第14集 秋風吹いて




   第3章 連休のドライブ

   連休のドライブ

敦賀港加賀海岸に富山湾これだけ行けば文句は言えぬ

港内の古き倉庫の赤レンガリニューアルで今風店舗

海鮮の店に喫茶に土産店どれもお洒落で他国のような

キャンピング繰って加賀を一回り車体メンテと充電兼ねて

連休の混雑したる行楽地5メータ越えの車に向かぬ

キャンピング乗ってるだけで遊びなり周り見下ろしゆったり走る

高岡に海王丸とヨット港この場所だけでセレブ気分よ

並びたる白い船体横に見て洒落たお店で珈琲スイーツ

店の名は雰囲気ぴったりサザンだが吾の気分は加山雄三

   久しぶりの薪割り

久方に斧持ち出して薪割りよしばらく振って感取り戻す

乾燥機置きたる床の丸太材シロアリ食って薪には成らず

我が田にて昔使ったハサ木材小さく割って部屋温める

整理して薪置き作りし農舎隅目標出来てかペースが上がる

雨降れどFM流して快適よ広き農舎で薪割り作業

10日ほど掛かる予定の薪割りも調子上がって4日で終わる

   車遊び

長距離で姿勢を変える右取っ手普段要らぬが高速は要る

取っ手追加の我がフィット小さな経費で大きな効果

アルミ張り性能変わる事実有りオカルト的な車チューニング

帯電のプラスチックが悪さする空気剥がして抵抗が増す

千円で車遊びは安いものあちこち付けて実験走りだ

ネットにてアルミテープを注文よ子供のように気持ち高まり

   野菜それぞれ

大雪の冬を越したる玉ねぎが肥やし不足か大きくならぬ

毎年の種から育てたカボチャ苗あちこち植えるも育ちが遅い

種からのオクラ今一育たない温度低いか水が足らぬか

青々と折角茂ったじゃがの木が風雨にやられ倒伏したり

6本の気持ち入ったトマト株栄養過多で葉が巻いて来た

ビニールの中に置かれた瓜スイカ高温多湿で一気に伸びる

毎日の水遣り効いてか良く育つ隣に負けぬ自慢のナスよ

苗植えて大きく育ったブロッコリーモンシロヒラヒラ青虫がわく

隣からもらった余りのトウキビが水遣り効いてか少しは伸びる

直植えのヤーコンしっかり葉を伸ばすしばらくすれば畑が埋まる

サツマイモいつもながらの萎れだね隣の畑はなぜか青々

大雪で押し潰されたエンドウが数本健気に実を付け出した

蔓ありと蔓なしインゲン快調よ葉っぱ広げて開花を待ちし

畝全部マルチで覆ったサトイモが先を伸ばしてマルチを突付く

三本のキュウリネットに絡みつき2,3日前から黄色の花びら

根元から鎌で落としたネギの畝背丈伸ばして植え替えを待つ

赤黄の4本植えたるピーマンがナスの隣ですくすく育つ

放任の他所からもらったフキ連中春のこの時期貴重な食料

   太古機の草刈機

この時期はロープ草刈り活躍よ薄き草とて綺麗に飛ばす

ロープなら庭木の根元も安心よ近くに寄ってビンビン回す

草刈のキャブの調子が今一で仕事終えればガソリンを抜く

大古機の親父が使いし草刈機騙して使えばそれなり動く

初夏の時期勢いつけた雑草は手持ち鎌ではやる気が失せる

   地蔵の屋根

大雪で押し物された地蔵屋根予算付かずに我が手で直す

構想と設計含めて半日よ材料揃えて一日過ぎる

あれこれと考えながら作業する小さな屋根も手間隙掛かる

世の中の神社はすべて白木なり塗料買えども使えずに居る

材料は数千円の世界にて手間入れぬなら安き買い物

冬来れば必ず要るよ雪囲い細き材では豪雪耐えぬ

仕上がりをよく眺めればミニログ風カメラに撮って手元に残す

   荒れた日に

外は荒れ肌寒い中薪燃やす五月の末のストーブも良し

南風トマトの屋根がバタつきて如何にもならぬ風止まるまで

豪雪で枝すべて折る大被害それでも芽を出す5年目の柿

雨降らず大きくなれない野菜達雨風吹いてスタートするか

別宅で落ち着き過ごす水曜日趣味の書き物一気に増える

コーヒーも音楽も無くキーボード気持ち湧き出てこれもまた良し

チョロチョロと小さな炎も悪くなしこの前割りし薪をくべては

   施設入所

子となって60余年の時が過ぎ介護施設へ父を送りし

意外にもさばさばしてる吾が親父覚悟できてか強がり故か

足腰が弱って歩けぬご老体新聞テレビで頭使えど

新しき住まい意外に快適で介護完備の公共の宿

