塗立ともいい、中塗で研ぎ出した表面に油性の漆を塗るだけのもの。
漆独特の光沢を残し、気品のある塗です。
呂色ともいい、油分の無い漆を上塗してから研磨して艶を出すもの。
本来は紀州根来寺の寺院什器に使われたの塗物です。
分厚く堅牢に塗られた朱色が、長年の使用によって上塗の朱が剥げ、ところどころに下地の黒漆が出てきたものが面白く珍重された。
必ず上塗の朱漆は塗立で磨いていない。
中塗表面に、楓の葉に漆をつけて貼りつけ、楓の葉の文様を写し、透漆を塗って研ぎ出したもの。
夜桜棗でよく知られる塗で、蝋色の胴擦りの後に焼漆で桜模様を描き、その上を蝋色に仕上げるものです。
中塗研立の後に擦り漆をして金・銀箔を置き、乾燥してから透漆をかけて上塗をしたもの。
参考文献
野村瑞典 著 「茶道具の基礎知識」光村推古書院
松田権六 著 うるしの話 岩波新書
淡交別冊 「漆の美」 淡交社