来臨曇華御書
来臨曇華御書の概要 【弘安五年正月十四日、内記左近入道、聖寿六十一歳、真筆完】 追伸。御器の事は越後公御房申し候べし。御心ざしのふかき由、内房へ申させ給ひ候へ。 春の始めの御悦、自他申篭め候ひ了ぬ。抑も去年の来臨は曇華の如し。将又夢か幻か。疑ひいまだ晴れず候処に、 今年の始め深山の栖、雪中の室え、多国を経ての御使、山路をふみわけられて候にこそ、去年の事はまことなりけるやまことなりけるやとおどろき覚へ候へ。 他行の子細、越後公御房の御ふみに申候か。恐恐謹言。 正月十四日 日蓮花押 内記左近入道殿 御返事 |