第四回檀徒大会現況報告"4">
現況報告 福岡無辺寺住職 児玉大光師
全然変らない学会の現状
また出た宗門支配計画の報告書
第四回全国檀徒大会が盛大に開催せられまして、まことにおめでとうございます。
ただ今、日顕上人仰せのごとく、正法というものの伝持が、いかにむずかしいかということを身にしみて感じ、さらなる御報恩のために頑張りたいと存じます。
大聖人様は、
「日蓮が慈悲広大ならば南無妙法蓮華経は万年の外・未来までもながるべし」
と仰せでございます。決して仏の教えはなくなりませんが、仏の教えを信ずるものの心が正しくなくなったとき、仏の教えは隠れることがあります。まさに、我々の先師が伝えてきた正宗七百年来の化儀化法が、昭和五十二年度の学会路線によって全く無視され、大聖人の仏法が、純真な人々の眼から隠れたではありませんか。しかし、我々が大聖人の弟子檀那として、正しく信心に励むとき、大聖人の御慈悲は万年までも流布しゆくことを確信し、今日を契機に、また、頑張っていくことをお誓いいたしたいと存じます。
去年の八月の檀徒大会以降の現況について申し上げます。
去年の九月二十二日、北条さんの方からお会いしたいということで、大分県・別府の寿福寺におきまして、北条会長、平井庶務局長、そして佐々木秀明師と私の四人で、夜七持から約四時間にわたり話し合いました。
まず、話し合いのはじめに、私達は北条さんに「八月三十一日に戸田講堂で行われた東京支部長会に、池田名誉会長が出席されたのですか」と質問をしました。東京支部長会といえば、三千人も集まる大きな会合です。私達は以前、池田さんが五月三日に現職の会長を退くということは、新しい会長のもとで学会がやっていくのであるから、現職の幹部の指導会に、池田さんが出て指導するということはありませんね、と学会に念を押しておいたのです。池田さん自身も、前御法主日達猊下に、現役を引退します、とはっきり申し上げている。そこまでやっていくならば、ということで、前猊下も五月三日の学会総会に出られ、池田さんに「長い間ご苦労さん」という言葉まで下さった。つまり我々に対する約束違反であり、日達猊下に対するお約束の違反ではありませんか、と申し上げたのです。すると、「まったくその通りで申し訳ありません」と北条さん。
どんな約束をしても、それを破るのでは、信仰する者として絶対の信頼をおいて話し合うことはできません。池田さんにかぎらず、それを承知で池田先生、池田先生と持ち上げてやっておる現執行部、北条さんも秋谷さんも、私は同罪だと思います。(拍手)
すると北条さんが、「池田先生は宗門内外で、極悪人のようなレッテルをはられているけれども、まことにお気の毒です。池田先生はそんなに悪い人じゃございません」と言った。それは仕方がありません。約束は守らない、嘘はつき放題となれば、だれだって「悪い」と言います。(拍手)美しいものは美しい。同じく悪いものは悪いのです。そう申し上げると北条氏、困った顔をしていました。
当面は支配し将来は独立を
次に私達は、北条さんに、会計を見せなければ手を分かつといった言葉、それと国際センターの件、入信前の宗教は日蓮正宗、今の宗教は創価学会、といったことを持ち出し、「北条さん、あれはなんですか、いったいどういうご信心をしていらっしゃるのか」と尋ねました。すると北条さんは、「決してそのようなことは自分は言っておらない・・・第一、日蓮正宗と別れるなんて、そんな発想自体もございませんし、日蓮正宗と別れて創価学会がいったい、なんの得がございますですか。さようでございましょ」と。(笑い)
しかし、悪いことはできません。一カ月も経たないうちに『北条報告書』が出て、すぐバレた。四十九年六月十八日に、北条さんが池田会長に出した報告書です。
「長期的に見れば、うまくわかれる以外にないと思う。本質はカソリックとプロテスタントのような違いである。戦術的にはすぐ決裂状態になることは避けて(中略)新しい進路を開きたいと考えます。ただしやるときがきたら徹底的に闘いたいと思います」
邪宗とじゃないですよ。正宗とですよ、これが昭和五十二年の学会路線だったのです。
北条さんは、十一月二十九日に森田さんとお山へきて、猊下に詫びたそうですけど、どんなに悪あがきしようとどうしようもありません。この報告書を裏付けする資料が、まだまだ他にもたくさんある。
次のものは、四十九年四月十二日の報告書です。
「本山の問題については、ほぼ全容をつかみましたが、今後どのように処理していくかについて、二通り考えられます。一つは、本山とはいずれ関係を清算せざるを得ないから、学会に火の粉がふりかからない範囲で、つまり向こう三年間の安全確保をはかり、その間、学会との関係ではいつでも精算できるようにしておくという方法であり、いま一つは、長期にわたる本山管理の仕掛けを今やっておいて、背後をかためるという方法です。(中略)本山、正宗は党や大学、民音以上に学会にとっては存在価値のある外部と思われ、これを安定的にひきつけておくことは、広布戦略の上で欠かせない要素ではないかと思われます。(中略)そのための布石としては、一、本山事務機構、法人事務、経理事務の実質的支配、二、財政面の支配、学会依存度を高める 三、渉外面の支配 四、信者に対する統率権の支配、宗制宗規における法華講総講頭の権限の確立、海外布教権の確立等 五、墓地、典礼の執行権の委譲 六、総代による末寺支配、が必要です。これらのことは機会をとらえながら、さり気なく行うことが必要であり、今回のことは、一、二、三、を確立し、さらに四までを確立できるチャンスではあります。いずれにせよ、先生の高度な判断によって決せられるべきと思いますので、ご決断を仰ぐ次第です」
