大尼御前御返事

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大尼御前御返事の概要

【弘安三年九月二十日、大尼、聖寿、真筆断存】 
 ごくそつえんま(獄卒閻魔)王の長は十丁ばかり、面はす(朱)をさし、眼は日月のごとく、歯はまんぐわのねのやうに、くぶしは大石のごとく、 大地は舟を海にうかべたるやうにうごき、声はらい(雷)のごとく、はたはたとなりわたらむには、よも南無妙法蓮華経とはをほせ候はじ。
 日蓮が弟子にはをはせず。よくよく内をしたためてをほせをかほり候はん。 なづき(煩悩)をわり、み(身)をせめていのりてみ候はん。たださきのいのりとをぼしめせ。これより後はのちの事をよくよく御かため候へ。恐恐。
九月二十日  日蓮花押 
大尼御前御返事 

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