NIN-PU

8.いよいよ出産!! ふんばれ>俺(笑)




10/22(木) 本日予定日、全く気配なし(笑)

 本当なら今日が出産の予定日なんである。
でも、なんとなく二、三日前ぐらいから「予定日は過ぎるのでは?」という予感があったのよ。なんでかっつーと、産む直前って胎動が極端に少なくなるらしーのね。しかし、豆蔵の場合ってば、予定日の今日でもムギュムギュ、ウニウニ……と結構ちょこまかとまだ動いてるんだもん(笑)

 んでもって、なんとなくそろそろ訪れる出産の痛み~とか、そういうシビア~な事を考えるのがイヤなあたくしミャオ吉です。なんか、ダメなんだよねぇ~、イタイの苦手だからあんまり考えたくないの。
「いざとなったら、出てくるサ。出るようにカラダが出来てるんだから~」などと出産のプレッシャーから目をそらす、スッパイブドウにゃ刺がある(爆笑)、♪口笛吹いて~、空き地へ行ったぁ~(笑)、そんな予定日付近のあたくしなんだってば(^^;





10/27(火) 入院??

 予定日をとっくに過ぎたので、検診は二、三日おきに通わないとだめなんである。ああ、お金かかるねぃ~(笑)
 で、以前の検診で、
「予定日2週間ぐらい過ぎても正規産だから~」
とセンセイが言っていた、おお、確かに聞いたにもかかわらず、今日センセイってばいきなし、
「うーん、羊水も少な目だし、それちょっと気になるから、入院してあんまりカラダに負担かけない程度の薬を使ってみて様子みよっか(^^;」
って言うんだもん(^^; ぐげ☆
 ハァ~……、入院かぁ~、なんか産むまでに入院っつーのはお金もかかるしなるべく避けたかったんだけど、まぁ、しょーがないね(^^;
 ホントにしょーがないので、家に帰って荷作り。明日は平日なので夫の人は仕事だし、実家の両親に迎えを頼んで入院することにする。しかし、入院って聞いただけで夕食を作る気力はナエナエなので、ステーキ食いに行く(爆笑)★ ほら、精つけとかんとね(笑)んでもって入院中は暇ぷーだろうから、文庫本や雑誌を買い込んでその日は過ぎていったのであった。



10/28(水) おしるし? そして陣痛の夜(笑)

 入院当日の朝。目がさめると、なんか懐かしの生理痛のような鈍い痛みがお腹に……(^^;で、トイレに入ると、おおおおおおお~っ★、ちょっと出血してるし~、もしかしてこれが「おしるし」ってぇ奴ですかい~?? とうなる俺。

 イカン、自分では入院して薬ドーピングされて二、三日後ぐらいに出産だよ、デヘヘヘ……と悠長こいてたんだけど、これではもしかして今日明日中に生まれるかもしれんなぁ~とちょこっとだけビビる(笑)
 夫の人はとっくのとうに出勤してしまっている。(っつーか、夫の人が出勤しちゃってから目覚めたグータラな妻(笑))と、とりあえず、飯食おう(爆笑)バクバクバクバク……★ でも、食ったのはコーンフレークにミルクがけだったりなんか、する(^^;

 実家の両親に迎えに来てもらってHレディースクリニックへ到着。
「お部屋はどのお部屋にされますか?」
と可愛い看護婦さんに聞かれるが、もうココロの中では個室と決めておる(笑) さすがに特別室(メチャ広い。ベッドとバス・トイレ、しかも応接セットつき(^^;)を頼むほど高ビーなあたくしではないものの、とりあえず電話、バス・トイレ付きの個室にしてもらう。それでも小奇麗でファンシーなホテル並みのお部屋ではある、なんかウキウキ♪(笑)
 で、部屋に案内され、荷物をほどくその前に電話をチェック。おお、0発信だけど、電話線を本体からはずせばそのまま持参したモバギに繋げられるな、ホクホク♪(その後ホントーにこのHPの掲示板に出産レポートをリアルタイムに書き込みすることになるんだけどさ(爆笑))

