常楽我浄御書
常楽我浄御書の概要 【建治期、紙、京都妙顕寺蔵】 出でさせ給て諸大乗経をかんがへ出し、十方の浄土を立て、一切諸法は常楽我浄と云云。 建治頃 其の時、五天竺の十六の大国・五百の中国・十千の小国・無量の粟散国の諸小乗経の無量無辺の寺寺の衆僧、一同に蜂のごとく蜂起し、蟻のごとく聚集し、雷のごとくなりわたり、一時に聚集して頭をあわせてなげいて云く、 仏在世にこそ五天の外道、我等が本師教主釈尊とわあらそいしが、仏は一人なり、外道は多勢なりしかども、外道はありのごとし。仏は龍のごとく、師子王のごとくましませしかばこそ、せめかたせ給ひぬ。 此れはそれにはにるべくもなし。馬鳴は一人なれども、我等は多人なれども代すへになれば悪はつよく善はゆわし。仏の在世の外道と仏法とは水火なりしかば、 |