善導(ぜんどう)     関連語句 道綽 源空 念仏宗。 
 613~681。中国唐代の浄土教僧で、善道とも書く。姓は朱氏で、臨涌(山東省)または泗州(安徽省)の人とされる。浄土五祖の第三祖、真宗七祖の第五祖で、終南大師・光明大師などとも呼ばれる。最初は明勝法師について出家して『法華経』や『維摩経』等を学んだが、『観無量寿経』に遭遇して西方往生を願うようになった。その後、并州(山西省)に道綽(562~645)を尋ねて深く浄土教の念仏に帰依した。師の没後、終南山に籠もって浄土教を大成し、次いで長安の光明寺等で称名念仏の弘通に努めた。『阿弥陀経』十万巻を書写し、浄土変相図三百余鋪を描き、多くの堂塔の修覆に尽力した。唐の永隆二年に六十九才で病没したと伝えるが、一説には光明寺で柳樹に上り西方に向かって捨身往生したともいわれる。善導は行において正・雑の二行を立て、五種の正行の中で称名の一行を正定業と規定して他の四種を助行とした。日本浄土教の開祖・源空は「偏依善導」を標榜して尊崇し、専修念仏義を確立した。善導の主な著書としては『観経疏』4巻・「往生礼讃」一巻・「般舟讃」一巻・『法事讃』2巻・『観念法門』1巻の五部九巻がある。『断簡二四二』〔40330〕などに言及されている。