 NST(腹に計測機をつけて胎児の心拍数を計る)をその後にされ、あとは病室にてそのままマッタリと過ごす。陣痛は来てるけど、まだ耐えられる範囲。ほぼ6分おきぐらい。
 内診をされるが、子宮口はまだ3センチしか開いてないと言われ、部屋に戻る。
 で、さらに陣痛を促すためにクスリを一時間おきに飲んでくださいと言われる。が、しかーし、3回目にクスリを飲んだときぐらいに、
「げ(^^; ヤバイ」
っつー痛みがやってきたのである。全くクスリってホントーによく効くのね(^^; 生理痛の100倍とは言わんけど、20倍ぐらいの痛みが、やはり6分おきぐらいにやって来たっす(; ;)

「ヒッヒッ・フー」
っつー呼吸法を頼りになんとか、耐える。ハァ~。

 そうこうしてるうちに、昼メシ。んまぁ、ドリアとその他おかずがオシャレ~ェなトレイにのって運ばれる。痛みの合間にバクバクバク……(^^)
 だが、その20分後、あまりの痛さにトイレで噴水のよーに全部吐いてしまう(; ;) ああ、もったいない……(笑) ま、いいか。3時になればおやつが出てくるとゆーし(笑)

 夜、仕事を終えた夫の人がやってくる、が、眉間に皺を寄せて「イデデデデ……」と痛みをこらえているあたくしを見て、今夜は一緒にお泊りしてくれるとゆー(^^) で、家からうたた寝用ブランケットを持ってきたのでソファで寝る彼。
 しかし、あたくしの方は頻繁にやってくる陣痛で眠れない。いや、ウトウト……とはするんだけど、なにせ6分おきに陣痛来るからさぁ~、寝れんわな~、こりゃ~クソ。後で陣痛の間隔をはかるために痛みが来た時刻のメモを見ると、だんだんと後になるほど字がいいかげん(笑)っつーか、初めは時刻と分をきっちり書いていたのに、最後の方は分だけしか書いてない、よっぽど痛かったのね(^^;

 夜中、様子を見に来た看護婦さんに、
「痛くて寝れん」
と言うと、眠りを誘うアロマポッドに灯をともしてくれた……が、これで痛みが治まるぐらいなら、退院後にアロマポッドを買いしめてやるわ~、クソ~(- -メ)
 とうとう、LDR(陣痛室、分娩室が一緒になった部屋。かなり広い)行きとなる。夫の人も一緒についてきて、二人でそこに布団を敷いてもらい寝ることになる。
 が! が! ぐわっ!!!!! 痛みはとうとうこらえても、声が出るほどヒドくなる(; ;) 横ですぴすぴと寝息を立てている夫の人がたまらなく憎らしい(笑) あいかわらず、すべての痛みを「ヒッヒッ・フー」ですます俺だが、痛みのはじまりがとにかく耐えられない。耐えられないあまり、横で寝ている夫の人の腕をバシバシと叩く。憎しみを昇華して痛みをごまかそーという魂胆である(爆笑)夫の人はムニャムニャいいながらも一緒に「ヒッヒッ・フー」と呼吸方をしてくれる。

 午前三時過ぎ。局部に当てていた特大ナプキンが妙に濡れているのに気付く。「あっ、破水してます」と看護婦さんに言われる。が、子宮口はまだ開いてないらしい。なんで?? なんで??? 早く、早く、早く~産みたい~、なんとかして~ぇぇぇっ……と看護婦さんには言わないが、ココロの中の断崖絶壁から荒波に向かって絶唱しちゃう俺なんである。
 そうやって入院一日目の夜は更けていくのであった……はぁ~☆


10/29(木) さぁ、出産☆ ファイト、俺(爆笑)

 アハハハハ……結局一睡もできなかったよ、アハハハハ……(乾いた笑い、目の下熊クマベア~♪)
 朝食が運ばれる。夫の人は近くのコンビニでテキトーに買ってきたものを並べて一緒に食べる。が、やはり陣痛がやってきて、箸を投げ捨てては「ヒッヒッフー」。ええかげんにしてくれ~(笑)

