理事長所信

 

Next」次なるステージへ!

時代(とき)とともに進化するJCであるために〜

2006年度(社)勝山青年会議所

理事長 藤田 昇

はじめに

 (社)勝山青年会議所が創立し、今年で38年目を迎えます。38年という時の流れの中で、世界情勢が、日本という国の枠組みが、そして私たちの生活環境が大きく変わってきました。

 ベルリンの壁の崩壊に象徴される冷戦終結後の世界は、加速度を増して変化を遂げ、各国が情報化、近代化、国際化をおしすすめて現在のグローバライゼイションといわれる画一的ともいえる世界を構築しつつあります。

 その中において、日本という国も、経済の高度成長は終焉を迎え、バブル経済の崩壊による負の遺産に苦しめられ、行財政改革を余儀なくされる現在へと至り、「混沌」という言葉に表されるような先の見えない、まさに手探りの状態であるといえます。

 私たちの周りを取り巻く環境も、大きく変わってきています。国の押し進める「行政の効率化と地方分権の推進」を掲げた市町村合併特例法の施行により、近隣自治体の枠組みも大きく変化し、地域主権型社会への早急な転換が求められています。産業構造の国際化により地場産業も組織の改革を余儀なくされ、それに伴い「労働力の国際化」や「人材派遣」に表されるように雇用の構造も様変わりしています。また、インターネットや携帯電話に代表される通信インフラの整備やユビキタス・ネットワークが構築されつつある現在、世界の変化がより身近に、ダイレクトに伝わる情報社会が到来しています。

 このような大きな時の流れの中で、私たちは青年経済人として、また社会の一員として進化することが求められているのではないでしょうか。

JC」という組織として、創立40年を目の前にし、如何に進化するのか。「JAYCEE」としてメンバー一人ひとりが、何を想い、何を考え、何を決意してアクションを起こすのか。

 「発想の転換」「人間力の育成」そして「組織の進化」が、今、最も必要であると私は思います。

より良い社会、誇りある地域の実現を目指し、信念と志と覚悟を持って、一歩でも理想とする自分に近づけるよう、さあ、行動しましょう。

 

 「Next」次なるステージへ! 大きく一歩を踏み出しましょう。 

次なるステージへ!発想の転換を。

 

「巻き込んで」から「いっしょに」

 

 私たちは勝山市を中心として活動する団体として、これまで様々なアプローチでまちづくりを掲げた事業活動を展開してまいりました。

その事業の中心には必ず、まちを愛し、まちを楽しむ市民の方々の姿が、時には私たち以上に積極的に活躍する姿がありました。

JCしか存在しない時代からJCも存在する時代」といわれて久しい昨今、市民の方々を「巻き込んで」という発想は正確なのでしょうか。

今こそ,市民の方々と「いっしょに」まちづくり活動を展開する発想が必要なのではないでしょうか。

 NPO法人に代表されるように、さまざまな分野に特化した人々が市内一円には存在し、精力的な活動を展開されています。民間活動団体として私たちが、全てにおいて先端を走る団体の一つにあげられる時代ではなくなってきている事は現実です。

「巻き込んで」から「いっしょに」へと根本的な発想の転換は必要だと、私は思います。視点を変えれば必ず、見えなかった物事が見えてくるはずです。

私たちはいつも、まちづくりの先頭を走る必要はなく、地域主権的発想のもとでの「地域のことは地域で」「地域のことは地域から」という考え方が、無理無く、まちづくりを推進する方法の一つだと思います。また、分野に特化して活動されている人々と歩調を合わせて活動することで、私たちが吸収できる事やそのメリットは計り知れません。

 まちづくりの手法のひとつであるエコミュージアム構想をベースとして、グラウンドワーク的な考え方を継承しつつ、市民(NPO)と行政と企業、そして私たちJCが対等の立場で、それぞれの得意分野を生かして「いっしょに」このまちの未来に想いをはせましょう。

 

「単年度制だから」から「持続性のある一区切りとして」

 

 私たちは、単年度でそのポジションを終え、新しいポジションへと移行します。「まちづくり」や「青少年の育成」を単なる事業としてではなく、運動として捉える時、常に障害となるのが「単年度制だから」という発想です。

