第6集 一人白馬





   第1章 一人白馬

   一人白馬

朝5時に顔も洗わず家を出る秋の週末長野めざして

朝やけに浮かぶ山並み美しくひときわ高し白山の峰

海辺にて朝のひととき過ごしたくトンネル前で高速降りる

海の色ヒスイの如く輝けり朝日を浴びるヒスイ海岸

一面のヒスイの色に囲まれて松の木陰で洗面をする

姫川の河原に車停め置けば光と緑とせせらぎの音

姫川の揺らぎの中の心地よさノートを開きペンを委ねる

姫川は名前に似合わず暴れ川ひと雨ごとに流れが変わる

越後から長野を結ぶ塩の道川沿いでなく山越えをする

山肌に古き山村へばり付く質素というか貧しい暮らし  

カモシカを飼い始めたり道の駅洒落た雰囲気好きだったのに

軒並ぶ食事やみやげのログハウスカモシカ飼って雰囲気消える

   小さなレストラン

欧州の田舎風なるレストラン 十一時半までお昼が食えぬ

自家製のソーセージ付きがメインでも焼き魚もある気遣いがある

手で書いた和洋の品書き並びたるどれも主人の自慢のメニュー

ファミレスと一線を規すハンバーグ通も子供も満足の味

還暦の夫婦で営むこのお店客に人生考えさせる

   みみずくの湯

何もないところが魅力みみずく湯その分自分が自由になれる

光浴び裸で寝そべる露天の湯バックにのどかな白馬が見える

割引の四百円で入れる湯地元の人も登山の客も

   白馬47スキー場

川ひとつ隔てて眺める八方の空に舞い飛ぶパラグライダー

目の前のみそら野客で賑わうも人け少なしオフの白馬47

落ち着いて生活できる別荘地見方変えれば面白い場所

   孫の運動会

聡一朗腕に抱かれて見てるだけ保育園の運動会に

お盆から歩き始めて1ヶ月出れる種目が一つだけある

校庭に大音量の声や曲幼き子には刺激が強い

校庭に保護者のクルマ勢ぞろい観察ひとつで生活見える

賑わいて子供や親とすれ違う酒生といえど知らぬ顔ばかり

同級の友が長なる保育園男一人で大奥のよう

年一度成果を見せる運動会経営理念が表に出たり

初めての保護者集まる運動会中学出るまで付き合い続く

   ドンキホーテの店

ごちゃごちゃと処かまわず品並ぶドンキホーテの面白さなり

薄暗く電灯うまく利用して買い物心理を巧みにつかむ

ハワイ物雑貨小物にアロマ系自分好みの品が揃えり

あまりにも刺激が強く目移りしマカデミアだけ買って店出る

軽並び白のベンツに我がワゴンクルマも多彩ドンキのパーク

   トールワゴン

信頼のメカを使った重装車アウトドアーの御用達品

欧州で愛好会があるらしい日本製のデリカのワゴン

これだけの魅力詰まりしレジアスに愛好会がないのが不思議

雨風の中でも居れるレジアスはアウトドアーの前線基地よ

人気無く手軽に持てるレジアスは庶民が遊べる貴重なクルマ

中古にて輸出されたるレジやデリ砂漠や荒れ野で真価を発揮

過剰とも思える質のレジアスは20年後も走れる車

このレジは二度と作れぬ過剰品今のトヨタじゃ作れぬ質よ

   小浜の猿

小浜にて通りすがりの猿の群れ海沿いPで晩飯炊けば

炊き立ての飯とカレーを両手持ちクルマの中へ緊急避難

小さくも数に勝れる野猿たち本気でくれば飯を取られる

小浜にてサファリーパーク気分とはこれはこれなり話にはなる

   豊岡市

都市離れ山に囲まる豊岡の空気と時間は時代を超えて

生き物と人と自然が調和する豊岡の地に安らぎを見る

ゆったりと流れる川面にコウノトリ居ても何ら違和感が無い

地形ゆえ三日に一度は霧が出る人も自然の一部となりし

   山陰海岸ジオパーク

ジオパーク世界に誇る地形なり登りにカーブの県道続く

様々な地層織り成すジオパーク太古の歴史を今に伝える

荒波に削り取られる地層群奇岩となりて名物になる

鳥取の砂丘もひとつのジオパーク古代の砂丘地中に埋まる

砂丘にも劣らぬ魅力ジオパーク未来に人呼ぶ予感がしたる