 痛みはもう、なんと表現すればいいかのぅ~、デカイうんちのカタマリが徐々に肛門に降りてくる、そんなカンジ(; ;)でも、いきんじゃダメなのね(笑) まるで拷問っつーか、スカトロSMプレイをされているよーである。もし、ちょっと顔つきのキツイ看護婦さんが来たら、思わず「女王様お許しを~」と口走ってしまいそーなミャオ吉(笑)

 昼まで結局そのまんま(号泣) で、腹の子はだいぶ位置が下がってきてるんだが、まだまだと言われ、絶望のどん底に叩き落とされる。し、かーも、夫の人は午後から実母と入れかわりに会社にいかないと、と言いやがる(笑) おお、行ってこい、行ってこい。が、このまま、もし俺にナンカあったら、貴様は一生罪の意識に苛まされる羽目になるがよろしーか? などと呪いの言葉をつぶやくミャオ吉を横目に夫の人は去っていったのでありました。チャン・チャン♪

 入れかわりに来た実母カズコがLDRに入室。が、このオンナ、来て早々言った言葉が、
「ねぇねぇ~、今病院に桜田淳子が来てるのぉ~(^^)」
なんで? なんで桜田淳子が来てるのかとかは別にどうでもいいんだが(笑)、カズコ、貴様は苦しんでいる実の娘に言うねぎらいの言葉もなしにこれか?? これかい? と、頭の中が永遠のラビリンスっつーか、クラインの壷がグルグルと頭の中で回転しやがっている(笑)

 なんでも、桜田淳子本人の友人が昔ここの病院の若センセイが某病院に勤務してたときに出産かなんかして世話になったので顔を見せに来たらしい。桜田淳子はそのつきそいっつーワケ。←あ、この辺、モーローとした頭でカズコが言ってるのを聞いてたから、ちょっとあやふや(笑)
 それはそれとして。
 桜田淳子など、どーでもいいんだ~っっっっっ★(- -メ) テメェラ(*注*そーいえば、あの時、いきなりLDR内に居たはずの看護婦どもの数がやたら減っていたケド、貴様ら、ミンナ淳子の見物に行きましたね(- -メ)呪う・呪う・呪ってやる……以下エンドレス(笑))俺が油汗かいて苦しんでいるのをなんか忘れてませんか~っっっっ(ミャオ吉ココロの叫び)

 そして昼食が運ばれる、が、痛くて食うどころじゃありませんことよ(; ;) なんか食ったら最後、腹に物が入るその重みで、今、来まくりやがってる肛門付近のナニカ(*注*ナニカとか胎児の頭だってさ。胎児の頭が母体の背骨の最後の部分(尾てい骨付近?)まで来ているらしい)がさらに下がってきそうでとても恐くて食べれません(^^;
 っつーか、昼食の乗っかったトレイ、それを見るのももはやイヤなんである。
「いらん。食べれない。頼むから下げて~」
と言うが、母カズコは
「少しでも食べないとだめよぉ」
と言いやがる。食えるか、コンチクショウ☆ 試しにちょこっとだけついばんでみる、が、とてもダメの介さ(笑)悩んだ末、
「おかーさんが食べてくれればいーから」
と言う(爆笑)母カズコも一口ぱくりと食べて、
「おいしーのに」
と言いやがる(爆笑)もういいよ(笑)ホント、ホント。
 結局、トレイほとんど手つかず状態で返却。

 昼食後、痛み最高潮っ★ ギャースギャースわめいていると、看護婦さんが、
「とりあえず、分娩台の上で横になりましょうか」
と言ってくれる。この分娩台、アメリカ製かどっかの外国製だとかで、フツウ分娩台ってさ、安楽椅子みたいなんに足のっける台がくっついてるデショ? あんなんじゃなくて、全くベッドの形。で、横にふんばるときにつかまるバーみたいなんがついている。が、しかし、ただの分娩台じゃなくて、そのときの陣痛に応じて一番楽な体勢をとれる様に変幻自在らしーのだ。背中の真ん中が膨らんだり、いよいよ産むってときには足元がガクンと落ちて足台ができたり……とからしーのね(^^; うう、ハイテクじゃーん。
 が、その時はまだその分娩台のありがたみなんざ、どぉでもいいの介(笑)

