最近の M:tG は「1つのデッキの寿命が短い(デッキに流行り/廃りがあるのは当然)」という風潮になりつつあります。しかし実はそれは Standard に限った話であって、本来 M:tG というTCGは1つのデッキを末永く育てて遊ぶゲームなのです。私にはその事を自分自身で証明するために、もうかれこれ2年近く使い続けている Extended のデッキがあります。最近ではもうすっかり私のトレードマークとなった、愛用の“リスデッキ”をご紹介します。 (^^)
私が最初にこのデッキを作ろうと思い立ったのは、このデッキの主役である(最初にデッキを作った際に閃いた) Liege of the Hollows(WE) と Kaysa(AC) の組み合わせを実現したかったからに他なりません。強力なマナ・ブーストから生み出した10匹オーバーのリスを全部2/2にして攻撃できれば、流石に勝てるだろうという安易な発想ではあったのですが(笑)。ちょうど当時はカウンター・ポスト対策に多くの人達が頭を痛めていたのですが、その中から生まれた「クレイジー・グリーン」というデッキ・カテゴリーの考え方が私のデッキとマッチングし、リスデッキの原型が生まれました。ただ最初のバージョンでは Kaysa でパワーアップした Liege of the Hollows がそのまま勝負を決めてしまう事も少なくなかったのですが(笑)。その後このデッキは何度かのマイナーチェンジを遂げました。ある時は赤(ただしマナ源は Tinder Wall(IA) のみ)を加えて焼殺デッキとなり、また Earthcraft(TE) の登場で生産されるリスの数が飛躍的に増えた時期もあります。また大型クリーチャー(例えば Erhnam Djinn(CH) など)との共同戦線を張った事もありました。ただある時期を境に私自身が「このデッキは『リスを数多く出して殴って勝つデッキ』に尖ろう」という意識の元に作るようになったため、それらの要素は今は入っていません。まあデッキ・レシピを見れば分かりますが、それらを再び組み込もうと思えば簡単にできます。何しろデッキそのものは非常にシンプルなので。
◆ クリーチャー | ||
Liege of the Hollows(WE) × 4 | Llanowar Elves(6E) × 4 | Fyndhorn Elves(IA) × 4 |
Priest of Titania(US) × 4 | Elvish Spirit Guide(AC) × 3 | Kaysa(AC) × 2 |
◆ ソーサリー&インスタント | ||
Natural Order(VI) × 2 | Overrun(TE) × 2 | Bounty of the Hunt(AC) × 3 |
Emerald Charm(VI) × 3 | Tranquil Domain(MI) × 2 | Vitalize(WE) × 2 |
◆ エンチャント&アーティファクト | ||
Concordant Crossroads(CH) × 2 | Wild Growth(6E) × 4 | Ashnod's Altar(6E) × 4 |
Howling Mine(6E) × 2 | ||
◆ 土地 | ||
Gaea's Cradle(US) × 1 | Forest × 12 | |
◇ サイドボード | ||
Sand Golem(MI) × 3 | Scragnoth(TE) × 3 | Uktabi Orangutan(6E) × 3 |
Primal Order(5E) × 3 | Titania'sSong(5E) × 2 | Aeolipile(FE) × 3 |
一言で言うと「手札にあるカードを使う」という事です(笑)。基本的なマナ・ブーストや手札のブーストはかかっていますが、手札を操作する例えば Tutor 系のカードが無いので「引いたカードを使う」しかないのです。 (^^; ただ何しろ約2年もかけて絶妙なカードバランスに調整してあるので、きちんとシャッフルをすれば少なくとも事故を起こす事はあまりないはずです。理想起動の一例としては「1ターン目に Forest を出し、Elvish Spirit Guide を捨てて Wild Growth を付け、そのマナでエルフを呼ぶか Howling Mine を置く。」という形になります。こうなると2ターン目に Liege of the Hollows が出て、更に3ターン目に Kaysa が出ます。実際これは何度も実戦で決まっています。勝ち筋としては「エルフで殴る」か「リスで殴る」かの2択です。リスを生む条件が揃わない場合は大抵場に数体のエルフがいるはずなので、多分4〜5ターン目には Priest of Titania 1人をタップするだけで Overrun が撃てます(笑)。普通なら3〜4ターン目に Liege of the Hollows +彼女を墓場に送る手段 (^^; が揃うと思います。場合よっては彼女をブロックしたクリーチャーに Bounty of the Hunt を撃つケースすらあります。 (^^;;; 元々このデッキは「女性イラストの描かれたクリーチャーを自ら墓地に送る」事をコンセプトとしていて、一部の人からは「 あいせん らしくない」という意見もあったのですが、このデッキばかりはそれが目的なのでやむを得ないのです(泣)。
それとこのデッキの最大の目玉は Natural Order です。このカードを使うと Liege of the Hollows を墓場に送り込んで Kaysa を場に出すという超荒技が可能です。 (^^; また Ashnod's Altar が場に出ていれば Liege of the Hollows をサクってLiege of the Hollows を出し・・・という意味不明な数のリス大量生産もできます。それと「 Ashnod's Altar があればリスもマナになる」事は覚えておきましょう。これは単純なリスの生成だけでなく、例えば Overrun のコストのうち不特定マナ分を出す時等にも使えるのです。
今なら何と言っても Deranged Hermit(UC) でしょう。というか、多分上のデッキ・レシピを見た方の中には「なんでこれが入ってないの?」という疑問を持たれた方もいらっしゃるでしょう。いや、実際私も入れようと思って7枚程(笑)集めたんですがね ・・・ 結局最後は Kaysa への愛が捨て切れなかったのですよ(爆)。あ、でも皆さんはこんな大人になっちゃいけませんよ(ぉ。デッキが緑単色なので、エンチャントやアーティファクト対策に関しては特に問題ないでしょう。現状ではアーティファクト対策がやや弱いので、メタ・ゲームの結果次第では例えば Uktabi Orangutan を4枚にしてメインに入れちゃってもいいです。一番苦戦しそうなのは高速でロックをかけるデッキとか、パーミッション系のデッキかな。ですが少しいじれば更にスピードを上げる事も大型クリーチャーを組み込む事も可能なので、かなり臨機応変に戦えるはずです。
実は今まで色々なデッキと対戦しているのですが、このデッキに対する明確なアンチ・デッキという物に私はお目にかかった事がありません。強いて言うとリセット系を多用するデッキなのですが、それにしても場にパーツさえ揃えてしまえば“ りす姉さん だけ場に残して残りはマナに変える”事で対処できます。このデッキには柔軟性がある代わりにリカバリ性が薄いので、使う方は「初手の手札で決着を付けるぜ!」位の精神力で回しましょう(苦笑)。あと実はこのデッキの最重要エンジンは「 Concordant Crossroads 」です。一見すると Ashnod's Altar のようにも見える(実際以前のバージョンの物はそうだった)のですが、エルフが12体になった事で Concordant Crossroads の方が重要性を増しています。何しろ「そのターンに場に出たエルフ1体が出したマナだけで Overrun を撃つ」等という恐ろしいコンボが実際決まるのですよ(笑)。ですからプレーする側はできるだけ割られないように(あるいは割られる前に決着を付けるように)戦いましょう。実はデッキに Howling Mine が入っているのは、それに向けて Disenchant を撃ってもらう事で Concordant Crossroads を守るためのダミーだったりするのです。それとこのデッキを改造する際に Ashnod's Altar を4枚から減らす事はお勧めしません。私の経験上このカードを3枚以下にして良い事は1つもありませんでしたので。