ケナフの研究
子供たちとの夏休みの自由研究
地球温暖化が問題になっています。二酸化炭素の増加がその原因の一つと考え
られています。そのことで、最近ケナフの栽培が注目を集めています。何故ケ
ナフなのか研究してみたいと思います。
ケナフはアフリカ原産の植物で、アオイ科ハイビスカス属の一年草です。
花は直径10cmほどで、夏から秋にかけて次々と咲きます。葉は、いろい
ろな形をしています。先のとがったハート型や、手のひらを広げたような形も
あります。
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ケナフの大きな特徴は、成長が早いと言うことです。種をまいて6ヶ月ほどで
背丈が3mから4mになります。地球温暖化の原因の一つである二酸化炭素をほ
かの植物より多く吸収します。また、ケナフの根は水をきれいにする役割を持っ
ています。
なぜ、ケナフ(植物)は二酸化炭素を吸収するのでしょうか。植物は根から吸
い上げた水と空気中の二酸化炭素を使い、大陽の光をエネルギーとして、炭素を
取り込み酸素を出します。これを「光合成」といいます。光合成によって得られ
た炭素は、デンプンや糖の形でたくわえられます。このように二酸化炭素は植物
の光合成にはなくてわならないものです。大気中に出された酸素は、すべての生
物の呼吸に必要です。
光合成 ↓↓↓(光エネルギー)
二酸化炭素 + 水 ――――――――→ 栄養分 + 酸素
(葉緑体)
呼 吸
栄養分 + 酸素 ――――――――→ 二酸化炭素 + 水
酸素や二酸化炭素が無くならないのは、それらが生物を通して繰り返し利用され、
循環しているからです。しかし近年、石油の大量使用や森林破壊が進み、二酸化炭
素が増え、循環のバランスが崩れてきました。
二酸化炭素をよく吸収し、紙の原料にもなるケナフは利用の仕方によって、森林減
少のはどめになるかもしてません。
ケナフで紙すき
プランターで栽培したケナフです。 |
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紙すきに必要なものを用意しました。 |
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ケナフの茎から皮をはがします。 |
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はがした皮を、マッチ棒くらいに刻みます。 |
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刻んだ皮を30分くらい煮立てます。 |
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一度水洗いをして、よくしぼります。 |
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しぼったものを粉石鹸(ハイター)と混ぜて、さらに2時間にます。 |
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煮上がったケナフを木槌でたたいて繊維をバラバラにする。 |
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さあ、パルプのできあがりです。 |
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できあがったパルプに水を混ぜ、ミキサーでほぐし、液状に。 |
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液状になったものを、すき枠に流し込みます。 |
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水を切って、乾かします。 |
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今日に限って雨なので、ドライヤーで乾かしました。 |
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無事、できあがりです。 |
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ケナフの他の利用法
皮の利用・・・・繊維を「糸」にする。糸から「織物」・「タオル」や「自動車ドア
トリムの基材」
茎の利用・・・・炭化して「炭」。「脱臭・水質浄化」。「建築工事資材」
葉の利用・・・・「染色」。食品として「粉末ふりかけ」・「うどん」・「お茶」・「てん
ぷら」 ケナフは、植物性カルシウムを牛乳の4倍含み、インド
では若い芽を薬用にも使っています。
種の利用・・・・「食用油」
☆総括;ケナフを有効利用しよう
ケナフは大気中の二酸化炭素を吸収して、炭素として蓄えます。せっかく育てた
ケナを放置しておいたり、燃やしたりすると、また二酸化炭素を放出してしまうの
で、ケナフの栽培を疑問視する人もいます。
また、ケナフはアフリカ原産の生命力の強い植物で、もともと日本にはいません
でした。どこにでも植えると、その場所の「生態系」を壊し、環境破壊にもつなが
ります。どんな場所にも生態系があるので、ケナフを植えるのは十分に管理の出来
る「畑」が一番だと思います。
今立ケナフの会が作る、ケナフ畑 |
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