 やがて、痛みは痛みっつーよりも、なんかデカイうんこ(笑)が出ちゃいそーなオソロチイものになってしまった(^^;
 分娩台の上でもがき苦しむ。横に看護婦さんがいてくれて、背中さすってくれながら、
「ヒッヒ・フーウンのウンってとこで息抜いて、いきみを逃してください」
とか言われるが、できるか、ソンナモン~(; ;) できん、絶対できんわ、クソ。とりあえずこちらの誠意を見せるため(笑)、「ヒッヒ・フーウン」とまねっこしてみるが、あらら、声がすでにあたしってば泣き声(爆笑)
 そして、尻付近のデカイカタマリが徐々に降りてくるので、耐えきれず、
「あ、出ちゃう、出ちゃいます~(泣き声)」
と言うと、肛門付近に握りこぶしを当てて出ないよーにしてくれる。が、看護婦さんが器具かなんか取りにちょこっと手を離すともうダメ。
「看護婦しゃああああん(; ;)」
と絶叫して握りこぶしをせがむ、もはや人間以下になり下がった俺(笑)

 んで、その後点滴打たれる。たぶん陣痛促進かなんかのクスリ。

 んでもって三時頃、おやつが運ばれてくる。が!が!!!
「この状態でわしにおやつを食えとゆーのか???」
食えませんでした、ハイ(爆笑)

 そんなこんなで夕方になる。
 夕方過ぎ、夫の人が会社から到着。すでにこっちは人間以下状態(^^;そのうち助産婦さんが来てくれて、
「ご主人も、もう付きそいましょう(^^)」
とアッカルーく言う。(実はそのときまで全然立ち合い出産の予定などなかった(^^;)

 「じゃ、仰向けになってちょっといきんでみましょう」
と言ってくれる。おお(^^)天使の声に聞こえるぜ(笑)愛してるよ、チュッ(*^^*)
 しかし、初めてのいきみは、なんか照れちゃって、しょぼかった。
「もっと思いっきりいきんでいいですよ」
と言われ、
「ヒッヒ・フー……んごぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっっ☆」
……ああ、今、きっとアタシ、ケダモノの顔してますわ、んとに(号泣)

 しかし、いきんでるときはとてもキモチいいのだ(^^) そのときだけ、痛みがどっか行っちゃってくれるのね。
 夫の人は横についててくれるが、手を握ってるんだけど、ちょっとアンタ、そこは夕方あたしが点滴打たれたポイントだよ、いてーよ(笑)
 夫の人を怒鳴りつけ(気がたっている(笑))、夫の人は横でしょーがなくいきんだ後に麦茶をストローにさした奴をあたくしに飲ませる係となり下がる(爆笑)

 「もうちょっとがんばれば、赤ちゃんの頭出てきますからね~」
と助産婦さんが言ってくれる。
「ご主人、今徐々に降りてきてますから、手を当ててみますか?」
ヘ? と思うが、オシモの方はなんか直接触れないよーになってるんだか、なんだか知らんが夫の人が局部部分に手を当てる。
「んごぉぉぉぉぉ☆」
といきむと、
「わ、なんか出てきた、膨らんでる~」
と夫の人のびびりまくった声。そーか、なんか出てるのか、でもまだ頭じゃないのね(号泣☆)たぶん、胎嚢かなんかだと思う。
 しかし、いきむのはいい。いいのだが、一つだけ心配ごとがある。オシモの方をずっと器具かなんか入れて凝視している助産婦さんに、
「あのぅ~、アタシ、ウンチとか出てませんかね?」
と聞くあたくし(爆笑)
イヤ、だって気になるし、もし出てたら悪いじゃんね(^^; フツー分娩台に上がる前に浣腸するって聞いてるのに、この病院ってば浣腸してないしさ~。
 すると、助産婦さんは大爆笑して、
「大丈夫。出てないです。っつーか、出ないもんなんですよ。お母さんのカラダはうまいことなってるんです」
と言ってくれる。ちょっと安心(^^)

 が、しかし、いきんでいるときは気分爽快、元気百倍の俺様なのだが、いきみ終わると、腹にいきんだ後の筋肉痛っつーかぶり返しの痛みがやってくるのだ(号泣)
「んごぉぉぉぉ☆…………イテテテテテ」
これのくり返し(笑) さえないなぁ(^^;