 まちづくりを例にあげましょう。「まちづくりは百年の計」という言葉があるように、まちづくりを考える時、そこにはしっかりとした「理念と構想」が必要になってきます。

 本当に「単年度制だから」と割り切ってよいのでしょうか。

今こそ「持続性のある一区切り」としてまちづくりを捉え運動するべきであると考えます。これは、青少年の育成においても同じ事が言えると思います。

 あらゆるテーマにおいて、根底に流れる「理念と構想」は常に毎年、再考と再構築を繰り返すことにより風化する事なく、一歩ずつ現実になってくるのではないかと思います。

次なるステージへ!人間力の育成を。

 

「幅広い世代の人間力育成」

 

 創立以来、一貫して取り組んできた私たちの活動の柱の一つは青少年育成です。これまでも次代を担う青少年の健全な育成を掲げて事業展開をしてまいりました。

 時代の流れとともに、青少年を取り巻く環境も大きく変わり、屋外で遊ぶ子供の姿を見かける事も少なくなってきています。これは、物質的な豊かさや核家族の増加、週休2日によるライフスタイルの変化など青少年を取り巻く急激な変化が要因の一つなのでしょうか。また非常に残念な事に、青少年が犯罪に巻き込まれる事件が後を絶ちません。

 私は、青少年育成を「人間力」の視点で捉えた、次世代の育成をする事が大切ではないかと思います。自然豊かな勝山の地の利を最大限に生かした、生きる力、すなわち、環境に対応する力と道徳心の育成に取り組みましょう。利便性の追求により創造された現在の社会の中で生活している青少年にとって、自然と向き合う事は、人間としての生きる力を再確認できる機会になると思います。樹木の香り、そよ風の爽やかさや流れる水の冷たさ。感受性豊かな彼らにとって自然は最高の先生となってくれると確信します。体で感じ、心で学んだ経験は、必ずや大人へと成長していく中での大きな財産となるでしょう。

 また、青少年育成というくくりの中において、その対象を小学生に限らず、中高校生やその保護者、地域の方々も含まれるものと私は考えます。幅広い世代を視野に入れた青少年育成を考えることで、家庭のありかたや各地域での活動など、彼らを取り巻く環境を、さらに意識した取り組みが出来ると思います。これから「幅広い世代の人間力育成」は私たちにとっても、一つの課題であると考えます。

 

「人間力開発」は「自己改革」から

 

 私たちJAYCEEにとっても、混沌という未知の時代を切り開くためのスキルとしてメンバーの「人間力開発」は必要不可欠であると思います。

 今までに実施されてきたLDやMDをも含む人間力開発プログラムの再研修も、実施すべき大切な事柄ではないでしょうか。青年経済人たる「JAYCEE」にとっての「生きる力=人間力」は「自己改革の推進」すなわち、他人を変えようと思うなら、まず、自分が変わる事!今日までの自分を見つめ直し、明日はより新しい自分を見つける事!の一言につきると私は思います。

 さらに、JAYCEEの原点に立ち戻ってJC三信条である「友情、修練、奉仕」の精神を磨く事は、「自己改革」への基礎になると考えます。今だからこそ、おろそかにしがちな、基本的な研修プログラムを「人間力開発」の観点から再検証し、実施していく事が大切ではないかと私は考えます。

 「初心に返れば、必ず何かがみえてくる。自己改革こそ自己実現への最初の一歩。」であると私は信じています。

次なるステージへ!組織の進化。

 

「力の集約型へ」

 

 (社)勝山青年会議所は現在、40名近くの情熱あふれるJAYCEEによって構成されています。2005年度は、役員5名、理事19名によって組織が組み立てられ、1委員会あたり約6名での委員会運営が行われていました。事業に関しては最盛期60名近くのJAYCEEによって活動していた時とほとんど同じボリュームで実施されてきています。

