白地にコバルト(呉須)で絵付けをし透明な上釉を掛けて還元焼成をした磁器の総称。 染付の焼造は中国宋代にはじまったと考えられ、元代を経て明代の初めに完成した。
室町時代にはじめて中国から輸入されたときに、見かけが藍色の麻布(染付)に似ているので日本ではその名で呼ばれるようになった。
中国明代末期の景徳鎮民窯で天啓・崇禎 年間(1621〜44)に焼成された染付。 青味が強くやや黒ずんだ発色で、虫喰と称する釉はげが口縁部に在るのが特徴。
(虫喰は素地と釉薬の収縮率の違いにより生ずる)
呉洲とも書かれる。 中国明代後期、華南あたりの民窯の作と考えられる。 呉須とはコバルト化合物を含んだ鉱物名であるが、焼物の名称の一つとしても使用されている。
染付の発色が黒みを帯びた青になり、上釉もやや厚く技法的にも粗雑な物を「呉須」と総称している。
染付の中でも特に精巧で良質な品。
中国景徳鎮窯で崇禎年間(1628〜44) に焼成された。
祥瑞の名は「五良大甫 呉祥瑞造」の染付銘款が入っていることから来ており、この銘については土地・人名説があり詳細は判明していない。
タイのスワンカローク窯の焼物。 鉄絵の物が多いが藍呉須のものもある。
14世紀後半〜16世紀までは活動したが、17世紀以降の存亡は不詳。
安南(ベトナム)で焼かれた陶磁器。 「安南絞り手」と呼ばれる呉須文様が流れた物が好まれた。
これは染付の上釉が流れやすい性質のため、流れてぼかしたような文様になるところからこのように呼ばれた。
14世紀に染付を創始する。
朝鮮の李朝期に焼かれたもので中国に比べると呉須の発色が淡い青で柔らか みがある。
染付磁器は15世紀に入ってから焼かれる。
日本の染付としては伊万里が有名である。
参考文献
「茶の湯用語集」 久田宗也 編 主婦の友社
「茶道具の基礎知識」野村瑞典著 光村推古書院
「原色茶道大辞典」 淡交社
「やきもの事典」 平凡社