   砂の美術館

テント張り砂で固めた動物が砂丘帰りの客驚かす

巨大なる動物たちのその姿一つ一つにたましい宿る

アフリカの作者が発するメッセージ砂を通してひしと伝わる

白人に略奪されるアフリカを動物たちの目が訴える

スコップで作りし砂の感動は西洋絵画に劣らぬものあり

   鳥取の学祭

鳥取の大学見たくて立ち寄れば連休なりて学祭最中

学生の誘導のまま駐車場スタッフ多く企画万全

小春日の木立が作る日陰にて学生和む学祭なりし

ぶらつけばライブの演奏数多く一つ一つに耳傾ける

ほとばしるマイケル風のダンスにて視線集める路上ステージ

賑やかに売り歩きたるドーナツは油まみれで買う気が起きず

おみやげにワッフル買って祭り去る博物館より満足高し

学生が趣向を凝らす学祭は若者文化の現物展示

   島大の学祭

娘連れ大学祭をハシゴするこんな経験二度とはないよ

手作りの露店が並ぶ学内はいつもよく見る学祭景色

これほどの学生見るのは初めてか普段静かな中央通路

太っちょのTシャツ着たる「ばか男」大声出してライブを仕切る

ボーカルの工学部生の馬鹿騒ぎ男ばかりの宴会の乗り

10円のチョロQ数台買い求む孫のおもちゃにピッタリの品

鳥大の遠慮がちなる見学もここは保護者で胸張り歩く

   大根島

連絡路走ってみたく車向け中海浮かぶ大根島に

直線の干拓道路が島つなぐ路面と水面高さに差がない

標高が最も低い火山島溶岩洞が火山の証し

人参や牡丹の産地八束町合併ありて松江市となり

   美保関

オオクニの妻と子奉る美保神社入り江の奥で静かにたたずむ

古代より海路のかなめ美保関鉄積む船も風を待ちたり

路地裏の車通れぬ石畳北前船にて賑わいし道

石畳抜けて入りたる古旅館歌人晶子も歌に詠いし

イカ焼きの匂い誘われ口にする昨日上がった肌白きやつ

先端の美保の灯台登りたる視界の半分日本海なり

   買い物

他国にて初めてむすめと買い物し夕食前に時間がありて

靴屋にてデザインサイズ合わなくてむすめ幾度も履き替えたりし

紺色のウオークスーツ選びしも作業着みたいと白系にする

大胆と慎重さとを併せ持つむすめなかなか買い物上手

居酒屋で刺身にホルモン注文す 二人の食事これで十分

最近の出来事どうと聞くむすめいつの間にやら大人の女

新さんま腹から食べる娘だが一口食べてあと親まかせ

   意宇の地

田園に国庁跡が残りたる意宇の地出雲の中心なりし

オロチより姫を囲いし八重垣社丘ひとつ越え鎮座をしたり

八雲立つ風土記の丘に人集い展示の遺物でいにしえ偲ぶ

   佐太神社

海引きて稲作適地現れる出雲は弥生の拠点のひとつ

古浦より上陸したる神々は佐太の付近に居を構えたり

杵築社と並ぶ勢力佐太神社検地以前は7千石あり

抜きでたる由緒正しき古神社参拝者なく維持に苦労す

陽光の古浦の海を眺めれば渡来の小船眼に浮かびたり

   佐陀運河

朝日受け魚跳ねとぶ佐陀運河日曜朝ののどかな景色

湾注ぐ朝日の中の佐陀運河出てゆく漁船ものどかさの中

江戸の世に苦労の末の佐陀運河船行き交いて賑わいし日々

宍道湖と日本海を結ぶ河 時代変わりて排水路になり

舟溜まりレジャーボートの数多く平成時代の運河の姿

   鬼太郎通り

妖怪の像がならびし駅通り今が旬にて客で賑わう

面白く妖怪ごとに撮影も数多すぎて残りキャンセル

看板はプロパン売りや電気店本業合い間にお土産を売る

電気屋の親父手先が器用にて鬼太郎グッズで商売をする

鬼太郎と記念撮影する親子それが絵になりシャッターを押す

お土産の孫に似合いしTシャツは80サイズの合うものがない

呼び込みの和食亭に足入ればさすが港の海鮮料理



第2章 トヨタプリウスへ

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