第7集 明治村
第3章 一体化
一体化
春うらら久しぶりなるアルデオに自然と心が一体化する
雪壁にシート倒して目をつむる窓越しの陽に小鳥の声に
母親の胎内ににも似たりしてベージュ基調のアルデオの中
素晴らしき景色の中のリラックス心の底まで自由にさせる
世の中の歯車となるこの吾に月に一度のアルデオタイム
アルデオ魅力
アクセルに即座に応えるアルデオは非力なれどもツーリング向き
雨降りて中で一日過ごせども何とか居れる室内魅力
洗車時に屋根まで拭けるアルデオはメンテするにも愛着が沸く
アルなどは古い車に入らない30年経た旧車を見れば
床下が魔法の小箱アルデオに椅子やテーブルお菓子まで積む
手作りのカーテン引けばアルデオは何処でも泊まれるカプセルホテル
アル乗れば快適空間手に入るソファーに音楽空調付きの
伝馬船
宍道湖の豊富な水で敵防ぐお堀今でも市内に残る
掘巡り歴史を語る伝馬船松江観光これに尽きたり
朝一に妻子と共に伝馬船時間や料金ネットで調べ
雨空に傘とコートを用意しも屋根に座布団コタツまで付く
橋低く屋根が自動で下がり来て客はコタツに額をつける
城よりも水辺のカモや鶴たちが伝馬船乗る客を迎える
正月の雪に倒れし木々多し普段は雪が少ない証拠
どちらとの問いに福井と答えればカニの話題がしばらく続く
県庁や図書館もあるお掘り沿い水路と街が溶け込んでいる
船頭の言葉巧みの案内も住宅裏はマイクを止める
船頭の横に大きな船外機「HONDA」の文字がお城に映える
お堀端
舟下りて喫茶でもらうぜんざいは何処にも負けぬ一級の味
出雲地へ集まり来る神々に差し出す餅が「ぜんざい」になり
お堀端当時のままに武家屋敷遠きが故にすべてが残る
古代より伝承残る松江の地八雲にとっては異次元世界
明治初期八雲愛した和庭園お城の見える堀沿いに在り
出雲にて八雲集めし伝承は水木しげるの鬼太郎となる
レジいう車
100キロを超えてターボが炸裂もヘッド弱くて亀裂心配
振動で楽に居られぬ後部席7人乗れても7人乗れぬ
極限で力発揮のレジアスは良くも悪くも本格仕様
灰色のビジネス仕様のシートでは汚れ見えぬもくつろぎも得ず
アルとレジその1
馬鹿やろう未だに決まらぬレジとアルどっちに乗れどどっちも魅力
松江まで往復千キロ走り切るレジにいつしか身体がなじみ
冬ごもり終えたアルデオ持ち出して峠走れば歓喜湧き出す
セルを換えタイヤも換えて万全のレジを離すにゃ気持ちがひける
11年16万キロ走り切るアルデオすでに老体となる
通勤もぶらり散歩も遠乗りも軍配上がるは古きアルデオ
段差さえ心地良いのはアルデオでレジはビシリと車体震わす
峠でも九十九折でも高速も気持ちの余裕はアルデオが上
熱風がブオッと吹き出すレジアスは寒き朝には心強きよ
稀に見る癒し空間アルデオに月に一度は入院治療
アルとレジその2
休み取りぶらり出かけたツーリングレジに換えたらほとんど行かず
ハッチ開け自然に親しむ山の中至福の時間はアルデオにだけ
アルデオの作り込まれたハッチには男のロマンがぎっしり詰まる
雪道の四駆ディーゼル強いけどFFアルも負けてはいない
乗ってみて優しい気持ちになれるのはレジアスよりもアルデオになる
レジアスの高い視点が曲者で「そこのけそこのけお馬が通る」
大自然改造をするレジアスとそっと近づき匂いかぐアル
ハードから出発したるレジアスと目的が先のアルデオ企画
20世紀遺産受け継ぐレジアスと次世紀担うアルデオ技術
環境や人に優しい時代にはでかくて重いレジにはつらい
バブル期の時代を映すレジアスと未来見つめたアルデオ視点
東北の地震
東北を襲いし巨大な大津波浜辺の町を壊滅させる
お風呂場のオモチャのように漂いぬ津波に飲まれる車の数々
数百の遺体発見情報は画像見るまで信じられぬよ
停電で冷却できぬ原発のニュース聴きつつ不安がよぎる
公共のNHKも民放も地震ばかりの放送続く
安全なはずの原発爆発に政府の発表想定外と
被害にて電力不足の東京都時間を決めて停電をする
あまりにも被害大きな大津波三日経てども総数不明
