第14集 秋風吹けど
第1章 秋風吹けど
秋風吹けど
稲刈りの時期になれども何もなし耕作委託で吾は街人
畑には茄子とオクラが残るだけダイコン蒔けば秋風の吹く
盆前に蒔きしレタスと白菜がひと月経ちて形になりし
カブ2台整備済ませど出番なし還暦過ぎれば4輪が楽
年寄りと猫の話題で日が暮れる他愛もないが面白くもなし
この歳で行くに行けない車旅 役と年寄り足を離さず
いつまでもあると思うな身と時間やる事せねば愚痴だけ残る
春からの疲れが残る我が身体秋風吹けど体バラバラ
小改造
軽量が最優先のプリウスは使い勝手と強度が落ちる
プリウスの荷室の下はスチロール軽量理解も小物入らぬ
木材で再設計の荷室下イスとテーブルコンロ入れにと
透明の収納箱に鍋茶碗この箱あればキッチンになる
寝袋と遊び道具は屋根に載せ室内全て居住空間
ドライブの休憩用に椅子机お湯沸かすなら簡易コンロよ
キャンプしてバーベキューならフル装備それ以外ならこれで十分
災害備品
本当は外食するかコンビニか車の旅に調理はいらぬ
SAや道の駅にて泊まるなら椅子もタープも出せぬ環境
秘蔵っ子の椅子テーブルを取り出して景色見ながらコーヒーか麺
河原にて朝食摂るのも想定よ道の駅にて宿泊の朝
鍋食器タープが生きる場があらば災害による避難生活
キャンプ用揃えた備品そのままに非常の時の災害用品
日帰り温泉
週末の神社の祭り無事に終え寝袋積んで長野へ走る
九頭竜の湖畔ドライブ楽しいが疲れ残るか休憩ばかり
屋根箱に油絵セットと釣り道具時間取れるか期待だけする
連休で混雑したる日帰り湯クルマ満杯洗い場もなし
おっさんで湯船埋まりし露天の湯外人さんも苦笑いする
道の駅
松本の道の駅にて夕食も時間有り過ぎ白馬を目指す
安曇野のほのぼの景色大好きも夜中動けば道しか見えず
お馴染みの五竜近くの道の駅勝手分かるし安堵感有り
何台も同宿したる道の駅泊まる車は一目でわかる
朝食
宿泊の安心勝る道の駅道具使ったキャンプは出来ぬ
ハッチ開けイスとテーブルセットする人気のいない河原なら良し
朝焼けの白馬三山ながめつつ朝食摂るのは贅沢千万
お隣でスケードボードの練習よ登校前の中学クラブ
八方のゴンドラ見れば動き有り雲がかかれど登るも良しか
八方尾根に登る
連休でゴンドラ乗り場大混雑バスの客やら家族連れやら
昼飯と雨具入ったデイバック恰好だけは山男なり
本来は4人乗りなるリフト椅子 端へ座れば傾き多し
単独はシャッターだけがお友達 何でもかんでもカメラに収め
晴れならば白馬三山迫り来る今日はガスにて場所だけわかる
一寸だけアルピニストの香り有り単独行には嬉しき思い
親知らず港
親知らず港へ下りて魚釣り道具は出さず見るだけにする
幾人も防波堤から竿垂らす ボラが飛べども魚掛からず
長野から車で来たる学生ら魚釣れずも海辺で十分
高速で直に入れぬパーキング一般道では大入りは無理
ジェットバック
満載のルーフボックス屋根に載せ恐る恐るで高速に乗る
高速の抵抗ほとんど風圧でスポーツタイプは流線形よ
屋根の上整流乱すものあらば自慢の空力無残に落ちる
無風にてボックス付きで22よこれで走ればマイナスならぬ
物運び格好良くて燃費良しジェットバックに欠点はなし
ジェットバック2
屋根低いワゴン車体を生かすなら屋根搭載のジェットバックよ
トランクの容量持ちたるバックならワゴン荷室が室内となる
異物載せプリウス空力形無しよどこまで落ちるか高速燃費
高速の風切り音も特になく気になる燃費は一割減よ
ふた昔前に買いたるボックスは世界のスーリースウェーデン製よ
退職し全国周る車にはジェットバックが必需品なり
ミカンの木
じわじわと歩みを止めぬ温暖化福井の地でもミカンが採れる
金沢の帰りに見つけたみかん苗お土産代わりに勢いで買う
野菜ならふた月たてば味わえるミカン生るのは数年も先
いつの世か孫の喜ぶ顔浮かべ農舎の横にミカンを植える
三角窓の棚
複雑な面で出来たる小窓ゆえ半年がかりの棚の構想
いつもだが試行錯誤の荷室棚作りはじめて1週は経つ
本入れにカップ置き場にテレビ台小さな棚に想いが詰まる
外側にライトとティッシュ追加して車中泊でのセンターとなり
年期明け
秋祭り終えて事業がひと区切り3年続いた年期が明ける