 しばらくすると、若センセイと院長センセイがLDR室に入ってきた。おお、待っとんたんやで~。早くなんとかしてくれ~(^^)
 この院長センセイっつーのが、すでに権力を息子である若センセイに全部譲ったらしーんであるが、この人の容貌が、これまた「動物のお医者さん」に出てくる「漆原教授」そっくりの(爆笑)、なんかコワモテのじーちゃんなんであるよ(^^;

 しばらく二人は人間以下になっているミャオ吉の様子を見ていたんだけど、なんとだんだんと陣痛の間隔が空いてきたのさ。ああ、楽チン♪陣痛の合間には夫の人や助産婦さんと世間話ができるくらい余裕しゃくしゃく♪
 が、漆原教授(笑)、それが気に入らんかったのかどーかは知らんけど、非常にキビシイ顔で、

「いかんな、陣痛の間隔が空いてきたじゃないか。○○○を打ちなさい」

 …………えっ?\(@o@)/
 なんかたぶん○○○っつーのは陣痛促進剤の名前だと思う。げ(^^; なんかデカイ注射器出てきやがった。ギャギャギャ、打つな、打つな、打つな~ぁぁぁぁぁ……☆……と、叫ぶ間もなく腕にデカイ注射針がちくんと刺さる。(しかし、陣痛よりは全然楽なので痛みはあまり感じない(^^))
 足袋っつーの? なんかルーズソックスのデカイ奴みたいなのを履かされて、分娩台の足元がオートマチックでグィィィィン……と下がっていく。おお、足元ふんばるトコロが出来たわ(^^)

 ……文明って偉大です。ましてや科学の力は絶大ですナ(笑) ん、もう~、注射打たれて三分後ぐらいに、今までの陣痛はなんだったの、そうよ今までのは子供のお遊びよ(笑)、みたいな猛烈な陣痛がやってきた(爆笑)
 もう人間以下のブタさんになり下がっているあたくしは、ひたすら科学の力の前に平伏し、
「んごぉぉぉぉぉ☆(もう、イヤ(^^;)」
とうなるしかなかったのでした(笑)
くすん(; ;)
 すると、横につき添っていた夫の人が、
「わ、頭が出てきた~\(@o@)/」
と言いやがる。フン、そりゃ、こんだけ猛烈な陣痛がくれば頭も出てくるし、ブタも木に登るわ、クソ(- -メ)
 これがいわゆる「発露」っつー奴で、オシモちゃんから赤子の頭がちょっと見えている状態らしい。
 しかしなぁ~、もういきみが止まらんっつーか、走り出したら止まらないぜ、土曜の夜の天使状態の俺様には、もはやどうにもできんワ(^^;
 どんどんいきむ。いきんで、いきんで、いきんで……(ああ、やっぱクスリの力ってコワイ(^^;)
 ……と、シモの口がなんか突っ張るよーなカンジがする。
「もうちょっとですよ。今頭半分出てきましたから~」
と言われるが、まだいきんでいるアタクシ。
 「ハイ、いきむのやめてください、短く呼吸して~、ハイ、ハッハッハッハッ……」
と助産婦さんに言われる。エ?エエエエエ?ってカンジ。この期に及んでソンナコト言うか~っっ?? 殺せ・殺せ・さぁ殺せ~っっっっ(爆笑)
 しょーがないので、ハッハッハッハッ……と短息呼吸に切り替える。今思うと、頭が半分出てきたから、ここでいきんじゃうと、いきんだあとに出口がしぼんじゃうから、赤子が窒息しちゃう、からだったのね(^^;
 ぐぇ~、いきみたいよぅ~、
「……はぁはぁ、も、いきんじゃだめですか、まだだめですか~っっっ」
またもや泣きが入るミャオ吉である。
 「だめです」
……うぉぉぉぉぉん(号泣)

