存じの通り今 Magic のプロツアーは欧州のプレイヤーに席巻されています。ただそれについてこんな見方もできるのです。「俺達は米国人に比べて不利な条件で Magic を遊ばされている。だったらせめてプロツアーで勝たせてもらって賞金を頂かないと割が合わないぜ。」あるいは「 Magic という世界の中での欧州の地位を向上させて、今の不利な状況を少しでも改善しよう。」そういう発想で彼らが Magic に取り組んでいる部分もあるんじゃないか、そういう気が私はしています。それについては南米勢にしても同じかも知れません。でもそれにしては日本の・・・と、これ以上書くとまたあちこちで叩かれそうなので今回はやめます。 (^^; とにかくこのまま日本や世界中で Magic の売り上げが減り続ければ、それこそそういう競技イベントも維持できなくなるのです。だから代理店経由の Magic も買おうよ。私は間違ってもそんな事は言いません(笑)。ただもうちょっとメーカーや代理店が現実を直視して、それこそ5年あるいは10年先を見据えた未来に希望を持てる Magic の売り方をして欲しい。私が言いたいのはそういう事になりますかね。

  Magic の売り上げが減ったから代理店経由のカードしか売れない環境にしてしまおう。競技以外は見ちゃいないからコレクターに人気のあるイラストレーターなんか首を切ってしまえ。こんなやり方に日本のデュエリストはそれでも異論や不満はないんですか?。これだけバカにされてそれでも Magic を続けるなんて私は嫌です。こんな未来に期待も希望も持てない遊びにこれ以上の投資を続けるのはさすがに無駄だと私は考えます。というか、デュエリストはともかく流石に販売店は黙っちゃいない気がしますが。

     
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