表向き低姿勢を装い 裏で反撃の隙うかがう
すごいものですね。このあと、例の『北条報告書』。これによって間違いなく、創価学会は一宗一派をつくるつもりでいたことが確認され、それを実際に施行したのが、昭和五十二年の路線でございました。宗門も危なかったですよ。危機一髪ではありませんか。
次に、昭和五十三年の六・三〇や十一・七は末端まで伝わってないではないですか、と質問しますと、北条さんは、それは今後とも引き続いてやっていきます、とおっしゃいました。実は、それは表向きのことなのです。裏では本山の七百年の歴史、ありとあらゆる七百年の出来事を調べてチェックし、状況いかんでは居直り、反撃しようとしていたのです。その証拠書類は、すでに我々が入手しております。私も見ました。ですから、我々は北条さんに、「どうぞ別れるときは、宗門のことをあれこれほじくり出して、なんとでも悪口雑言おっしゃってください。我々にとっては戒壇の御本尊と御法主上人、七百年の歴史があれば、充分あなた方と戦えるんだ。いつでもお相手します」と申し上げました。すると、「とんでもございません、別れる気はゴザイマセン」(笑い)。本当ですかね。危なくて信用できません。
次に北条さんが、「我々も勝手に路線を決めてつっ走ったんじゃございません。宗門と学会の定例会議というものがあって、我々はその定例会議で一つ一つ申し出て宗門の了解を得た上でやってきたのでございます」と言った。暗に「その時の役僧がちゃんと教えてくれれば、そんなに間違わなかったのに」とでも言いた気に。
「まじめにやってきて注意があればこんなことにならなかった。会館の件も、ずい分言われておるが、たくさんお寺も建立御供養したし、そろそろ会館の整備も全国的にしたい、と定例会議、連絡会議で申し上げて了解の上でやってきたんです。」とも言ってました。
我々は「会館の整備が、やがて何十億もする文化会館、研修所になんとか山という山号をつけ、会館は近代の寺院、そこで先祖供養をやり、広布基金という名目で供養をとる、『会館の整備』がそこまで意味することを、その時に猊下におっしゃったですか」と申し上げた。
とにかく五十二年度路線は、謗法であったと認めなさい、と北条さんに申しましたが、四時間にわたる話し合いで、「ひらき直っているわけじゃない」とか「現実に六・三〇、十一・七を消化して、五・三もやってきた」とかなんとか言い逃れをし、謗法ということは最後まで口にしませんでした。
北条、秋谷氏も池田氏と同罪
この会談で我々は、「こうして密室で四人ぐらいで話し合って、解決する問題でないから、もっとオープンにやろう。こちらも五、六人僧侶代表を出すから、そちらも副会長クラスを代表に出して話し合おう」と申しますと、ぜひその機会をつくってください、と北条さん。十月十八日に、再度会談をする約束ができました。
ところが、十月八日に院達が出て、向こうから「院達が出たから、もう話し合いをする必要はない」と一方的に断わってきた。ここで賢明な皆さん方には、もうこの院達の背景というものは、大体わかっていただけると思います。
次に十一月になって、大変にひどい資料が出てきた。関西文化会館で行なわれた会長、北条理事長と関西メンバーの会談の記録書類です。前の日達上人が悪者のように書いてあるので、誤解のないように一言申し上げておきます。
池田さんが「折伏をしたから大聖人は喜んでいらっしゃるでしょう」と日達上人にいったところ、日達上人は「大聖人は関係ないんだ」と返事された、と書いてあります。しかし、大聖人は関係ない、とおっしゃったのは、要するに昭和五十二年の創価路線の下心を察し、そんな会員をいくらふやしても、大聖人は関係ない、とこのようにおっしゃった。私は直接に日達上人からお聞きしています。「いくら広宣流布しても、日蓮正宗以外の教えは広宣流布とはいわない」と。その意味で猊下がおっしゃったのです。
あの白浜発言なども、ひどいものです。池田さんだけが悪いのではない。池田さんとともにこの路線を進めた北条、秋谷さんも同罪です。(拍手)であるならば、学会員さんが学習会をやる前に、まず執行部が学習会をやれ、と言いたい。(拍手)
とにかく「池田先生が地獄へ行けばお供しよう」というような方がまだ多く、少しも変わっていません。これが現況です。
ある漫才師がいっておりましたが、「赤信号、みんなで渡ればこわくない」(爆笑)。しかし赤信号は赤信号ですから。ましてや仏法においては成仏の道は一つですから、なんとしてもこの現状というものは、いよいよ迷う人々に訴え、正しい姿の創価学会にしてさし上げたいと思います。腹を決めてください。「世渡りも、気合いは同じ綱渡り」。ビクビクしていてはなにもできません。我々も腹を決めて、この正信覚醒運動をさらに進め、頑張ってまいりたいと思います。