 で、どんだけ過ぎただろうか、たぶん短い時間だったと思うんだけど、
「ほぎゃあ、ほぎゃあ、ほぎゃあ」
赤子の声がLDR室に響き渡った。感動の涙なんてなかったね、そんときゃ。ただ、
「ああ、終わったぁ~(^^)」
とラクになっただけで(笑)ああ、こんで終わりね、終わりなのねぇぇぇぇ♪ 不思議と笑みがこぼれる。
 夫の人は、と見るとバカモノ、すでにビデオカメラやらデジカメやら、普通のカメラやらを首からぶらさげては、赤子の写真をバシバシ撮っている(爆笑)出産などとゆー偉大な仕事をなしととげた俺様っては、ほったらかし(笑)ヒ、ヒデェ、鬼夫~っっ。
 「男の子ですよ」
……やっぱり。エコーでちらりと見えたアレ、アレはやっぱりチンチンだったのか(^^;

 その後、もう一回「フン☆」っていきんで(しかし、全然ラク(^^)胎盤をにょろりと出して、会陰を縫って(やっぱり、ちと裂けたらしい(^^;)おしまい。縫ってるのってもう全然わからなかったよ、あたくしの場合。ま、あの地獄のよーにイタイのの後だから、こんなもんへでもないわ(笑)
 赤子をキレイに拭いてもらってから、初乳とやらをやる。ふぇ~、なんか蒸したてのモチみたいで、湯気あがってて、しかもなんかグニャグニャで頼りない~(^^; しかし、産んだ後にすぐ乳って出るもんなのね(笑)チマイ口でチクチクと吸っている。
 んで、イロイロ産んだ後のカラダのチェックして、助産婦さんにつきそわれてシッコして、車椅子で病室に戻る。(ホントは、もう自分で歩けるぐらいだったけど(笑))
 時間は夜10時。腹減った(笑)病室には夕食が届けられていた。なんかのお造りのお頭付き。ウメェ。しみじみ食す。エラかったぞ、わし、誰もさっきは誉めてくれんかったが、今自分で誉めてやるさ(^^)

 どーも、産辱熱っつーのが出たみたいで、その夜は汗びっしょり。出産ハイなこともあってほとんど睡眠は取れず。昨日から寝てないから、おりゃ~、ゾンビだな、こりゃ(爆笑)



10/30~11/5 極楽の入院生活

 すみません、入院生活を今ふりかえるにあたって、「夢のような」とか「極楽」とか「楽チン」という断片的な単語しかもう浮かんでこないトリアタマな俺(笑)

 一日目はまだシャワーなども浴びれないので、看護婦さんが頭だけ洗ってくれる。ちゃんと美容院みたいな洗髪台で。極楽。
 しかし、髪の毛もキレイにしてもらって午後のおやつなどを食べていると、看護婦さんが来て、
「赤ちゃんどうしましょう、お母さんと同じ部屋にします?」
と聞くのだ。ここで出産ハイな俺様ってば、
「あ、じゃ、お願いします、同室で」
と言ってしまうのだ。これが大きな過ちっつーか、自分で自分の首締めたな、ミャオ吉(笑)
 

 が、しかし、連れてこられた赤子は、「あれ、なんか赤子の顔の印象がちょっと変わったような~?」
 って、えっ!? なんか違うぞ。一緒にいた母カズコが、
「あの~、うちの孫は男の子なんですけど」
ぎゃははははははっ☆ なんと看護婦さんは間違えて俺の赤子より一日前に生まれた女の赤子を連れてきてしまったのだ。しかし、うすらぼんやりとしていてそれにしばらく気付かん俺も俺(爆笑) ああ、もうちょっとで他人の赤子に乳やっちまうとこだったよ(笑)

 さて母子同室(^^; いやぁ~、疲れるよ、だって頻繁に乳やって紙おむつ替えて、ウンチとオシッコとかしたら記録して……延々その作業の連続。本当は産んでから二、三日はゆっくり休みたいなぁ……とか思ってたんだけどね。だけど、どうせ退院したらコレ全部自分でせなあかんのやからさ~、ま、今のうち練習しといて慣れたほうがいいかもしんないよ、てなことをやはり産後のうすらぼんやりした頭で思っていたのだった(^^;
 赤子は昼はよく寝てるんだけど、夜は頻繁に泣く。乳やるんだが、いかんせん飲むほうも飲ませるほうも初心者(笑)乳の量も足りないのかどーかしらんけど、とりあえず乳やってそれでもフェフェ泣いたら、ナースコールしてミルクの出前を頼む。ハァ……眠い……寝かせろ(笑)
 ま、昼間赤子が寝ているうちにあたくしも寝るからいーんだけどさ。

