迦葉  (かしょう ) 関連語句 十大弟子。迦葉童子菩薩。拈華微笑

 ①梵語・カーシャパの音写で、迦葉波・迦摂等とも表記し、光波・飲光等と訳す。迦葉は、摩訶迦葉・優楼頻羅迦葉・伽耶迦葉・那提迦葉の四兄弟で、通常迦葉および迦葉尊者という場合は長兄の摩訶(大)迦葉を指す。尼倶利陀(にくりだ)長者の息子で、釈尊声聞十大弟子の一人にして頭陀行第一と称される。迦葉は姓で、名は畢鉢羅(ピッパラ)という。王舎城付近の人で、はじめ抜陀迦毘羅(バッダー・カピラーニー)と結婚したが、後に共に出家して釈尊の弟子となり、迦葉はその八日目に阿羅漢果を得たとされる。常に煩悩を払い、ひたすら仏道を修行する頭陀行に精進し、その結果釈尊滅後の付法蔵の第一に列せられている。また、みずから上首となって第一回の仏典の結集を行なった。最後は法を阿難に付して鶏足山にて滅したといい、拈華微笑の故事が伝えられる。古来、阿難・舎利弗等と共に二乗の代表とされ、爾前経においては永く成仏が許されなかったが、『法華経』授記品第六で光明如来の記別を受けてその成仏が保証された。 ②『涅槃経』の対告衆である迦葉童子菩薩の略。