15c 農業ITセミナー |
2002.11.15 14時頃 107教室 |
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ANC大会2002 ANC事務局 anc@mail.sorimachi.co.jp 後援:ソリマチ株式会社 ANCとは・・・・ 農業アグリネットワークサークル(ANC)は農業情報ネットワークを利用することで農家個々の経営の向上を目指し、新しい「情報化農業」を実践する農業者の集まりです。情報を駆使し、情報を武器とした「情報化農業」を実践してまいります。 みなさんのANCへのご参加、お待ちしております。 昨年、北九州で第1回ANC大会を開催いたしました。80名を超える農家の方がたにお集まりいただき、活発な意見交換が行われました。 今年も農業情報ネットワーク全国大会にて、第2回ANC大会を開催することになりました。昨年同様、実りある大会となるよう下記のような内容ですすめてまいります。 1.農業ソフト活用事例のご紹介 【講師のご紹介@】 ■口町弘幸氏 (茨城県) 茨城県立農業大学校 日本大学法学部法律学科卒業後、就農 経営作目 ぶどう 柿 水稲 口町さんは16年前、まだかなり高額だったパソコンを購入され、15年にわたり、日々の農作業状況を農作業日誌に入力されています。そして、それらのデータを分析し、果樹の病害虫対策や土壌改良などで大きな成果をあげられました。データを細かく蓄積、問題点を洗い出し、対策をみつけるという繰り返しにより、安定した生産が実現し、売上を伸ばすことに成功されました。口町氏の農業ソフト活用のノウハウについてお話いただきます。 【講師のご紹介A】 ■番場睦夫氏 (石川県) 県内の進学校を卒業後、就農 農業を営みながら、石川県農業短大卒業 経営作目 水稲 平成元年よりパソコンを導入、その後、規模拡大をすすめ、精力的に農業経営にとりくんでおられる番場さん。平成4年より有志でFAX網を構築し、局地的な気象情報を購入、地域情報交換を実践。また、農業簿記協会から優良記帳農家表彰を受けるなど先進的な取り組みを行なっておられます。翌5年には(有)ばんばを設立し、特別栽培米「感激!」「ずばぬけ」「三人のお百姓さん」の販売を開始されました。 その後も無農薬栽培へのとりくみやホームページ開設http://banba.pos.to/など多岐にわたりご活躍中です。 2.農業ソフトの活用方法について (ディスカッション) 口町氏、番場氏と松本チェアマンを中心として、参加者の皆さんと一緒に、「農業ソフトの活用方法について」ディスカッションを行います。 活発な意見交換を行い、全国の農家さんとコミュニケーションを図ってまいります。 =チェアマンより= 販売した野菜の集計をしたい、それが私とパソコンとの出会いでした。かれこれ16年のおつきあいになるんですね。今でも私のパソコン利用の中心は、販売管理です。 アグリネットワークサークルには、農業にパソコンを上手に利用している仲間がたくさん集まっています。私も皆さんのお話をうかがって、いつも勉強させていただいております。皆さん、いっしょに始めませんか。アグリネットワークサークルは、つねに新しい「情報化農業」を実践する農業者の集まりです。 チェアマン 松本博志(茨城県) (略歴) 1979 高校卒業と同時に就農 1986 農業にパソコンを導入 1988 農林統計協会主催「コンピュータによる農業情報活用コンクール入賞(準優秀賞) 1989 江戸崎地区農業パソコンクラブ (EPOC)設立 初代会長 農業情報利用研究会(JSAI)設立に参加 1993 やらなきゃ損する農家のパソコン (農文協)共著出版 1997 ソリマチ農業ソフトインストラクター認定
2000 アグリネットワークサークル(ANC)設立 初代チェアマン 経営作目 すいか 白菜 ごぼう 他20品目 経営規模 耕作面積 延 3 ヘクタール 経営形態 露地野菜専業 市場出荷:直販=6:4 自分自身が食べて美味しくない物は、絶対に販売しないをモットーに生産、販売をしております。 =後援 ソリマチ株式会社より= 本日は、第2回ANC大会開催おめでとうございます。 弊社では1986年に農業経営簿記を発売し、以降、農業ソフトウェアの分野において、農家様の情報化支援をすすめてまいりました。 発売当初は、パソコンを導入されておられる農家様は極めて少なく、農家様一軒一軒を訪問し、操作指導をさせていただいておりました。その時は情報化の進歩が、一家に一台パソコンをもち、インターネットを自在にあやつる時代が、こんなに早く到来するとは思ってもおりませんでした。 今では、ユーザ様も全国に広がり、各地のソリマチ認定インストラクターのみなさまがパソコン簿記指導、農作業日誌操作研修会などを行って下さっています。
