上海農業視察 |
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<概要> |
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今回の上海農業視察旅行は、友人3人と私の合わせて4名が、最近とみに注目を浴びている中国の農業について、実際にこの目で見てみたいという単純なきっかけで始まったものです。<BR> 中国は皆初めてで、知り合いもいなかったのですが、たまたま農協観光が最少催行人数4名という上海農業視察ツアーを企画しており、これにのって、我々4人で3日間の強行スケジュールの出発となった次第でありす。<BR> 平成18年10月21日(土):上海孫橋現代農業開発区視察 10月22日(日):上海曹安路市場見学/しんせん館(古北地区) 10月23日(月):上海星輝蔬菜有限公司視察 中国で我々を案内していただいた30歳前後の女性ガイドは、日本語が堪能で、無理な日程変更なども上手にアレンジしていただき、予想よりはるかに効率よくまわることが出来ました。感謝! |
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<孫橋現代農業開発区(研究展示館)> |
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上海市街地中心部から東へ車で約30分行ったところに孫橋現代開発区がある。 我々が訪れたのは研究・展示館で、大規模な温室を使った研究・実証施設となっており、上海市民の農業の観光名所となっている。入場料は30元(約450円)。 この孫橋現代農業開発区は1994年に創設されて以来、中国に21ヶ所ある国家農業科学ならびに技術区の一つとして承認されており、国家重要プロジェクトである工場的農業の先進的企業として、緑色野菜の温室栽培の国家的標準模範地区としての展示基地となっているそうである。 我々は巨大なガラス温室に案内され、担当の女性職員から、以下のような話をうかがうことが出来た。 ・ 1994年設立、1998年まで国が運営。それ以降は株式会社になる。 ・ 温室の面積は46畆(1畆=6.7a、1ha=15畆、46畆=3.1ha)が2箇所あり、トマト・パプリカ・キュウリなどの果菜類の水耕栽培が行われていた。7~8人の技術者が担当し、従業員は200人でそのほかアルバイトもいるとのこと。 ・ 開発区全体の面積は4平方kmで,オランダからの施設、国内産の施設を導入し,コチョウラン,グズマニア,トマト・パプリカ・キュウリなどの果菜類,キノコの他,魚の養殖なども行っている。 ・ また、野菜や花の種子生産・販売の他,組織培養による苗生産,キノコなどの食品加工も行っている。水耕での立体的なサラダ菜栽培、花苗栽培を行っている。 ・ 温室の技術はオランダから、潅水技術はイスラエルから学んだ。日本の技術は入っていない。 ・ 温室内にはたくさんの黄色のトラップシートが下がり、網を張り巡らして害虫の侵入を防ぐなどのIPM(Integrated Pest Management:総合的病害虫管理)を導入。 ・ 生産物は海外輸出も含め、無公害的緑色食品として航空会社,ホテル,スーパーなどに販売している。パプリカの販売価格は10元/個。 ・ 開発区に参画・投資している企業は19社で,総従業員は500人。 生産方式はビニールの袋を使ったピートバックカルチャーが主体。現地では無土栽培といっている。また、ハウスの中のトマトにはウイルス病が見られ十分な対策がとられていない。案内してくれた女性職員は案内専門で、技術のことはまったくわからなかった。野菜が専門の同僚は「こんな管理でよく最先端モデルといえるな」という反応でした。 この開発区は、3km×4kmくらいあり、その中心にこの研究施設ががある。地区は温室などでの栽培が行われており、一部はISO14000の国際基準取得をしているそうである。 ・ 孫橋現代農業開発区ホームページ:http://www.sunqiaoma.com
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<上海曹安路市場見学> |
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二日目の朝は市場見学であったが、ガイドは浮かぬ顔をしていた。「私は市場に行きたくないから、いつも妹に買わせに行っている」とのこと。その理由は市場についてすぐわかった。 野菜市場に入るなり、ひどいにおいがするのである。いろんな珍しい食材が並んでいたが、それよりも鼻を突くにおいと、野菜のくずが通路に散らばり、とても不衛生である。また、羊の肉を売っているコーナーもあるが、通路脇でパラソルの下の机の上に無造作に食肉を並べている。たまにハエが飛んでくるような環境である。 中国のレストランでは食材をこういう市場で仕入れているのであろうか。もしそうだとしたら、中国料理は必ず火を通して調理するというのがなんとなくわかるような気がする。