永久に残る場面ばかりなり映画のような地震のニュース
原発事故
停電で冷却水が働かず 燃料棒の加熱が続く
原子炉の建て屋吹っ飛ぶ爆発は1号のみか3号機まで
水足りず燃料露出の2号機は圧力容器で爆発起きる
使用済み燃料放置の4号機場合によっては被害拡大
放射能測定したるその値ミリシーベルトに単位が上がる
東京に40倍の放射能首都圏までも汚染の風が
東電も日本政府の会見も本当のこと放送のらず
大地震原発事故の影響か日本の株が売られに売られ
停電で工場まともに稼動せず市場の鮮魚は買い手が付かず
気になりぬチェルノブイリの汚染距離200キロなら東京入る
原発の数では負けぬ福井県事故が起きれば地域の破壊
最近の父その2
いつまでも窓閉めできぬ我が親父カギ半分で掛けたつもりよ
クチュクチュと動かしやまぬ父の口カゴの小鳥のさえずりにも似る
相づちを打てど戻らぬ会話にて父の話しも一方通行
軽トラのエンジン音がわからずに次から次へとクラッチ壊す
年寄りのことと思えど親父なり一緒に住むには無視にも出来ず
トイレ後に洗って欲しい手の汚れ孫もお菓子もその手で触る
気持ち麻痺
毎日の増える死者と不明者に気持ち麻痺して関心薄く
刻々と状況伝わる原発も連日連夜で緊張切れる
あまりにも悲惨な写真数多く新聞記事に視線が逃げる
ゆっくりとハワイの浜辺で休養を取りたくなった今日この頃
水や飯いまだ届かぬ避難所に遠く離れど心が痛む
被害地はアクセス悪く広範囲物資補給も容易に出来ず
大地震
早春の日本襲いし大地震政治経済試されている
あまりにも出来事多き七日間日本列島試練が続く
災害も誰も憎まず受け入れる東北人に頭を下げる
1週間経てど掴めぬ全容で被害総額見当付かぬ
富士山や東京湾の震源地危なき場所に震源がある
政治的弱点突かれる我が日本しっかりせねば沈没をする
各界に支援広がる日本に次の時代の希望を見たり
夜明け
福島の原発直下の震源地 今でも日本が襲われている
沈没をさせてはなるかこの日本 力合わせて頑張るだけだ
葛飾の飲み水までが汚染あり関東地域正念場なり
人類の人口減らす計画か各地で起きる地震や災害
東北が夜明けとなって明けてくれ慈愛あふれる世界となって
レジ明日
家族用ミニバスとなるレジアスは何処へ行くにも全員乗れる
激動の世の中生き抜く相棒よいつでも動くレジアスならば
最後には屋根付きバンで使えるよ後ろ二列の座席外して
何あれど中で眠れる安心はレジアス残す理由のひとつ
レジ明日と書けるレジアス嬉しいね家族の明日を担ってほしい
この先に燃料上がって乗れぬならバイクに換えて車体は保存
インフレで車が買えぬ世になれば命の限りレジ使えるぜ
新しい職場
異動にて本庁離れて支所勤務勝手わからず右往左往し
通勤のマイカー置くにも指定席本庁勤務じゃありえぬ話
弁当を注文するのもひと苦労どれ注文も想像つかぬ
直付けで運動不足の毎日よ昼飯あとに近辺歩く
谷沿いに残雪見える窓景色こんな事務所は他に見られず
銀行にホームセンターコンビニと本庁よりも生活便利
5月の連休
人並みに連休消化と動物園息子夫婦に妻母連れて
涼しげな木陰のヤギに子が群れる車あふれるサービスエリア
混雑でひときわ遠い駐車場母を乗せたる車椅子押す
聡一が初めて出会うアザラシは水中泳ぐ黒い犬のよう
絵本にて覚えし象に対面も大きな体に孫戸惑いし
眼前のオラウータンのブランコは言葉に出来ぬ格好なりて
小さくもそれなり回り楽しめるきらりと光る動物園なり
今年の田植え
青空に家族みんなで田植えする道傍おおうシバザクラ見つつ
あれこれと口出す老父の注文も傍から見れば微笑ましき絵
田植え機のガソリン見れば空なりて老父の準備も抜け落ち多し
孫と嫁散歩がてらに田に来たり田植えというより家族の祭り
用水に流れる水のありがたき当たり前では無い場所もある
連休の国道走る車たち家族総出の田植え眺めて
お昼には田植え終わりし三反田さえ苗始末は親父の仕事
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