第十八回日蓮正宗法華講全国大会

 
現況報告    正信会副議長 近藤済道師

   予断許さぬ宗門裁判の動向

    正信会宗門混乱の責任を追及

本日は雨もあがりまして、この青森の地にて第十八回日蓮正宗法華講全国大会が盛大に開催されまして、誠におめでとうございます。この一年をふり返り、宗門と創価学会の紛争状況ならびに正信会僧俗の現状をお話いたします。

宗門と創価学会の紛争は、破門通告以来、実に次元の低い争いを続けていることは、皆さますでにご承知の通りであります。創価学会は、阿部師のシアトル問題・芸者と同席の写真偽造問題等、一連のスキャンダルを暴露し、またいやがらせとしか言いようがない納骨・墓地業務等の刑事告発、さらに宗門史における裏面史などを暴露し、およそ宗教団体のやることとは思えない攻撃を続けております。

秋谷発言の矛盾

最近、破門された直後に、「日蓮世界宗創価学会」「日蓮世界宗」の商標登録をしたことが発覚しましたが、このことについても、第六十五回本部幹部会席上、秋谷氏は次のように述べています。

「これは平成三年十一月に宗門が学会を破門にしたので、その対応上、同年十二月末に特許庁に商標登録をしておいたものです。邪悪日顕、陰険な日顕宗と戦うために、あらゆる対策を講ずるのは当然であります。それを学会独立の旗揚げだとか、騒ぎ立てるのは滑稽千万、噴飯ものであります。

ご承知の通り、学会は昭和二十七年以来、ずっと独立した宗教法人ではありませんか。また、学会を破門して無関係宣言をしておきながら、今になって宗門から何だかんだと言われる筋合いは全くありません。学会が、どういう名称を用いようとそれは全くの自由であると宣言しておきたい。宗門は無関係であるはずの団体に、まだ未練がましく余計な口を出すより、自分達の狂った目に気付くべきであります」

なるほど、日蓮正宗ともはや無関係ならば、それは何をしょうと勝手であるということは一応筋が通っています。が、しからば言いたい。無関係の宗門と言うならば、何もこんないあやがらせをやる必要もないではりませんか。また、離脱僧の誘発を隠蔽(いんぺい)工作し、彼らに月一回以上の会合をさせ、彼らのかつての同僚のことを、根堀り葉堀りくだらないことを聞き出し、暴露記事としてキャンペーンをはることもないでしょう。

 まして、かつて墓地のない人々がそのお骨の保管に困り果てているときに、善意の情けとして一時預かりをしてくれた寺・住職に対し、違法納骨業務と難癖をつけ、公権をもって、刑事告発をすることなどは、普通の人間のやることではありません。 また、「宗門が学会を破門した、その対応上」と言っておりますが、大体、履き物・杖・傘・本などを商標登録して宗門とどう戦い、どう対応するというのでしょうか。その商標を用いた商品で、純真な会員に対し何か一儲けをたくらんでいるとしか考えられません。

 学会も学会なら、宗門も宗門です。学会の次元の低い攻撃にのっかりシアトル事件や芸者写真の真贋(しんがん)争い等に終始し、あげ句の果てに、「創価新報」などに掲載の阿部師と芸者の写真や記事に対し、創価学会と池田大作氏に「謝罪広告と十億円の損害賠償」を要求する訴訟を起こす始末。

宗門の謗法与同

いまだに学会員の弁護士を代理人として使っている宗門が、学会と裁判を起こしてどうして勝てるのでしょうか。また、それら阿部師のスキャンダルの言い訳を記事にして「折伏」に使うなどは、まさに狂気の沙汰・恥の上塗り以外の何ものでもありません。ほかに何かしなくてはならないことを考えられないのでしょうか。なぜ僧侶らしく、仏法をもって学会を責めないのでしょうか。所詮、法衣をまとってスキャンダルの争いをしても似合うはずもなく、勝てるはずもありません。かえって、世間にその醜さを露呈するだけであります。しかし、考えてみればそれも無理はありません。

阿部宗門は十余年前、確かに創価学会の謗法に与同したのであります。このことを自ら反省し、それを認めない限り、法をもって呵責することなど、できるわけがないのであります。

 今、謗法者たる池田大作氏と創価学界に対し、堂々と法をもって糾すことができるのは、唯一、われわれ正信会僧俗だけであります。また阿部宗門の謗法与同罪、それによる宗門の混乱を厳しく追及できるのも、われわれ正信会僧俗だけであります。この立場にたって宗門・創価学会の乱れに乱れた修羅場を見るとき、「日興上人の身延離山のご精神」を継ぐわれわれ正信会僧俗が、今この時、声を大にして折伏につとめなくては、「我等こそ富士の本流」とは胸をはって言えません。

この意味で現状を考え、年間テーマを「弘通」、「我等こそ富士の本流」「折伏こそ正信の修行」との活動方針を本年も引き継ぐこととしたのであります。

 さて、創価学会と阿部宗門の現状についてはさておき、正信会僧俗の現状をお話しいたします。

はじめに裁判状況であります。正信会の裁判は、管長裁判、第五回武道館大会開催に関する処分事件、そして皆さま方の各住職が裁判している大量事件であります。これらの裁判はほとんどは一審を過ぎ、大部分は高裁の控訴審、そして最高裁による上告審にかかってきました。現在のところ、地裁・高裁の判決は、久保川事件の最高裁判決「双方却下」に右へならえ、というところに落ち着いております。しかし、われわれの事件での最高裁判決が、たとえ明日出されたとしてもおかしくはない時期に入っております。もともと裁判とは、当事者間に紛争があるからこそ、その解決のために裁判を起こすのであり、「双方却下」との一連の判決は、紛争が解決されぬ以上落ち着きが悪く、三審制の最後の最高裁としては、紛争解決のための判断を下すことは十分予測されることであります。

