拝啓 海風が元気な季節になり、泊の記念碑の前の海はすっかり秋の色です。過日8月4日は、記念碑の前でバイオリンを弾いてくださりありがとうございました。丁讃宇さんの演奏が始まると、欅の木で泣いている蝉たちも一緒に歌い始め、ムクゲの花たちも一緒に歌っていました。風景の中に遊ぶ祖先の魂も音楽に聞き入っていると感じました。
時空を越える音楽を体感致しました。集まった村人たちも幸せと平安の顔をしていました。この小さな記念碑に思いを寄せていただいた丁さんのお心に感銘し、感謝致しております。丁さんの演奏により、この場所がこの国と朝鮮半島をつなぐ魂の風景の場所となりました。100年前の祖先が私たちに残した歴史、メッセージがより確かなものになりました。
また、拙宅にもおいでくださりありがとうございました。素人の「イムジン河」を聞いていただきました。この歌は私にとっても心の歌です。イムジン河の水は日本海に流れ来て、この小浜湾にも流れ来ています。「海は人をつなぐ母の如し」海は国境や民族などすべての隔たりを越えて大きな母のように水をたたえています。私もいつか、イムジン河のほとりに立って歌いたいと思っています。
ぜひまたおいで下さい。魂の風景をいつまでも大切にしてお待ちしております。お会いして再び丁さんのバイオリンを聞かせていただける日を楽しみにしております。ご健勝とご活躍を心よりお祈り致します。