第9集 今が一番
第4章 楽しみは
楽しみはの畑編
楽しみは10個目のスイカ採り終えて
ご苦労さんと蔓まくりするとき
楽しみはジャングルなりしミニトマト
薮蚊気にしつつその赤き実を採るとき
楽しみは次から次へと黄色に熟し
食卓を賑わすマクワウリを収穫するとき
楽しみは仕事を終えて畑行き
乾いたナスの根元へ水をたっぷり遣ってやるとき
楽しみは夏の盛りに種をまき
すくすく天に向かって伸びるインゲンを眺めるとき
楽しみはけなげに実を付けるオクラ見て
根元にそっと追肥を入れてやるとき
楽しみは林と化したモロヘイヤの新芽を摘み
さっと茹で上げご飯にかけ食するとき
柿木伐採
蔵の屋根登って食らう熟し柿小さき頃の思い出にあり
突然に柿木切るという親父息子還暦相談しろよ
ロープにて梯子しっかり固定する親父居れども頼りにならぬ
吾が親父梯子を持つと言うけれど5秒と待たずに他の仕事する
枝落とし幹にかかれど親父消ゆ 朝のドラマを見に戻りたり
ロープ掛け音たて倒れる柿木に親父居ずとも満足したり
チェンソーで6個に分ける柿の幹水分多くて移動が出来ず
翌日の仕事となりし薪割りも暑き9月の日差しを避けて
稲刈りの句
山間の村に群れ飛ぶ赤とんぼ
百姓が手により掛けた黄金色
手で刈りし苦労を知らぬコンバイン
機械化で田んぼの場所がわからぬ娘
刈り遅れライト照らしてコンバイン
何あれど待ってはくれぬ黄金の田
籾摺り機動き出すまで四苦八苦
部品なく途方にくれる畦の道
腹立てど古き機械に責任はなし
ユンボ
畑掘るユンボの姿の頼もしき十人雇えどここまで出来ぬ
山積みに掘り起こしたる畑土 別宅まるで工事の現場
手足ほど自由にならぬバケットも畑入れば鉄人になる
ユンボにて掘り返たる吾が畑 モグラ、ミミズは一匹も見ず
家壊し更地になって九ヶ月我が家の畑もやっと人並み
ツルハシで二年覚悟の開墾も機械のおかげで半年余り
手作業とユンボ使った開墾で掘りも掘ったり九トンの石
親睦旅行
車中にてロックで飲みしバーボンが秋の京都を酔いどれにする
嵐山湯とうふ料理に薬味なし とうふの味をそのままに食う
カヌーにて川面を下る外人に声を掛けたる川下り舟
撮影に遅れて来たる二人連れ人力車にて渡月を渡る
ブランドの買い物袋を山に持ち満足顔の若き職員
川床で酒の肴に眺め居り熱き二人が並ぶ川辺を
人混みの鴨の河原に娘を想う今は離れて他国に住めど
赤とんぼ群れ遊びたる嵐山 美山のそれと何処が違うの
きみまろの毒舌に酔うバスの中 京の記憶と土産抱えて
杏子とみかん
シロのあと勝山から来たやんちゃ猫半年余りで車に轢かれ
突然の事故にて逝きし愛し猫 彼岸花添え庭先に埋め
あまりにも急な展開追いつけず家族の気持ちが宙を舞いたり
翌日にペットショップで猫探し箱入れ帰る半額の猫
我が家来た由緒正しきちびの猫 やんちゃ娘でやること同じ
予想外食いしん坊のみかんちゃん1週間で体重急増
今年の仕事
開墾し見よう見まねの夏野菜トマトもカボチャも大豊作よ
ユンボ入れ二年の仕事が半年よ機械の力はありがたしかな
壁抜いて煙突立てて据え付ける自力で出来たストーブ設置
石取りに野菜作りに薪作り今年の仕事大満足なり
古きレジアス
いつまでも古きレジアス使い込む野外遊びの移動基地にて
プリウスもアクワも出来ぬ得意技ハッチ広げて調理空間
屋根からの自然光にて読書する 雨風吹けど寛ぎの部屋
往年の造りを見せるハイエース年月経れど魅力は褪せず
薪ストーブ
何年も恋焦がれたるストーブの不安要素は薪の調達
金あればいつでも買える薪ストーブ意志はともかく生活変える
ほのぼのと心も身体も温める唯一無比の薪ストーブかな
炎見て感動したるストーブも月日が経れば暖房の器具
乾燥の度合いで違う火の具合薪のストーブ奥が深いぜ
うず高く薪積み上げて悦に入る他で得られぬ密かな楽しみ
形見なるドイツ製なる薪ストーブ再生すべきか頭悩ます
先進も実用的とは言いがたく鍋もかからず湯も沸かず
我が家の10大ニュース
初売りで求めしストーブ横に置き冬に備えて薪割り励む