このところ、裁判は「双方却下で決まり」との楽観ムードがあるようですが、決して油断は禁物であります。したがって正信会としても、裁判小委員会を中心に注意深く見守り、弁護士の先生方と十分に協議し、その対処をしていきたいと考えております。

次に、覚醒運動の状況であります。この運動のはじめにおいては、地域や寺院によって覚醒運動の理念そのものに格差が見受けられ、各寺院において、正信会の基本運動方針も多少のズレがあったように見受けられました。しかし、現在はどの地域のお寺でも、基本的運動方針はもちろん、レベルが均等化してきたようであります。このことは、各布教区ごとの教区会を中心に、連合会を結成している地域では連合会の役員会、また、そうでない地域においては、代表者会等が定期的に開かれてき成果と思われます。そのせいか、地道な信仰はこの十五年に根づいたように思われます。

 最近、創価学会の「脱講運動」により、学会員が皆さまの家に出向いていることと思います。また、宗門と学会の反目、友人葬等への抵抗感により、少しずつながら、正信会寺院の門をたたく人が出てきております。しかし、今一つ折伏の成果とはなっていないのが現状のようです。この点を考え、創価学会の皆さんへ」との小冊子を継命新聞社で発刊してもらいました。すでに各寺院には届いていることと思いますが、まずこの本を皆さま方がしっかりと読み、「脱講運動」に負けない脱会運動を盛り上げて行こうではありませんか。まだ継命新聞社には、この本の残部があると聞いております。この本を徹底して利用し、また、正信会の唯一の教化育成の新聞である継命を大いに活用し、自ら熟読し、また啓蒙し、さらに折伏に使い、この一年を実りある一年として行きたいと思います。

次に悲しい報告をしなくてはなりません。すでに継命の報道でご承知のように、この一年に静岡県御殿場市の持妙寺のご住職と、福岡県行橋市・正妙寺のご住職の両師がご逝去されました。お二方のご逝去は、われわれ正信会僧俗にとっても、また皆さま方にとっても大きな痛手でありました。

この世の無常の理(ことわり)は、なに人にも如何とも仕様がありません。しかし幸い、両寺ともに前住職の薫陶(くんとう)を受けた純真なご信者さんがおられ、正信の法灯を持たれています。本日もその代表の方々が出席されていることと思います。正妙寺のご信徒、持妙寺のご信徒、いらっしゃいますか。いらっしゃいましたら、お立ちください。つらいでしょうが、ぜひがんばってください。

ともに法燈相続を

さて、悲しいことばかりではありませんので、今度はうれしいご報告を申し上げます。行学講習会を卒業し、検定論文もパスし、晴れて三世の大願たる新鋭の儀を迎えられた僧侶が、昨年に続き本年も二名できました。現在、水俣市・知見寺でご奉公している小高慈明師と、東京・善福寺でご奉公している岩島詔行師です。両師とも在勤寺院において、バリバリの一人前の僧侶として、覚醒運動の第一戦ですでに活躍されております。

また、この四月に七名の新発意の小僧さんが得度をしました。この夏にも得度する予定の小僧さんがあると聞いております。毎年、夏に岐阜の天奏寺で行われる沙弥・行学講習会も、これらの小僧さんが新たに加わり、一層にぎやかになることでしょう。そして、「富士の本流」の命を継いだ僧侶が、今後とだえることなく、後から後から続いていくことと思います。 正信会は、この法燈相続問題を真剣に考え、京都の九条住本寺さんが窓口となって基金をつのり、学衆援助制度を設けてその育成に取り組んでおります。現在、高校生以上のお所化さんに対し、まだ雀の涙ほどではありますが、支給制度を実施しています。この基金は僧・俗、個人・団体を問わず、年中無休で受付をしております。詳しくは各ご住職にお聞き下さい。

明日の正信会を担う所化小僧の育成のため、皆さまには何かと物入りな今日この頃とは思いますが、ご協力のほど、本席をお借りしてよろしくお願い申し上げます。

最後に、われわれ正信会僧俗が、護法の熱き思いを常に持ち、正直に正信を貫き通したことによって、今日その正義が証明されております。そして、今後も宗開両祖の大慈悲が、あたかも万物を育(はぐく)む陽光の恵みとなって、われわれを励まし見守ってくださると確信いたします。また、後継者たる所化小僧の若竹も、その恵みによって立派な青竹に成長することでしょう。ご安心ください。

正信会は盤石です。あとは、皆さまが、法燈相続をして、その命を継ぐ若い人を育てる番です。

さあ、皆さん、現状をどう捉え、それを踏まえてわれわれ正信会僧俗が今後どうするか、どう歩むかを、このあと正信会議長が指導します。それをよく聞いて、それぞれのお寺に持ち帰り、同志と語らい、正信の修行たる折伏にがんばりましょう。以上をもって、現況報告といたします。

        

     

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