2001年の M:tG 大予想!

 去年に引き続き“来年の M:tG ”を占ってみます。

● 今年(2000年)の M:tG 大予想・答え合わせ

 去年の12月に公開した“2000年の M:tG 大予想!”で、私が今年の M:tG に関して書いた予想は以下の通りでした。

・ 日本の M:tG にはもうブームは起こらない。

・  M:tG のネットゲーム化が加速する。

・ デュエリストの減少と M:tG 販売店の閉店が相次ぐ。

・  M:tG の家庭用ゲーム化と少人数グループによる遊ばれ方が広まる。

 この予想は“当たって欲しくない最悪の予想”として書いたのですが、これらに関して私個人は「何とかギリギリのところで踏ん張ってくれた。」という印象を持っています。少し前から「 M:tG は21世紀を迎えられないのではないか?」等という話もまことしやかに囁かれていたのですが (^^; どうやら Invasion の登場とアリーナリーグの開催により、我々デュエリストは笑顔で21世紀を迎えられそうです。

 ただ、やはりウルザサイクルが与えた M:tG に対するダメージは相当な物がありますし、またネットゲーム化については「ソフト等の開発が遅れただけ。」という話もあります。そういう意味では“予想した事態が遅れてやってくる”という可能性は否定できない訳です。まあネットゲーム化が M:tG にどういう影響を与えるかは、これ以降に改めて私なりの予想を書いてみます。

● では来年(2001年)を占ってみましょう

 さて、それで来年の予想なのですが、実はこれに関してはかなり流動的な要素が多く、私自身どう話を進めて良い物か迷っている部分があります。

・  Standard 以外のフォーマットは日の目を見るのか?

 9月1日発行のフロアルールにより、 M:tG では Standard のみによるレーティング・カテゴリーが廃止されました。これは Standard に偏重し切っていた日本人デュエリストに取ってはかなりの死活問題のはずで、特にトーナメント・プレイヤーの皆様は今まで以上の苦戦を強いられるであろうと私は思っています。しかもそういう状況になってなお、代理店には自らが主体となって Extended やブロック構築戦を盛り上げようという動きは見られない気が私はしています。(GPやPTが Standard 以外で開催されると、大慌てでGAMEぎゃざで煽って・・・という感じかな。)まあこの理由は単純明快で「相変わらず代理店はカード拡販が一番見込める Standard しかさせる気がないから。」なのですが、流石に売り手が時代の流れに乗れていないというのは困った物です(笑)。

 そして、やはり日本人デュエリストの中からも Standard 以外のフォーマットを盛り上げようという動きが見られない訳です。特に競技プレイヤーの中からそういった動きが現れてしかるべきだと私は思うのですが、今そういう活動を大々的に始めているグループってありますか?。(もしあって我々と協力して頂けるのでしたら、是非そうしていきたいのですが。)GP京都では福井組が持参したデュアルランド等の絶版カードが大人気だったと私は伺っているのですが、本来この手のカードってGP京都までには一通り普及していたって良さそうな物です。

 以上の理由から、私個人は「日本人は来年も相変わらず Standard ばかり遊んでいるんだろうな。」と予想します。そしてそれはイコール「日本人は世界的な競技 M:tG の流れにどんどん置いて行かれるだろう。」という事です。これは半年や1年で挽回できる話ではありません。何しろ日本はこの分野においては世界の中でも後進国で、なおかつ今後更にそのレベル差は大きくなると予想される訳ですから。

・ 日本の M:tG 市場の規模は拡大?縮小?

 私個人は来年の M:tG の市場規模は“現状維持”と予想します。

 確かに最近 M:tG には Invasion &アリーナリーグといった明るい話題が多いです。また代理店もかなり販促に頑張っているようで、その知名度も確実に上がってくるでしょう。ただ正直言ってしまうと私個人には「ちょっと遅かった。」という感があります。それまでの代理店の対応のまずさ等から M:tG に失望し、既に多くの販売店が M:tG の販売から撤退してしまっています。また既存のデュエリストが安い並行輸入のカードに流れる割合は更に増えると予想され、今後代理店が余程の英断をしない限り国内市場が縮小方向に進む流れは止められないのです。

 それに加え、いよいよ来年には M:tG はネットゲーム化の時代を迎えます。これにより“カードを買わないデュエリスト”の人口が増えると、見かけ上TCGとしての市場規模の伸びはいよいよ期待できないのです。つまり私に言わせると“現状維持”という予想はかなり楽観的というか、そうなって欲しいという期待を込めた物だったりするのです。

・ ネットゲームとしての M:tG はどこまで普及するのか?