知り合いのユンボー入って石を取る搬出した石10トンになり
初めてのキュウリにカボチャナストマト 今年の夏は豊作の夏
母親の乳がん手術済ませども乳大きくて痕もわからず
母親の鼻に出来たる皮膚のがん 手術済めども血が止まらない
山間で地域の活性探りたり定年間じかの長男の職
雪の中十七年の永き日を家族と過ごしたシロが逝きたり
勝山のおてんば娘の杏子君バンに轢かれて早き旅立ち
半額の猫が我が家にやってきたやる事なす事杏子と同じ
アップルにウインノートがやってきて不況の電機に一役担う
チェンソー
初めてのチェンソー買って悦に入るしかも世界のスチール製品
今だけのキャンペーン価格に小躍りす4割引きは夢の価格よ
薪作る強き相棒手に入れて気持ちはすでに山へと走る
一流のスチールチェンソー手に入らば腕未熟でもベテラン気分
歳の暮れ
雪付けた美山の杉が凛と立ち屋根の下では正月仕度
美山郷やること済まして年の暮れテレビ見ながら息子らを待つ
年代の除雪車壊れ仕方なく窓を眺めて降る雪を見る
正月の買い物するのも大仕事美山に店なく福井まで出る
吾が正月
ご褒美にサンタがくれた機械ノコ何はともあれ和室へ入れる
餅つきは家族総出の大仕事掛かりし猫は風呂場閉じ込め
紅白も新年行事も興味なくいつもと同じ十時には寝る
薪をくべまったり過ごす正月よ厚き新聞前に広げて
混雑の駅にて娘見送りて二十四年の正月終わる
グレンスの斧
新装のホームセンターぶらつけば世界の斧がずらり並びし
ネットにて世界の名品調べればスウェーデン製グレンスとあり
通販で槌斧探して買い求む2キロ半では重すぎるかも
店頭でクサビ2本を買い求む節の丸太も万全なりし
クサビまで舶来製を買い求むここまでくれば完全に趣味
今年の冬
大雪と身構えたれど肩透かし代りに寒波首都圏襲う
首都圏に寒波襲いて大慌て 裏と表が入れ替わる冬
初めてのチェンソー買って悦に入るしかもドイツのスチール製品
今だけのキャンペーン価格に小躍りし四割引きは夢の価格よ
薪作る強き相棒手に入れて気持ちはすでに山へと走る
正月
雪付けた美山の杉が凛と立ちかまどに薪くべ正月仕度
美山郷やること済まして年の暮れテレビ見ながら息子らを待つ
年代の除雪車壊れ仕方なく窓を眺めて降る雪を見る
新年の眩しき山に希望見る激流の世は先が見えずも
美山にて
百越えて精力満ちる古老画家 今の時代を自在に生きる
フィットあれこれ
心配を吹っ飛ばすよなチビフィット価格安くて仕上げ悪いが
懸案のCVTさえ文句無く AT仕様と変わらぬ加速
前見れば視界広くてご満悦走ればまるで中型セダン
フィットで山道走るにゃSモードどんな坂でもグングン登る
高速の加速も走りも十二分 ちょっと軽いが使える車
SAで恥ずかしくない白フィットエコしてるぞと自己主張する
新しき技術が詰まるコンパクト燃費の良さは次世代基準
旅先でシート倒して車中泊小さなフィットがキャンパーになる
ハッチ開け椅子とテーブルコンロ出しいつもの木陰でコーヒーを飲む
通勤や冠婚葬祭小旅行 何処でも絵になる稀なる車
車入れ替え
目的が減車のはずの車換え本意に沿わず逆に増えたり
安心のトヨタに飽きてホンダ換え 浮気心に天罰下るか
新車買い手放すはずの1台が未だ決まらぬアルデオとレジ
あれこれと欠点目立つホンダ車に 現車来るまで不安が巡る
気が付けば客が本位のトヨタ社と企業本位のホンダの会社
ホンダ車は走り倒して使い切る 多少の弱点もろともせずに
アクティが事の始まり車換え エコになったか将来分かる
穴開けどエンジン唸れど使い切る これぞホンダの真髄のはず
原木の始末
蜂の巣をつついた様な我が家族 3トン余りの原木届き
週末に楽しむだけなら一生分 山と積まれた原木の量
新調の斧とチェンソー出番待つ 山に積まれた原木前に
チェンソーの音響かせて丸太切りストーブ人生これが醍醐味
知り合いと二人で励む木の始末 後から見ればこれも思い出
スチールもこれだけ使えば御の字でこいつ無ければ仕事にならぬ
去りゆく職友に
歴代の長に仕えて四十年 美山の里に足跡残す
