創作猫物語
ぼくが「メス」猫・・・。この結末は、次の回にとっておくとして、本当に眠い。
猫がなぜ「ねこ」というのか。諸説あるが、実際猫になってみると、「寝ている子」から「寝子」→「猫」となったという説を支持したくなってくる。(赤ちゃんのうちは人間だって寝てばっかりいるぞ・・という突っ込みが聞こえてくるようだが。)
親猫の話す言葉はまるで英語を聞くようで、ところどころ単語でわかるものやら、雰囲気でわかるものやらあるが、今一つよくわからない。人間と同じく、成長するにつれてわかるようになるものなのか、それとも人間の言葉を理解する能力が残っている代わりに、猫語は理解できるようにならないのか。それとも、「みかん絵日記」のように、両方話せるバイリンキャット?それとも李陵の「山月記」のように(あれは虎だったか?だんだん人間の意識が薄れていくのを危惧していたんだったよね。)
さて、数日して、みんなでじゃれあっていると、飼い主様夫婦がやってきた。
夫 「そろそろ、名前をつけないと・・・」
妻 「この子は、『きむち』にしよう。」
自分のことだ。「きむち」だって。変な名前!?
夫 「ほかは?」
妻 「『からし』、『しょうが』、『わさび』でいいんでは。辛いものシリーズということで。」
飼い主様は辛いものが好きなのか。それにしても、安易な命名!
夫 「じゃあ、この子は、毛がふわふわしていてなでると『気持ちいい』から、『きむちいい』→『きむち』。そして、こいつは、歩くのが遅くて『からっきし』だめだから『からし』。それから、これは、いたずらばかりしていて『しょうがない』から『しょうが』ということで。」
飼い主様は、理屈を考えるのが上手だなぁと感心したところ、
夫 「まあ、ここまで辛いもので揃ったので、もう一匹は成り行きで『わさび』にしたということにしておこうか。」
成り行きで「わさび」とは、わさびがかわいそうだよーん。
それはそうと、今日こそ、ここがどこなのか突き止めなければ・・・ということで、飼い主様の部屋に入り、新聞らしきものをめがけて・・・・。何、「南日本新聞」、「鹿児島の天気」。もしかしたら、ここは鹿児島???。そして、窓の外に見える、あのけむりは、もしかして「桜島」?。
鹿児島といえば、本州最南端。故郷の金沢まではものすごい距離だ。鹿児島は、人間時代、10年ほど前に一度来たことがあった。指宿温泉に泊まり砂蒸し風呂でリラックスし、長崎鼻や開聞岳の絶景に感動し、知覧の特攻平和会館で涙した・・・そういえば、磯庭園というところに、確か「猫神」というのがあったはず。まずはあそこへ行けば・・と思ったが、まだそんな体力があるはずもない。
他の兄弟とじゃれあい、お母さんの「くろ」のおっぱいをのみ、窓の外であそんでいる地域猫の皆さんをながめながら、今日も一日が過ぎていく。そして、飼い主様のカメラにポーズもとってみたりしながら・・・・。