一代五時鶏図

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一代五時鶏図の概要

【建治元年、聖寿、真筆完存】 
       寿命三百年 
       羅什訳 
 〈百論千巻〉法雲自在王如来  観自在王如来 
       仏滅後六七八 
大論に云く、十九出家、三十成道 
  三十万巻     竜樹菩薩(りゅうじゅぼさつ) 〈第十一馬鳴菩薩の御弟子、付法蔵の第十三〉 
  大悲方便論 十万巻 ・猛 
  大心論   十万巻 
  大無畏論  十万巻 
 ・・実大乗 
 ・・権大乗      五教を立て一代を摂尽す・・杜順和尚 
華厳経〈二七日三七日〉華厳宗・・・・・・・・・・ 智厳法師 ・・香象大師 
 ・                     ・・法蔵大師・・・賢首法師 
 ・・・結経梵網経・・大乗戒之を出す              ・・華厳和尚 
 ・・小乗 
 ・・十二年   ・・長阿含・・・・倶舎宗〈経・定〉 
阿含経・・・・・・・ 中阿含 ・・ 
 ・       ・増一阿含 ・・ 成実宗〈論〉 
 ・       ・・雑阿含・・・ 
 ・              ・・律宗〈戒〉 
 ・・結経遺教経・・小乗戒之を出す 
            ・・或云、法華已前 
            ・・或云、法華已後・瑜伽論一百巻・・弥勒菩薩説・ ・・有相宗、三時を立て一代を摂尽す 
          ・・深密経五巻・・・・・      ・・無著菩薩筆・・法相宗・・・・・・・・・・玄奘三蔵 
   ・・或説時不定・          ・唯識論三十頌・・世親菩薩造・ ・・六経十一論    ・・慈恩大師(じおんたいし) 
   ・ 或十六年 ・ 
   ・ 或八箇年 ・ 
   ・大乗    ・・瓔珞経・結経 
 ・・方等部・・・・・     ・或は諸法無行経 ・ 
 ・  権大乗   ・     ・或は金剛般若経 ・ 
 ・        ・・楞伽経・・或は大円覚経  ・・禅宗・・達磨大師 
 ・        ・     ・或は首楞厳経  ・ 
 ・        ・     ・或は云く一切経 ・ 
 ・        ・     ・或は云く教外別伝(きょうげべつでん)・ 
 ・        ・ 菩提心論〈一巻七枚〉・・・或云竜樹造 
 ・        ・            ・・或云不空造 
 ・        ・・・大日経〈七巻〉・・ ・・顕密二道を分つ  ・善無畏三蔵(善無畏三蔵) 
 ・        ・・ 金剛頂経〈三巻〉・・真言宗・・・・・・・・・金剛智三蔵 
 ・        ・・ 蘇悉地経〈三巻〉・ ・・五蔵を立て、   ・不空三蔵 
 ・        ・・              或は十住心を立つ・一行阿闍梨 
 ・        ・・・或は云く方等部・或は云く華厳部・或は云く般若部・或は云く法華部・或は云く涅槃部・或は一代諸経の外 
 ・        ・         ・・難行易行 ・・曇鸞(どんらん)法師 
 ・        ・・・双観経・・・ ・ 聖道浄土 ・ 道綽(どうしゃく)禅師 
 ・        ・・ 観経   ・・浄土宗・・・・・ 善導和尚 
 ・         ・・阿弥陀経・・ ・ 雑行正行 ・ 恵感禅師 
 ・                  ・・諸行念仏 ・ 小康法師 
 ・                         ・・法照 
 ・ 三十年 
 ・ ・或云二十二年・大品般若・・・・           ・或は云く四論宗 
 ・ ・或云十四年 ・光讃般若   ・・百論  竜樹菩薩(りゅうじゅぼさつ)造・・或は法性宗、或は無相宗 
 ・・般若経・・・・・金剛般若   ・・中論   同   ・・  ・浄影 
          ・天王問般若  ・・十二門論 同   ・三論宗・興皇 
          ・摩訶般若   ・・大論   同   ・・  ・嘉祥寺の吉蔵大師 
