遠藤左衛門尉御書
遠藤左衛門尉御書の概要 【文永十一年三月十二日、遠藤左衛門、聖寿五十三歳】 日蓮此の度赦免を被むり、鎌倉へ登るにて候。如我昔所願 今者已滿足、此の年に当るか。 遠藤殿御育み無くんば命永らふべしや。亦赦免にも預かるべしや。日蓮一代の行功は偏に左衛門殿等遊し候処なり。 御経に「天諸童子以て給使を為し、刀杖も加へず毒も害すること能はず」と候得ば有難き御経なるかな。 然ば左衛門殿は梵天・釈天の御使にてましますか。霊山えの契約に此の判を参せ候。一流は未来え持せ給へ。 霊山に於て日蓮日蓮と呼び給へ。其の時御迎へに罷り出ずべく候。猶又鎌倉より申し進すべく候なり。 文永十一〈甲戌〉三月十二日 日蓮花押 遠藤左衛門尉殿 |