私どもはこのような恵まれた環境の中、農家様を一軒一軒訪問させていただいた初心を忘れることなく、よりよい農業ソフトウェアの開発を行い、この分野において、情報化の推進・支援のお役に立てればと考えております。 今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
ソリマチが考える農業ソリューションの取組み ソリマチ株式会社 木村 浩 h_kimura@mail.sorimachi.co.jp 平石 武 hiraishi@mail.sorimachi.co.jp [講義内容] 2000年、IT革命がブームとなり、パソコン・携帯電話・PDAなどが普及し、まさに情報化社会と呼ぶにふさわしい時代となりました。 ソリマチは今まで農業簿記や作業日誌など、農業・農家向けに数多くのパッケージソフトを開発してきましたが、更に、地域の情報ネットワーク化を推進するため、Webを利用したシステム開発への本格的な取り組みが始まっています。これから、インターネットとパッケージソフトを融合した様々なソリューションをご提案してまいります。 更に新しい事業分野として、漁業分野への取り組みを計画しています。 |
1.Webソリューションの取り組み ADSLなど高速かつ安価なブロードバンドネットワークの普及が進んでいます。インターネットは団体、企業、個人を問わず極めて身近なコミュニケーション手段となりました。ASPのようなインターネットを活用したアプリケーション提供サービスも今後本格化することが予想されます。農業分野でもイ ンターネットをいかに利用するかがテーマとなっています。 一方農家の皆さんにとっては、農業青色申告だけでなく、確定申告、不動産青色申告など財務管理の重要性がますます高まっています。またBSE問題、農薬問題などから生産・流通での履歴管理(トレーサビリティー)をいかに実行するかが喫緊の課題となっています。 このような財務管理、生産・流通管理などを正確に、しかも効率よく実現するためにITの利用は欠かせないものとなっています。 更に2003年度からは電子申告が始まります。インターネットから申告の手続きが可能になり、インターネットの利用価値がますます高まってきます。今後はe−Japan戦略に基づき、各種行政サービスの電子化の取り組みも本格化してきます。 弊社では、これからのインターネット時代に対応するため、弊社の得意分野である会計と農業をキーワードに、体系的なWebソリューションを開発・提供してまいります。 < 財務支援系Webソリューション > ●Web農業簿記(簿記会計) 弊社パッケージソフト「農業経営簿記」で提供している機能(一部制限あり)を実現。自動仕訳から申告書・決算書を出力。農業青色申告に対応します。JA取引データを仕訳データとして取り込むことも可能です。 ●Web確定申告 確定申告に必要な情報をウィザード形式で入力。面倒な税金計算などを自動処理したうえ、申告パターンに応じた確定申告書、添付資料、収支内訳書などを出力します。また電子申告のためのデータを作成します。 ●Web資産管理 不動産資産、減価償却資産、育成資産などを総合的に管理します。売買、賃貸などを通じた資産運用を支援します。また青色申告、確定申告とのデータ連動を実現します。 < 営農(生産・流通)支援系Webソリューション > ●Web病害虫防除 病害虫防除指針、病害虫図鑑、農薬一覧、防除ポイントのデータベースを提供。検索機能により、それぞれ関連するデータをわかり易く表示します。病害虫診断や防除対策、農薬の選択などに威力を発揮します。 ●Web栽培暦 作物毎、圃場毎の栽培計画を作成。また作業日誌の入力により栽培内容の履歴管理を行います。デジタル化された履歴情報はトレーサビリティーのニーズに柔軟に対応できます。 2.ソリマチクラブとAGRI8サービスのご紹介 ソリマチクラブは、農業簿記ソフトのベストセラーである農業経営簿記Ver.5プラスと7月に発売された農作業日誌Ver.6ユーザ向けの保守サービスです。