無常とは時が流れて世が変わる次の時代に足踏出しか

何につけストレス掛ける親父でも家離れれば寂しき思い

友亡くし職場を去って親を出す吾の周りに大きな変化

   作業台

定年の趣味の一つが木工よ地蔵の屋根や消火看板

軽トラの荷台に置きたるコンパネが木工細工の吾が作業台

ネットには本格的な作業台海外製なら30万円

輸入材ツーバイフォーに興味あり安くて綺麗で加工が容易

材料費3千円なら安いもの失敗したとて損害軽微

高さ決め幅と奥行き適当に台というより丈夫な机

天板は農舎にあったコンパネよ2枚重ねで丈夫さ確保

万力を付ければ立派な作業台素人大工も満足の品

固定して切って磨いて組み立てる立作業には必須の台

   椅子の自作

折角の作業の台を生かそうと高さ合わせて椅子を自作し

市販イス座面低くて使われず台に合わせて10センチ高

材料は安くて綺麗なワンバイフォー6本揃えて1500円

農舎にて古き丸ノコ見つけ出し試しを兼ねて恐る恐る切る

新調の電動サンダー快適で板を並べて一気に磨く

前回の机作りが背中押し鼻歌交じりで椅子組み上がる

作業台本格使用に真価見え立った作業に最適の台

軽トラの荷台がそのまま補助の台双方あわせ万全の台

透明のニスで仕上げの自作椅子白木も良いが汚れに耐えぬ

自作椅子自作机に合わせれば古き農舎が書斎に変わる

   気分

やらねばと思えど体が拒否をする日時迫りしまつりの仕事

友往きて信じられぬが三月経つ出会いしことに感謝あるのみ

九十路の親父ついに力尽き介護完備の施設で過ごす

仕事無く畑と通院孫迎え時間有れども安らぎは得ず

木工に気持ち紛らし日々過ごす理想と違えどこれも老後か

   お遊び

農舎には自作椅子に作業台現職離れて職人気分

お遊びは遊んでやるから面白い趣味と名が付きゃ肩が凝るなり

木工もカブもキャンプもお遊びよ心なくせば強制になる

お遊びと思えば何でも面白い老後老後と肩を張らずに

   遺跡まつりの歌1

昨年で20回目の祭りだが年月重ねスタッフ疲労

屋台出て花火を上げて盆踊り遺跡名のつく夏祭りなり

厳かな採火に行列何処行った賑やかなれど遺跡が泣くよ

縁ありて遺跡まつりの役貰う連合会の後職として

1月に役を貰って大慌て事務局長が多忙で動けず

構想は色々あれど結局はいつも通りの夏開催に

行列と五重の塔の復活は夏開催でも譲れぬ話

局長が不在のままで走り出す何をするにも手探り模様

   遺跡まつりの歌2

前日のライン準備の暑きこと短パンサンダルジリジリ焼ける

本番は朝7時から夜10時雨は降らぬが灼熱の中

伝統の竜神太鼓も二〇年酒生の山に太鼓が響く

民謡の踊り今年は賑やかに二つの団体揃って参加よ

礎石にて人力作業で火を起こす生まれし炎がまつりの主役

手作りの衣装まとった子供達灯火たずさえ会場向かう

夫婦でのマリンバ演奏素晴らしき聞き入る人の郷愁誘う

ろうそくの揺らぐ炎の美しき地上に現る原寸の塔

星空に五重の塔が輝きし千二百年の月日を超えて

ヨサコイが遺跡まつりを盛り上げる炎を前に若き踊り子

団体や自治会みんなでヨイショする遺跡まつりは酒生の力

   年季が明けて

地区行事すべてを終えて疲れ出るサウナのような我が家に居れば

会計に自治会2年にまつりにと定年あとに公職続く

まつり終え新聞出してアンケート役の仕事はこれで打ち止め

野に山に気の向くままのドライブよ白髪混じれど学生気分

暇あれば公民館に旧職場話出来れば何処でもいいよ

屋根の上ジェットバックを鎮座させ今使わねば宝が腐る

旅行社のパンフ集めて下調べ待ちに待ったるその時期が来た

煩わす仕事に地域に介護さえ今となっては過去の出来事

   30年夏の俳句

足先にトンボがとまる木陰かな

眼前に若き日登りし夏の山

逆走の台風一過の熱き風

友無くし一人で歩む老後かな

祭り終え学生気分の夏の日々

足回り玉に瑕だよ我がアルファ

六十五超えて満ちたるエネルギー

豊作の野菜に囲まれ過ごす夏

白山に見守られたる読書かな

還暦を五つ過ぎたる若造よ

北谷と白峰貴重な我が避暑地

アルファが長き老後の伴侶なり





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