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<日本人向け日本式スーパー:しんせん館> |
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最近、中国の富裕層をターゲットにした日本の農産物輸出のことが何かと話題になっていますが、すでに中国に進出して実績を上げている店があることを知り、ぜひ訪れてみたいということで、ツアー日程にはなかったが、ガイドさんに無理を言って案内してもらった。 案内していただいたのは石橋修氏(上海石橋水産品有限公司)が経営する「しんせん館」。上海にも何店かあるが、事前にホームページで調べてあった住所を頼りに、日本人が多く住む地区にある古北(グッペイ)店を訪れた。 店そのものは30坪くらいで、スーパーにしては狭く、コンビニのような感じで、店内は日本のスーパーと同じようなパック、値段表の付け方をして冷蔵庫の棚には鮮魚や肉が並べてあり、果実や日本の「どん兵衛」も並んでいた。 1日の来店客は約1000組、そのうち約70%が日本人で、店には日本人顧客を対象にしたいけばな教室の案内やハイキングの案内が張られ、日本人同士の情報交換の場になっているような感じでした。 しんせん館のホームページ:http://www.shinsenkan.com/
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<星輝蔬菜有限公司> |
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上海市街地から南へ車で約1時間、杭州湾の海岸に近いというところに開発された約2000haの農場である。ここも大面積の農場の中心に一般の視察者を受け入れる施設を持っている。我々が訪れたときは、観光バスで中学生らしき学生が見学に訪れていた。 実際に露地で野菜を作っている圃場もみせていただいたが、大勢の農民が出て、手作業でネギの除草か土寄せのようなことをしていた。これだけ大規模でやっている割には、人海戦術で管理をしていることには少々驚いた。これも人件費が安いために出来る業なのだろう。 畑にはキャベツやネギが植わっているのだが、近くで水稲も育てられていたが、あくまで連作障害回避のためということで、日本のようにきれいな稲の姿ではなかった。 会社を案内していただいたのは、生産の総責任者である生産総監の張倍さんで、質問に丁寧に答えていただいた。 張培氏との質疑応答は以下のとおり。 ・ ネギ、キャベツの種子を日本から輸入し、野菜を栽培して輸出している。 ・ 労働者は3000人、うち管理などに当たる正規従業員は130人程度。 ・ 働いている農家の年間収入は5万円くらい(通常の農家の2倍) ・ 面積は2000ha(4社分) ・ 上海では一番規模の大きい国営農場 ・ 日本からはよく視察者が訪れる。9月26日には10人、10月26日には15人来る予定。 ・ 日本のスーパー“ジャスコ”(イオン)との取引が大きい。 ・ 種子は日本の協和発酵から購入し、出荷予定の2割り増しの作付けを行う。 ・ 生産した野菜は全部輸出。果物は一部上海で販売。 ・ 土壌は塩分を含み、肥沃でない。 ・ 野菜の連作障害防止のため、稲との輪作を行っている。 ・ 出荷先はほとんど日本で、一部台湾や東南アジアへ販売している。 ・ 日本への販売価格は国内販売の約2倍 ・ 雪は降るがたくさん積もることはない。 ・ 稲の刈り取りコンバインは公司のものではなく、農家から借りているもの。 ・ 規模はまだ拡大する予定。 ・ 総販売額は5000~6000万人民元(日本円で7.5億円~9億円) あとで気がついたことだが、組織名は記載されている資料により異なり、一体何が正しいのか戸惑う。手元にある資料などから引用すると以下のとおりで、あとは読者の判断に任せます。 上海星輝蔬菜有限公司(農協観光パンフ) 星火農場(上海の地図) 星輝果菜(組織のパンフ) 中国上海市都市農商社股份有限公司(組織のパンフ) 中国上海都市農商株式会社(組織のパンフ) 光明食品集團所屬星輝蔬菜公司(中国のHP) 上海市都市農商社股份有限公司(張培氏の名刺) Shanghai Urban Agro-Business Co. Ltd. (張培氏の名刺) Shanghai City Agricultural Trading Stock Co. Ltd(組織のパンフ)
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<その他> |
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