第十二回日蓮正宗法華講全国大会
現況報告 正信会副議長 佐々木秀明師
北海道の友の息吹満つ
本日は、第十二回法華講全国大会、誠におめでとうございます。北海道の大会実行委員の方、誠にご苦労様でございます。ご存知のように、全国大会は、はじめは東京、大阪でやっておりましたけれども、地方の方に、眼の当りに大会の雰囲気を見てもらい、いっそうの精進をしていただこうというところで、昨年の十一回大会は九州で行ない、本年は西から東へ一足飛びして、北海道で行われたわけでございます。九州、沖縄の方、遠方より参集された方、誠にご苦労様でございました。北海道の五月は、青葉の季節で、いいですね。そこでこの大会が終わりまして、観光していこうという方もおられると思います。それはそれで結構ですけれども、どうぞこの大会の意義を忘れることなく、お帰りになりましたら、同志の方に、北海道の友も一生懸命やっておるぞ、という息吹をお伝え願いたいと思います。
全国大会も十二回を数えました。第一回から第四回までは総本山で開催しましたが、そのあとの大会は、東京をはじめとする各地で、大きな会場を借りて行っております。当然、準備から開催まで大きな費用がかかります。正信会としましては、この運動のために今まで貯えておった基金の中から、大会費用を捻出してきました。武道館は特別でございましたけれども、一千二百ー三百万ほどかかったんです。他の全国大会でも、だいたい二百ー三百万はかかるんですね。この大会の開催に、以前のような形でお金を使うと、いずれ基金が底をついてしまうということで、このたびの大会から、参加者の方々にも均等に、費用の一部を負担していただこうということになりました。今回は、この趣旨に沿って、皆様方よりご協力をいただき、誠にありがとうございました。第十三回からも、このようなシステムで全国大会を開催していきたいと思っております。よろしくご協力、ご了承お願い申し上げます。
信仰利用の悪徳も追及
覚醒運動の原点は、申すまでもなく、創価学会の謗法を責め、正信に目覚めさせるということでございます。けれども学会員の中には、謗法厳誡という教え、意識以前に、「仏法を弘めるためならば、 少しぐらい世間法を犯してもかまわない」という意識があるんです。しかしそれは大聖人の仏法ではありません。大聖人の仏法は、「深く世法を識れば即ち是れ仏法なり」、つまり世法というものをしっかり身に体すれば仏法がわかるのである、と仰せられておりますから、学会の考えは間違いですけれども、この間違った考えのもとにいろいろと組織的に社会悪をひき起こしておるんです。
すなわち、公明党の票をとることが功徳につながるという指導や、架空転入、替え玉投票、あるいは盗聴というようなことが学会員の手で行われておりました。これは信仰の問題とは違いますけれども、大聖人の仏法を利用する創価学会の、悪しき体質を追及するという上においては、大変大事なことなんです。我々正信会の僧俗が、こういう体質を世間に訴えても、大きな効果はありません。そこへいきますと、全国の週刊誌、月刊誌等、マスコミに正義の筆をふるってもらうと非常に効果がある。創価学会問題は、上っらでやっている分には大したことはないけれども、ひとたび深く追及していくと、非常にうっとうしい、ややこしい思いをさせられるんです。とくに今、内藤国夫さんがこの問題と取り組まれ、そういう思いをされているのではないかと察します。内藤さんの奥さんも、内助の功で偉いと思います。内藤さんには今まで以上に、創価学会の悪しき体質を世間に訴えていただきたいと思います。そうすることによって、なるほど学会は仏法を利用してあんな悪いことをしておるのか、そのために正しい仏法を弘めようとしている正信会が頑張っておるんだなあ、ということも判るわけですから、内藤さん、元気によろしくお願いする次第でございます。
この運動も、十年になりました。はじめは、学会も信仰をしておる人たちの集まりですから、そうあくどくはないだろうという思いで、大聖人第七百遠忌までには問題に決着をつけて、清流を取り戻して遠忌を迎えよう、という気持で、我々は頑張ってきました。しかし事は、そんな生易しいものではありませんでした。
法燈を相続する後継者育成
正義の力さらに大きく