会計に会長職に連合会役所も続け忙しき日々
待望の定年過ぎれど暇ならず村の役やら親の介護で
多忙なる毎日なれど隙見つけ時間のかぎりリフレッシュする
年末の総会終えれば放免よ長期の旅に我が夢託す
絵を描き随筆書いて旅に出る吾の老後はパステル模様
キャンパーのカーナビ
ICと分岐点での誤作動は未知の道では致命傷だね
8年でナビの機能に不安出るパナ吸収のサンヨーのナビ
広告のイエローハットに目が留まる4万円のパナのカーナビ
パソコンで入れたる曲が聞こえない使い難いよパナストラーダ
店頭でカロッツェリアに浮気する期待出来るかパイの楽ナビ
シェアではナンバーワンの楽ナビも会社傾き品質不安
パナよりもメモリ倍なるカロの機種地図情報も倍のはずだが
カロならば基本性能高いはず最低価格の普及品でも
今回の選挙
台風と総選挙日が重なって市役所職員てんやわんやよ
暴風で急きょ避難所開設も選挙重なり人手がいない
期日前投票なにかと便利にて投票実績当日超える
楽しみの仕出し弁当豪華にて量は多いしお刺身が付く
大雨で票が濡れれば一大事投票箱にビニール掛ける
暴風で送致作業も命がけ運び終えたらスーツびしょ濡れ
選挙の2
暗闇の中で始まる投票は終わる時間も暗闇の中
じわじわと株価が上がる選挙前誰か知らぬが裏で操作か
地元での最初で最後の立ち合いか役所最後の思い出になる
間を置かず馴染みの顔が現われる長き時間も退屈はせず
投票の短き時間の行動と服装見れば生活読める
停電の朝
暗闇でスマホ頼りに物探し強風続く停電の朝
電気切れガス水道のありがたき眠気まなこで湯をまず沸かす
電気釜ふたを開ければ米と水 電気無くてはご飯が食えぬ
冷や飯と味噌汁で摂る朝食はテレビ無くても会話が弾む
停電で人を和ます必需品ライトにストーブ携帯ラジオ
県内の2千以上の停電は回復までに時間を要す
台風被害
台風で神社の大木4本折れ灯籠倒して玉垣傷め
大木が抜けて明るき境内を残りし雨が無情に濡らす
大風で見るも無残な菜園はイノシシ入って荒らされたよう
強風で引きちぎられたネギ畑筋だけ残すサトイモの葉よ
北風で茄子とトマトの命尽く4カ月続いた収穫の果て
北風が別宅下屋を吹き抜ける波板剥がれ天井が飛ぶ
玉ねぎの畝に掛けたる黒マルチ風に飛ばされ行方が知れず
大風で倒れし停止看板を半日がかりで作り直しよ
世の中
山越えて谷も渡りし初老だが先の見えない世界に迷う
還暦で知ったつもりの世の中に浮いた自分が反撃される
人ひとり生活するのに見栄いらぬ車もなにも最低で良し
現実と理念いつしか乖離して退職金で新車を求む
先を行く老いた親父の不始末を責めは出来ぬよ我が身の様で
所有物いずれ手元を去って行く命を含め全て借りもの
羨望の地位も名誉も財産も人生行路の目的ならず
雨のそば祭り
休日の一日だけのそば祭りテントの規模が尋常ならず
一日中台風の雨やまずとも人の気迫で会場熱し
イモ汁と炊き込みご飯を買い求む蕎の長蛇に嫌気がさして
団体や地区の総出は嬉しいが高齢地区で次世代が居ず
押し寄せる車溢れる庁舎前人気行事もキャパが不足し
三郎さん展
生前の遺品が並ぶ三郎展関わる人の心伝わり
パレットや筆がそのまま展示され氏の息づかい聞こえるような
描きかけの大杉前に仁王立ち白地多くも既に絵になり
真夜中の熱中症が命取り我慢が仇かエアコン入れず
手放せず家に掛けたる冬景色あるじ亡くして人目に触れる
ギャラリーと同時開催展なれど個性満載どちらも光る
ホンダフィット
偶に乗るホンダフィット悪くなし目立たぬ上にガソリン食わぬ
生活の道具となりしミニマム車性格まさに初代シビック
北米で鍛えられたるホンダ車は見かけによらず長持ちグルマ
文殊山のぼり
家族にて文殊の山に挑戦よ30年の月日を超えて
小学の息子今では親になり妻子とともに頂上目指す
九十の声聞く父の写真有り以前登りし文殊山での
一時間早く登りしわが夫婦息子家族を頂上で待つ
先日の台風の風凄まじく頂上社殿が倒壊寸前
大文殊五人そろって休憩よザック開いてバナナとパンで
頂で福井平野が一望よ抜けるような青空の下
坂道を勇んで登った二人だが下りの道が意外に長い
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