ソリマチクラブの最大の魅力は青色申告決算書対応レベルアップ版CDの無償提供という特典でしたたが、農家の皆さんの申告を完全サポートするため、本年より新ソフトである確定申告システムの無償提供を開始しました。 また、農業情報のポータルサイトAGRI8をソリマチクラブの特典の目玉として、昨年11月にオープンしました。簿記や日誌のQ&A集や税理士による無料相談、1キロメッシュ気象情報の提供、さらに7月からは農作業日誌のiモード入力サービスなど、 ソリマチならではの農業ソフトユーザ様向け のサービスをご提供しています。 今後は製品のレベルアップ版ダウンロードなど様々なサービスの拡充を行い、農業情報ポータルサイトとしての機能アップに努めてまいります。 3.農業簿記システムの改良について 1985年に農業経営簿記Ver.1を発売してから約17年が経とうとしています。Ver.1以来たくさんのユーザー様から要望を取り入れ、すべての農業の経営形態で利用できるように改良を重ねてきましたが、更に幅広い農家の皆様にご利用いただけるよう、新しい農業簿記を検討することにしました。 平成13年11月に行われた農林水産省統計情報部の調査によると、 @ 「パソコンを所有している農家」は53.1%、「パソコンを農業経営に利用している農家」は9.7%で A認定農業者のいる農家におけるパソコンの農業経営への利用割合は36.2%です。 Bパソコンの農業経営への利用目的は「簿記・青色申告等経営管理」が73.5 %で最も多く、これを、部門別にみると、肉用牛が94.1% 、工芸農作物が92.3% 、酪農が89.5%と農家平均より高くなっています。 C 「パソコンでインターネットを利用している農家」は32.8 %です。 また、青色申告を行っている農家は、国税庁の資料によると10年前は約1万人ほど毎年増加していたものが、近年では6千人の増加しかなく、青色申告をするべき人はほとんどしているといった状況と思われます。 そこで、新しい農業簿記は以下のようなコンセプトで検討を始めています。 @青色申告をスムーズに実現できるシステム まず白色申告から行ない、徐々に青色申告へ移行できるシステム A高機能より使いやすさ 操作性・文言・ガイダンスなどの充実 B多様な経営形態に対応 不動産管理・複合経営・農業法人・生産組合などで使用できるシステム。それぞれのユーザーにマッチした機能が選択できる C他システムとの連携 インターネットや他製品との連携を強化 D新しい制度に柔軟に対応 2003年からの電子申告対応、消費税の改正に対応(まだ未定) 4.漁業向けソフトの開発について ソリマチが農業ソフトに着手して20年、農業の情報化に貢献したいという想いから様農業者向け、指導機関向け、JA向など様々なソフトウエアを開発してきました。「世の中のためになるこをやる」という経営理念と農業ソフト開発で培ったノウハウを活かしたいという考えから、漁業向けのソフトウエア開発計画のビジョンが生まれました。 漁業では現在、経営体・就業者とも、経営主の高齢化、後継者不足などにより減少を続けており、平成13年の海面漁業経営体数は14万1,593、漁業就業者は平成11年には27万人となっています。男子漁業就業者に占める60歳以上の割合は44%です。 また、昨今の食品の安全性重視の点からも養殖の魚の飼育履歴管理の必要性や、輸入魚の増加の問題も出ています。 養殖は畜産と酷似しており、青色申告も必要であるという点で、ソリマチでは経営管理(簿記、日誌)を中心に、インターネットと融合したシステムを養殖業を中心とした漁家の皆さんや漁協に提案していきたいと思います。 ウェアラブル・コンピュータと音声入力による農作業日誌V6の活用(参考出展) ソリマチ株式会社 平石 武 hiraishi@mail.sorimachi.co.jp [プロフィール] 1984.3 新潟大学 農学部 農業経営学 研究室 卒業 1984.4 農業生産法人 有限会社 グリーン に従事 1986.10 ソリマチ株式会社 入社 2002.3 農学博士 学位取得 (有)グリーンで実際に農業(稲作)に従事し、そこから得たノウハウを活かしソリマチ株式会社にて農業用ソフト開発を担当する。農業経営簿記や農作業日誌、ニューファーマーなどの現場の農業者に使えるソフトを次々と開発し、現在製品企画部にて新製品の企画を練る。 [講義内容] 昨今、農産物の安全性がマスコミの間で話題になっています。