この運動の正統性を、宗門の僧侶、また創価学会の中でもよく理解している人がおるんです。正信会以外の日蓮正宗の僧侶の中でも、多くの人が内心、正信会の方の正しさを、実は認めているんです。そういうこともあって、たまに我々と接蝕することがあります。昔、同じ釜の飯を食った仲ですから。そしていろいろと話をする。すると間が悪いことに、たいがい、阿部日顕さんの耳に入ってしまうんです。阿部さんのスパイが周囲におりますから。するとその人は、どうなると思いますか。「大謗法の者と話をした。始末書を書け」とこうなるんです。正信会の僧侶が“大謗法の者”ですって? 考えてみるとおかしいですね。「法華経の敵を見ながら置いてせめずんば師檀ともに無間地獄は疑いなかるべし」と大聖人はおっしやておるんですよ。我々は謗法をしておりませんけれども、もし大謗法者であったとしても、そういう人と話をした時には、破折するのが正宗僧侶としての役目でしょう。 私は渡辺議長とよく各地の大会へ行くんですが、空港や新幹線の駅でもなかなか宗門側の坊さんに会いません。ずいぶん動いているのに会わないなあ、と思っていたら、そうじゃないんです。私たちを見ると、サッと逃げるらしいんです。いつでしたか、どうも見たことのある坊さんだなあとヒヨッと見ると、パッと顔をかくす。そうやって逃げておいて、理屈に合わないことをいっているんですね。また本日、この会場の周りには、創価学会の人たちがぐるぐる回ってこちらの様子をうかがっています。かわいそうなことじゃありませんか。そういう人たちが悪いのではなく、彼らに正しいと思わせておる巨大な組織ーこれを何としても再折伏しなければいけないということを、皆様方、本日を契機になおいっそう確認していただきたいと思います。
布教の歴史から学ぼう
さて、正信会では、お寺のない所に信者さんが増えた場合、間借りしたり一軒家を借りたりして布教所を作り、そこで信者さんを教化育成して法燈を伝えていこうということをしています。お寺におってもなかなか折伏はできないんです。それが小さな民家あたりだと、いろいろ拘束されて、よけいに折伏がむずかしい。寺院に所属する方々には、そういう布教所で頑張っている僧侶、信者さんの心意気をかっていただきたいと思います。
創価学会ができる以前の、日蓮正宗のもともとのあり方は、まずお寺のない所に篤信の信者さんができる、するとその家の一間を借りたり、近くの民家を借り切って法を弘め、だんだん信者さんも増えて、力を合わせてお寺を建立していくというのが、今までの日蓮正宗の歴史なんです。ところが創価学会が出てきて、信者さんが一挙に増え、それにともなってお寺もたくさん建てました。すると、二十七歳かそこらの若い者でも住職としてお寺へ赴任したんです。恥ずかしい話ですが、我々もそこで「御尊師」とか「先生」なんていわれて、いい気になっておったんです。
しかし現在、もとの日蓮正宗の姿に戻りつつあるのが布教所なんです。大変でしょうけれども、皆様方、どうぞ一致団結して頑張っていただきたいと思います。ただここで断っておかなければならないことは、小さな布教所を早く立派なお寺にしようと焦る余り、ムリをしますと、それでなくても人数が少ないんですから、それぞれに大きな負担がかかります。これは、布教の上からは好ましくないことです。
仏法守護の気概を胸に
なにはともあれ、折伏ということが一番です。正義は小さくても正義です。しかし力にはなりません。正義の力が大きくなれば、必ずや世の中を動かすことができるんです。その意味で、折伏を第一に考えなきゃいけないと思います。理屈より何より、折伏行ということが精進になるんです。
また、皆様方ばかりではなく、僧侶も法燈相続を心がけています。大聖人の仏法を守るのは我々しかいないという心構えで、正信会僧侶の後継者を育てております。ここにおられる渡辺議長の息子さんも今までの日蓮正宗の姿を見るにつけ、僧侶になるつもりはなかったそうです。しかし正信会の姿、奮闘する父親の姿にふれて、これはあとを継いでやらなければと決意し、二十一歳で出家したんです。我々の方も、未来の龍象をどしどし育て、立派な僧侶にしてみせます。皆様方も、大いに法燈相続をして、なお一層の功徳をいただいてください。本日は誠におめでとうございました。