松野殿御返事
松野殿御返事の概要 【弘安元年五月一日、妙法尼、聖寿五十七歳】 日月は地におち須弥山はくづるとも、彼の女人仏に成らせ給はん事疑ひなし。あらたのもしや、たのもしや。 干飯一斗・古酒一筒・ちまき(角粽)・あうざし(青■)・たかんな(筍)方方の物送り給て候。 草にさける花・木の皮を香として仏に奉る人、霊鷲山に参らざるはなし。 況や民のほね(骨)をくだける白米、人の血をしぼれるが如くなるふるざけ(古酒)を、仏・法華経にまいらせ給へる女人の成仏得道疑ふべしや。 五月一日 日蓮花押 妙法尼御返事 |