 二日目からは部屋のシャワーなども浴びれる。
 しかし、足が異様にむくんでいるのはナゼ?? 看護婦さんに告げると、足浴(足を熱いお湯につける。ハーブエッセンス入り(^^))をしてくれる。あと、ベッドはパラマウントベッド(笑)で、頭やら足やらの高さの調整が自由自在にできるので、足のほうを高くして寝てた。

 夫は毎日定時ダッシュでやってきて、母カズコの作った夕食用弁当を食って赤子と遊んで帰っていく。
 毎日がゆったりと過ぎていく。だらだらと赤子とだけ接触して、だらだらと休み一日はあっという間に過ぎていく。途中あんまり暇なときは持ってきたモバイルギアを病室の電話に繋ぎ、自分のホームページに近況をやはりだらだらと書き込む(笑)

 途中おっぱいマッサージやら、全身マッサージ(これは超極楽。全身をエステみたいにハーブオイルでマッサージしてくれるのだ(^^))やら沐浴指導などの細かいメニューをこなすが、なんとなく今思い出してもピンクのもやにかかったようにしか思い出せない。今思うとあれは母子の蜜月期間だったのだが、ひたすら赤子の事だけしか考えられない様にナニカの力が働いて、子育て作業をインプットされたとしか思えない(笑)

 おいしい食事を与えられ、三時と夜八時には甘いおやつもいただける。実際退院してからはそんなもん誰も作ってくれず、自分で作ったマズイ&手抜きなオカズやら、スーパーで買ったジャンクなおやつをほおばるハメになるのだが、今はただ、「がんばったね、俺」とまるでご褒美みたいな生活を楽しむしかないのだ。いろんな心配ごとを考えるのはアト回し。今は赤子のことだけを考えろ、とカラダの奥から何者かの声がする。

 退院の日の昼食は(昼食後、退院だった)は豪華なフルコース(^^) ラウンジで一日前に女の子を産んだ(ってその子に間違えて乳やりそーになったんだけどさ(笑))お母さんと一緒に、
「きゃー、ウマイ」
「どぉせ退院したらこんなにウマイもんは食えないから、今のうちに食うぞー」
などといいつつ頂く。この人はすでに三人目出産なので、いろいろ育児のワンポイントアドバイスなどももらえて、なかなか楽しい食事だったよ。なんでも「ある程度おさえて、後は手抜きでも子は育つ」らしーです(爆笑)

 夫の人は会社を一時抜け出して迎えに来てくれた。一週間暮らしたこのパステルトーンなお部屋ともお別れだ。今思うと砂糖菓子のような部屋だったな(笑) ここでの暮らしも砂糖菓子のようだったよ。甘い暮らしともお別れだ、明日からはなんせ戦争のような育児を自分でこなさなきゃいけないんだから、な。

 看護婦さんやらセンセイやらが総出で見送りしてくれる。ありがとう。もしかして母カズコの送った退院お礼のつけ届けが効いたのか~??(爆笑)
 ベビーキャリーに乗せた赤子はすやすや眠っている。

 帰ろう、アタシ達の家に。たぶん明日からは戦争だし、入院生活は砂糖菓子のようで、おいしかったけど、でもやっぱり帰りたいや。
 だって二人だった戦士が一人増えて三人になったんだもん。うちの部隊の行く末はこれからどうもにぎやかになりそうだよ。あたしは育児に関しては百戦練磨の戦士じゃないけど、サポートしてくれる夫の人もいる。戦いようによってはがんばれると思うよ。
 家に帰ろう。そしてようこそ、うちの部隊へ。


 ってなワケで、NIN-PU一巻の終わり~♪ 読んでくれた人サンキュ~ね(^^)
 次はIKU-JIでお会いしましょう(って嘘(爆笑))



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