安全性には2つの視点があり、ひとつは、農薬等の使用(履歴)などを管理すること。ふたつめは、農産物の流通過程に於ける虚偽の表示で、いわゆるトレーサビリティと言われるものです。 農家は自分が栽培した農産物に対して責任を持って栽培履歴を消費者やスーパーなどに提示しなければならないし、卸売り・小売業者はその農産物の流通に責任を持たなければなりません。まず、第一歩としては農家の栽培履歴の管理であり、農産物に付加価値をつけ、安全な農産物を提供するためにも農作業日誌は必要不可欠な行為です。 しかし、農作業日誌を毎日記録することは容易でなく、さらにパソコンに不慣れなために入力できない農業者が多のも現実です。そういった不便さを解消するため農作業現場で音声による日誌入力を可能とするシステムを開発し、参考出展しました。 1.ウェアラブル・コンピュータについて ウェアラブル・コンピュータはまさしく身に着けるコンピュータであり、現在は主に産業用や軍用、警察、保安、医療目的で利用されています。その特徴から、両手を空ける必要がある作業や、狭いスペースでの作業、内密に任務を遂行しなければならない技術者や兵士の作業効率を高めることができるとされています。 メリットとしては以下のことが想定できます。 @電子機器、各種機械機器の修理、分解、分別等への応用 A発電、変電所、ガスプラント、化学プラントなどのメンテ、分解などへの応用 B地域開発景観シュミレーションとしての応用 C複雑な配線や生産現場での応用 Dモバイルシステム、エンターテイメントなどの応用 E消防、防災等への応用 しかし、現在のウェアラブル・コンピュータは、頭にヘッドセットを装着し、コンピュータを腰につける形態であるため、汗まみれ、泥まみれになる場合もある農作業での利用というのは現実的ではありません。作業時に常に装着するというよりは、ほ場の見回り時や病害虫を発見した際の記録、データベース検索などを現場で行うといった利用になるであろうと思われます。 今回参考出展するウェアラブル・コンピュータはザイブナー社の以下のものです。 横20cmほどの小型のコンピュータであり、中身はWindows2000が動くパソコンです。 ・Intel Mobile Celeron 500 MHz, ・128MB RAM, ・5GB HDD (バッテリー付属) Windowsマシンであるため、弊社の農作業日誌V6がそのまま動き、片目でディスプレイが見えているような感覚で操作ができます。
2.音声認識について パソコンに不慣れな農業者が音声により日誌を記録できれば非常に便利です。さらに前述したウェアラブル・コンピュータにおいてはキーボードが使えないため、音声により操作したり入力することができなければなりません。 音声認識エンジンは、アドバンスト・メディア社のAmiVoice(アミボイス)というエンジンを利用し、そのエンジン(ActiveX コントロール)を農作業日誌V6に組み込みました。 AmiVoiceの特徴としては、 @不特定話者 発話者の特別なトレーニングや困難な個別学習は必要としない。男女性別を問わず、子供からお年寄りまで可能。 A連続的な発話に対応 単語レベルから自然会話にいたるまで可能 B発話スピードにフレキシブルに対応 発話者の発話スピードに対して非常に柔軟に対応可能。 Cなによりも高精度・高速処理の認識率 Dノイズ対策 このAmiVoiceを農作業日誌V6の作業日誌入力と営農日記に組み込みました。作業日誌では、誰がどの作目にどういう作業を何時間行い、資材は何をどれくらい投下したか、といった記録を音声により入力したり、気温や天気も入力できます。また、営農日記では今日行った作業を話し言葉でそのまま日記として記録することができます。 これにより、家に帰ってパソコンに向かい入力するのが面倒だと思う人でも、現場で作目の成長具合、病害虫の状況、投下資材の記録などを音声で話しながら簡易に記録することが可能となりました。 3.課題 しかし、課題はまだ多いです。現場でウェアラブル・コンピュータを装着して動くにはまだ不便さが残りますし、片目でのディスプレイを見るのにも慣れが必要です。 音声認識も通常の言葉であれば問題ないですが、農業特有の用語や資材の名称などは、前もって単語辞書登録しておかないと誤変換することがあります。こういった問題を解決していかなければなりません。 |
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