          ・仁王般若・結経・           ・  ・道朗 
                              ・三時を立て一代を摂尽す、或は二蔵を立て、或は三転法輪を立つ 
                  ・・華厳三七日・阿含十二年・方等般若三十年・已上四十二年 
                  ・・法界性論に四十二年 
無量義経に云く「方便力を以ての故に、四十余年には未だ真実を顕さず」。
又云く「無量無辺不可思議阿僧祇劫を過るも、終に無上菩提を成ずるを得ず。所以は何ん。菩提の大直道を知らず険逕を行くに留難多きが故に」。
又云く「大直道を行けば留難無きが故に」。
   ・・諸宗依憑宗   世尊法久後 要当説真実 
   ・ 仏立宗       廃也・・或は前三教と云ひ、或は前四教・前四味と云ふなり。
法華経・ 天台宗       ・ ・ 或は先の三教の円教に摂尽するを云ふ。
 ・ ・ 法華宗     正直捨方便 但説無上道 
 ・ ・ 秘密宗       ・・四時・七教・五時・八教 
 ・ ・・顕露彰灼宗     ・      ・・・唯一仏乗 
 ・・普賢経・結経    雖示種種道 其実為仏乗 
    ・・叡山戒壇   将非魔作仏 悩乱我心耶 
             久黙此要 不務速説 
                  ・華厳経・大日経・深密経・楞伽経・大品経・般若経等 
                  ・    ・無量義経 
                  ・    ・   ・涅槃経等 
「我が所説の経典は、無量千万億にして已に説き、今説き、当に説かん。而も其の中に於て此の法華経最も為難信難解(なんしんなんげ)なり」。
記の六に云く「縦ひ経有て諸経の王と云ふとも、已今当説最為第一と云はず、兼但対帯其の義知ぬべし」。
玄の三に云く「舌口中に爛る」。
籤の三に云く「已今当の妙此に於て固く迷へば舌爛れて止まざるは猶華報と為す、謗法の罪苦長劫に流る」。
又云く「諫暁止まず」。
                     ・法四依第六巻 
 ・・像法決疑経・結経       ・・依法不依人・・人四依 
 ・                ・ 依義不依語 
 ・   一日一夜         ・  ・仏智・菩薩等識 
涅槃経・・・・・・・・・・・・・・・・ 依智不依識 
 ・八十御入滅・・七十九・八十・八十一・ ・法華経  ・爾前の経経 
        ・八十二・百五・百二十・・依了義経 不依不了義経 
                      ・・魔■修羅天 
      ・主上・        ・二天・・・毘紐天 
      ・天尊・     ・天竺・大梵天 
      ・世尊・     ・  ・第六天 
   ・・主・法王・八虐に違す・  ・帝釈天 
   ・  ・国王・     ・  ・師子頬王 
   ・  ・人王・     ・  ・浄飯王 
   ・  ・天王・     ・  ・三皇 
   ・           ・震旦・五帝 
   ・           ・  ・三王等 
   ・           ・日本国・神武天皇 
釈尊・・                  ・迦毘羅 
   ・               ・三仙・■楼僧伽 
   ・           ・外道師・  ・勒沙婆 
   ・ 師・師匠・七逆に違す・   ・六師 
   ・           ・       ・尹喜 
   ・           ・   ・四聖・・務成 
   ・           ・外典師・   ・老■ 
   ・               ・周公旦・呂望 
   ・               ・孔子 
   ・               ・顔回 
   ・  涅槃疏云〈章安釈〉一体三仏主師親と作る 
   ・・親・・・・五逆に違す・・八親 
               ・・六親 