 これに関しては、今後構築される環境次第とも言えます。現在までに入っている情報では“ Dreamcast 版の M:tG は基本セットのみサポート”という感じですので、そうなるとやはり普及のスピードは今一つかな?、という気がします。ただ現在 Hasbro 社が計画しているネットゲームのポータルサイトがあり、ここがどういう形で M:tG をサポートするのか?、という話もあります。

 私個人は M:tG のネットゲーム化は「新規プレイヤーの獲得には結び付きにくく、既存のデュエリストを食うだけで終わってしまうのではないか?」と考えています。 M:tG というTCGはオンラインマニュアルを読んで始められる程簡単な物ではないため、オンラインになって負担が軽くなったからと言ってニューカマーの増加は期待できないと思うからです。ただこれが“1度 M:tG の世界に入って今は引退した人達の復帰”に貢献してくれれば、結果として M:tG 人口の増加に貢献してくれる事も期待できます。

 そう考えると、現在発売されている M:tG の主力商品が Invasion (サイクル)である事は、間違いなく M:tG に取ってはプラスに働くと思います。WoCがここまで考えて Invasion を発売したとすれば大した物ですね(笑)。形はどうであれ人口が増えて賑やかになれば、その雰囲気につられて M:tG を始めるニューカマーは間違いなく増えます。あとはその人達をいかに M:tG に定着させ、そしてカード購入を動機付けてTCG市場にお金を落としてもらうか?。これが日本の M:tG の今後を決めるキーポイントになる気がします。

● 先例に学べ!

 さて、前々から私は「 M:tG は格闘ゲームが衰退した歴史をそのままトレースしている。」と何度か書いてきました。最近WoCがその状況を打破すべくいろいろと頑張っているようですが、でも少なくとも日本における M:tG はその状況を脱していないというのが私個人の印象です。

 格闘ゲーム業界はプレイヤー同士の競争を煽る事で成長し、そこから脱却できずに衰退しました。これに対してWoCは“ M:tG を楽しむ”事に主眼を置いた商品の提案や様々なサポートを始めています。(これは日本の格ゲー業界には無かった&できなかった施策です。)しかし日本人プレイヤーの多くが昔からの競争理念から脱却できておらず、しかも代理店までがその発想から抜けられない(競技 M:tG 以外の M:tG の遊び方を提案できていない)訳です。いや“抜けたくないと藻掻いている”と言った方が正確かな。多分そういう方々は、今までの“お寒い M:tG ”のおかげで、さぞかししこたま儲けたんだろうね。 :-P

 はっきり言うと、日本の M:tG はもうちょっとで破綻するところを Invasion に救われたのです。しかしその効果は決して長くは続きません。今再び“ M:tG が面白い!”と注目を浴びている今こそ、 M:tG をあともう一歩で破綻という危機的状況に追い込んだ元凶を正すべきなのです。まあ実際には言う程簡単な事じゃないのは十分承知してますけどね。これが例えば1個人やグループの力で可能であったならば、少なくとも格闘ゲームはああはならなかったでしょうから。

 私個人は“自分とは意見が合わない人間を排除する”という、どこかのグループみたいな言動を取る気はありません(笑)。要するに M:tG にも色々な選択肢があっていいし、それらはすべて共存すべきなのです。競技に打ち込むグループ、ファンデッキでわいわい楽しむグループ、ヴィンテージで綾しく盛り上がるグループ、そしてコレクションに萌えるグループ(笑)。とにかく色々あっていいのです。そして後から M:tG を始める人達は、その中から自分に最適な M:tG の楽しみ方を見つけていけばいい、たったそれだけの事がなぜ日本人はできないのですかね?。

● 来年の私自身

 最後に、去年に引き続き「来年の私は何をするか?」的な話を書いておきます。

 正直言うと、今年私は自分の時間のかなりの割合を Echizen Gather-ruに割けるだけの余裕がありました。しかし流石に来年はそうも行かないと思われ (^^; 今までに比べるとそれなりに活動の方は縮小傾向になるかな?、という気がしています。

 ただ、約1年半以上の長期に渡って Echizen Gather-ruで蒔いた“種”が、最近確実に発芽して成長してきているという印象があります。私はそれを「俺の手柄だ!」なんて言う気はありません。というか、動機はどうあれある個人やグループが自分の地域等で M:tG の普及やレベルアップに頑張っている、それはどう考えてもその人達自身の手柄なのです。また私の記事に腹を立てて「こんな奴に好きに言わせておけるか!」と立ち上がった方々もいらっしゃるでしょう(笑)。まあそれはある意味“私の思う壺”だったりするのですがね(嫌爆)。

 私は常々“やるなら徹底的にやろう”と考え、実践してきたつもりです。もし私が M:tG で競技プレイヤーになっていたとしたら、間違いなく世界一を目指して“ M:tG で飯を食っていくんだ!”とやったと思います。ただ私にはそういう素養は無さそうだったので (^^; 私はコレクション& M:tG の普及という方向に活動を切り替えた訳です。おかげで今 Echizen Gather-ruはこういう状況になっていますし、また私自身も特にコレクターとして(!?)それなりの結果を残せた気がします(笑)。

 私が自分に対する批判意見に取り合わないのって「そんな時間がないから。」という部分がかなりあります。有意義な反対意見は後々記事のネタになったりするので検討させて頂くのですが、そうでない誹謗/中傷にいちいち付き合っていたら記事書いてる時間が無くなっちゃうからね。 (^^; で、来年以降もこういう私の姿勢は変わらないです。という事で、そういう人間が吐く意見でも耳を貸してやろう、という方のみ今後も宜しくお願い致します(爆)。 m(__)m


   
なお、このページの内容に関する文責はすべて私 あいせん にあります。