 そんな中で、どの委員会も事業を前に、担当委員の知恵と友情と努力によって不足する労力を補っていることは事実です。そこで2005年度に続き2006年度においては会員拡大を全てのJAYCEEで対応し、勝山市内を中心に新たなメンバーの獲得に向けて総力をあげた取り組みを行います。また、現実問題として会員の拡大は急務でありますが、まずは今、在籍するJAYCEEのメンバー数において抜本的な組織のあり方を進化させなければならないと私は考えます。

 (社)日本青年会議所において、私たちに最も身近な存在であるブロック協議会の組織としての在り方を模索する動きがある事を踏まえても、組織力をより高めるために「力の集約型へ」組織を進化させる必要があります。

 2005年度から受け継いだすべての活動を、縮小する事なく、さらに発展させるために、英知と勇気と情熱を結集して最大限の成果を挙げられるように、一人ひとりが大きくスキルアップを図りましょう。

 

「40周年を前にした新たな組織として」

 

 2008年(社)勝山青年会議所は40周年を迎えます。そこで、2006年度は40周年という節目の年をスムーズに迎えられるように、実戦力として活躍するJAYCEEを養成することに着目し「新たな組織進化」に望みます。

 第1に「委員会を担当する理事」の選任です。通常、出向理事、特別理事として理事会に在籍いただくメンバーを「委員会理事」としてのポストについていただく事で、理事会において委員会の各案件に責任をもって対応していただけると考えます。また、担当される委員会の中では、メンバーの模範となる積極的な活躍をしていただける事と思います。

 第2に「財務担当者」の選任です。今までは事務局のみで執り行っていた財務処理をより円滑に、正確に、効率的に行うため、また、2007年度より公益法人会計基準が変更になる事に対応するために財務担当理事と総務統括顧問を選任し、財務全般の運営と事務局との連携のサポートをお願い致します。 

 第3に「これから先のJCを見据えた会議体」の設置です。議長の招集の下、会議体として全てのメンバーが客観的に私たちの活動を見つめ直し、多方面の切り口から、新たな(社)勝山青年会議所の進む道を模索することで、目まぐるしく変化する社会情勢に対応していける、魅力ある組織へとさらに進化するきっかけになると考えます。

 2006年度の組織進化により40周年を視野に入れ、意識し始めることでJAYCEE個々人としてもステップアップが図れる事と、私は思います。

 

おわりに

 

 私たちが時代(とき)とともに進化し続けるためには、常に情熱と勇気、そして現状を客観的にかえりみる余裕がなければなりません。そして、単年度で結果や成果を出す事だけを目標とせず、大局的に物事を見極め、継続していく覚悟を持つ必要があろうかと思います。

 進化を求める時、そこには古き良き事の継承と新しき事への挑戦、そして必ず継続性が不可欠だと、私は考えます。

社会から、そして地域から、組織としての「JC」と個々人としての「JAYCEE」は今、更なる進化と発展を求められています。

 

Next」次なるステージへ! 大きく一歩を踏み出しましょう。

基本方針

長期ビジョンに基づくパートナーシップ型まちづくり運動の実践

幅広い世代における人間力開発による人材の育成

メンバー間の繋がりの強化による組織力の更なる向上

新たなメンバーの拡大とメンバーのスキルアップによる魅力あるJCの創造

 

 

運営方針

組織改革により各委員会への実戦力の増加を図る

40周年を視野に入れたメンバーの意識改革を図る

効果的、効率的な会議運営を行い時間の有効利用を図る

 

 

事業計画

 

まちづくり室

まちづくりにおける長期ビジョンの再考と策定の実施

まちづくり事業の実施

左義長まつりへの参画

委員会内研修の実施

 

人間力開発室

青少年を対象とした人間力育成事業の実施

メンバーを対象とした人間力開発事業の実施

委員会内研修の実施

 

総務室

会員交流、家族交流事業の実施

広報誌の発行とホームページの運営

定款、諸規定の検証、見直し

基本資料、活動報告書、各種資料フォーマットの作成、管理

各委員会の予算書、決算書の審査、指導

委員会内研修の実施

 

Next Stage創造会議

40周年を視野にいれた本年度におけるビジョンの検討

会員拡大計画の策定

月例会議の開催

新入会員オリエンテーションの実施

クリスマス家族大会の企画運営