パソコンにスキーに旅行に車まで退職してから遊び尽くせよ
健康に危なきものは近寄せず ストーブ焚いて百まで生きよ
人情と美山の牧歌が溢れ出す 七郎丸の詠みたる俳句
退職で農産経営本格化 機械揃えて準備万端
酒飲みの健康支える朝修行 年考えて程々もよし
新年度
二年目の支所長家業も板に付き職員替われど無事にスタート
元課長ばかり集まる再任の 経験生かす仕事が無いよ
新年度人の異動は多けれど美山は美山何も変わらず
玉切り
薪用の山と積まれた木の始末チェンソー無くては仕事にならず
初めての手入れ勤しむチェンソーは吾にとってはどれも楽しみ
格安の普段使いのチェンソーも自分にとって至宝のごとし
パナのカーナビ
安くてもさすが天下のパナのナビ 使い易くて機能十分
県越えど鮮明画面で楽します フルセグワンセグ自在に換えて
青色の進路の色に驚くも 目的地まで案内確か
標準のDVDに不足なしハワイで撮りしビデオ映れば
FMもAMラジオも文句なく普段使いの情報源なり
専用のチューナーよりも音が良い 六万足らずのナビの音質
ケヤキ割り
斧打てど楔を打てど割り切れぬ 強情者の乾いたケヤキ
知り合いが二万で買った薪割り機 強情ケヤキと対決をする
新斧とクサビ手に入れ慢心か 遅れ大敵ケヤキの始末
フィット雑感
それなりの値段の割りに良く走るホンダ社製のそれなりのミニ
高速で走ればうるさいタイヤ音走っているぞと自己主張する
CDのベースドラムは聞こえても何の曲だか良くわからない
後席のシート倒せば床になる工夫次第で宿泊可能か
小さくもそれなり乗れる経済車未来見据えた時代の車か
最近の出来事
日を置いたケヤキの玉の割りにくき幾度打てども繊維離れず
遅霜に苗やられては一大事晩酌後に袋被せる
購入の種ジャガよりも手前種人の意知ってか育ちが早い
お店にて買った新苗時期悪く天候待ってハウスで過ごす
順調に植え付け終えたトマト畑袋アンドンずらりと並ぶ
人力と言えどさすがに機械物硬きケヤキをバリバリと裂く
4月の野菜
雪解けの追肥が足らぬタマネギは時代に合わせてどれも細身よ
春先に店で求めし種芋はいつまで待てど若芽を見せず
苦労して冬越ししたる小松菜は 菜の花ばかりのお花畑よ
種まきが4月初旬のインゲン豆ひと月経ってやっと芽を出す
初苗を勇んで植えたピーマンに遅霜怖しとシートを被せ
冬越して育ち盛りのホウレンソウ 貴重な緑で卓を賑わす
トンネルで寒風さける稚苗らが連休明けの植え付けを待つ
ニンジンの風に飛ぶよな小種達初芽出すのに20日を要す
ばら蒔きのホウレンソウと小松菜が我や先にと一気に芽出し
職場にて貰ったネギ苗二十本元肥入れ込み畑を作る
4月の畑短歌
2年目で自信つけたか我がはたけ品種ばかりが次々と増え
爽やかな好天続きの5月だが畑の土は乾きっぱなし
5時半が出勤時間の畑仕事こんな自分を誰が想像
屋根つけて支柱に結わえて芽を欠かれトマトにすれば受難の日々よ
ひと雨で勢い戻りし茄子の苗若葉や茎を紫に染め
虎の子のキュウリ一本異変有り新芽の代わりに葉っぱ出てきて
早播きで低温被害のダイコンはすべての株にトウを立てたり
花終えて葉を赤くして倒れこむ収穫近いジャガイモの畝
天向かい勢いつけて巻き上がる4月に蒔いたインゲンの蔓
タマネギが太って来たぜここへ来て春に肥やしを遣り損ねたが
南国の真夏大好きウリスイカ日差しと気温で葉数を増やす
雑草のごとく芽を出すミニトマト大玉トマトの畝の間に
いつまでもスタート切らぬトウキビにしびれ切らして追肥を入れる
六月の気分
今何も考えたくないしばらくは畑を見ながら一日過ごす
事故もあり少し不調の若夫婦今が試練と乗り越え期待
毎日の列車見学もう飽きた孫の迎えもやめたい気分
目の前に退職控えた我が日々はこだわり執着すべて消えゆく
休耕の田に植え付けし里のイモ伸びゆく姿に元気をもらう
望めどもトラック通勤重なればないとは言えぬわびしき思い
昨年と同じにならぬもどかしさ野菜作りも奥が深いぜ
菜園に旅行を越える魅力あり退職あとは畑で過ごすか