・世尊 三界特尊 ・二十五有     ・・理性の子 結縁の子 
今此三界 皆是我有  其中衆生(ごちゅうしゅじょう) 悉是吾子(しつぜごし) 
           文句の五に云く、一切衆生等しく仏性有り。仏性同じきが故に等しく是れ子なり。
而今此処 多諸患難  唯我一人 能為救護 
           ・・玄の六に云く、本此の仏に従て初めて道心を発し、亦此の仏に従て不退の地に住す。
文句の六に云く「旧は西方の無量寿仏を以て長者に合す、今は之を用ひず。西方は仏別に縁異り。仏別なる故に隠顕の義成ぜず、縁異る故に子父の義成ぜず。
又此の経の首末全く此の旨無し、眼を閉し穿鑿せよ。舎那の著脱近く尚知らず、弥陀は遠きに在り、何ぞ嘗て変換せん」云云。
記の六に云く「西方等とは弥陀・釈迦の二仏既に殊なり。豈弥陀をして珍玩の服を隠さしめ、乃ち釈迦をして弊垢の衣を著せ使めん。釈迦珍服の隠すべき無く、弥陀唯勝妙の形なるに当る。
況や宿昔の縁別に化導同じからざるをや。結縁は生の如く、成就は養の如し。生養の縁異れば父子成ぜず。珍弊途を分ち、著脱殊に隔る。消経事欠けて調熟の義乖く。当部の文、永く斯の旨無し。
舎那著脱等とは、舎那の動ぜずして而も往くに迷ふ。弥陀の著弊は諸教に文無し。若し平等意趣を論ぜば彼此奚ぞ嘗て自ら矜らん。縦ひ他を我が身とするも還て我が化を成す。我他の縁を立つれば乃ち他の縁を助く。人之を見ざれば化縁便ち乱る。
故に知ぬ、夫の結縁とは並に応身に約することを。我昔曽二万億等と云ふが如し。況や十六王子始従り今に至て、機感相成し任運に分解す。是の故に彼の弥陀を以て此の変換と為すべからず」。
                               ・主 
             ・第一阿■仏・・・・種熟脱 東方有縁・師 
             ・                 ・親 
             ・                 ・主 
十六王子・大通の太子・沙弥・第九阿弥陀仏・・・種熟脱 西方有縁・師 
             ・                 ・親 
             ・                 ・主 
             ・第十六釈迦牟尼仏・種熟脱 娑婆世界・師 
                               ・親 
記の九に云く「初め此の仏菩薩に従て結縁し、還た此の仏菩薩に於て成熟す」。
玄の六に云く「仏尚自ら分段に入て仏事を施作す。有縁の者何ぞ来らざるを得ん。譬へば百川の海に潮すべきが如し。縁に牽れて応生すること亦復是くの如し」。
又云く「本此の仏に従て初めて道心を発し、亦此の仏に従て不退地に住す」。
          ・倶舎宗・ 
劣応身釈迦如来・・・・成実宗・本尊 
          ・律宗 ・ 
廬舎那報身・・・・・・・華厳宗の本尊 
 ・・勝応身に当る 
釈迦如来・・・・・・・・法相宗の本尊 
 ・・勝応身に当る 
釈迦如来・・・・・・・・三論宗の本尊 
 ・・法身 胎蔵界 
大日如来・・・・・・・・真言宗の本尊 
 ・・報身 金剛界 
 ・・天台は応身  〈劣応 勝劣〉 
阿弥陀仏・・・・・・・・浄土宗の本尊 
 ・・善導等は報身 
五百問論に云く「若し父の寿の遠きを知らずば、復父統の邦に迷ふ。徒に才能と謂ふとも、全く人の子に非ず。三皇已前は父を知らず、人皆禽獣に同じ」。
    ・・華厳のルサナ・真言の大日等は皆此の仏の眷属たり 
 ・・久遠実成(くおんじつじょう)実修実証の仏 
天台宗の御本尊 
 ・・釈迦如来 
      ・・応身・・有始有終 
始成の三身・・ 報身・・有始無終・・・・・真言の大日等 
      ・・法身・・無始無終・・・ 
      ・・応身・・ 
久成の三身・・ 報身 ・無始無終 
      ・・法身・・ 
華厳宗・真言宗の無始無終の三身を立つるは、天台の名目を盗み取て自の依経に入れしなり。

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