別宅で晴耕雨読の生活か世捨て人にはそれも良いかも
タマネギの収穫
息子らのタマネギ扱ぎの不器用さ茎が取れたり玉が割れたり
お袋が動かぬ身体で束くくり久しぶりだよ親子の作業
タマネギの棚掛け意外に軽作業息子声掛け勇んでみたが
半年の苦労の末の作品が車庫の裏手にずらりと並ぶ
週2回カレーライスが作れるよ三段並ぶタマネギの束
還暦の歌
激動の世にこそ自足の野菜かな
円安も争いごとも他の世界野菜の世話で心を癒やす
還暦ら世間話に花咲かす健康話題と畑の話
老いた親重き仕事に掛かる孫すべてを忘れ畑の水遣り
6月初旬の畑歌
意外にも気難しがりの我がオクラ一月経てど成長見せず
トウが立ち収穫できぬ夏大根蝶が飛び交いお花が見ごろ
日差し浴び大きく育つ夏キャベツ虫にも美味か穴あきだらけ
収拾が付かないほどの孫のツルしばらく見ぬ間のスイカ株なり
放任のつもりで植えた田のカボチャ意外に良くて空けず見に行く
漏れ水の下に植えたる里の芋水遣り要らずの不精の仕事
本年は三種のジャガの植え比べ形も違うし育ちも違う
2年目で少し自信のウリの株まずは葉数と増やしに増やす
理由なく栄養過多の我がトマト茎が太くて葉も巻いている
紫の花が嬉しいナスの畝茎も葉っぱも黒々として
八方に小枝が伸びるミニトマト花が惜しくて剪定できぬ
6月中旬の畑歌
雨降りて勢いつける畑ものどの畝見ても生命息づき
5月にはじっとしていた蔓のものここぞとばかり葉数を増やす
黒々と枝葉を伸ばすナス株は精気溢れる青年のよう
次々とわき枝増やすミニトマト何本建てか区分けが付かぬ
春先に畑を舞いしチョウチョ達キャベツに巣食う青虫となる
モロッコは平サヤ仕立てのインゲンと実が採れ始めやっと分かりし
先週に花粉を付けし雌のスイカ見る見るうちにテニスボールに
放任がいいのか田圃のカボチャ株畑より早く実を付け始め
一番の楽しみだった里の芋アゲハの虫に食い荒らされる
この前に植えたつもりのモロコシがわれや先にとその穂を付ける
タマネギの収穫
息子らのタマネギ扱ぎの不器用さ茎が取れたり玉が割れたり
お袋が動かぬ身体で束くくり久しぶりだよ親子の作業
タマネギの棚掛け意外に軽作業息子声掛け勇んでみたが
半年の苦労の末の作品が車庫の裏手にずらりと並ぶ
週2回カレーライスが作れるよ三段並ぶタマネギの束
還暦の歌
激動の世にこそ自足の野菜かな
円安も争いごとも他の世界野菜の世話で心を癒やす
還暦ら世間話に花咲かす健康話題と畑の話
老いた親重き仕事に掛かる孫すべてを忘れ畑の水遣り
6月初旬の畑歌
意外にも気難しがりの我がオクラひと月経てど成長見せず
トウが立ち収穫できぬ夏大根蝶が飛び交いお花が見ごろ
日差し浴び大きく育つ夏キャベツ虫にも美味か穴あきだらけ
収拾が付かないほどの孫のツルしばらく見ぬ間のスイカ株なり
放任のつもりで植えた田のカボチャ意外に良くて空けず見に行く
漏れ水の下に植えたる里の芋水遣り要らずの不精の仕事
本年は三種のジャガの植え比べ形も違うし育ちも違う
2年目で少し自信のウリの株まずは葉数と増やしに増やす
理由なく栄養過多の我がトマト茎が太くて葉も巻いている
紫の花が嬉しいナスの畝茎も葉っぱも黒々として
八方に小枝が伸びるミニトマト花が惜しくて剪定できぬ
6月中旬の畑歌
雨降りて勢いつける畑ものどの畝見ても生命息づき
5月にはじっとしていた蔓のものここぞとばかり葉数を増やす
黒々と枝葉を伸ばすナス株は精気溢れる青年のよう
次々とわき枝増やすミニトマト何本建てか区分けが付かぬ
春先に畑を舞いしチョウチョ達キャベツに巣食う青虫となる
モロッコが平サヤ仕立てのインゲンと実が採れ始めやっと理解し
先週に花粉を付けた雌のスイカ見る見るうちにテニスボールに
放任がいいのか田圃のカボチャ株畑より早く実を付け始め
一番の楽しみだった里の芋アゲハの虫に食い荒らされる
この前に植えたつもりのモロコシがわれや先にとその穂を付ける
今が一番の編 終わり
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